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【シカゴでバードウォッチング!】 Canada Warbler クロボシアメリカムシクイ

今年は五月に日本に一時帰国していたため、シカゴでの渡りの時期を逃してしまいました。そのため、こちらに帰ってきてからバーディングをしていても、あまり珍しい渡り鳥を見る機会がありませんでした。

がっかりしながらも辛抱強く探し続け、見つけました!上の写真、熟練のバーダーさんが見ると、一目で何の鳥かわかるんですよ〜!信じられませんよね。胸が黄色くて、下腹が白、尻尾が灰色。

いろいろな鳥の渡りの時期の終わりの頃にシカゴに寄る鳥、Canada Warbler (クロボシアメリカムシクイ)です。2019年にLiferとして見ていたんですが、その時の感動が薄かったためか記憶にありませんでした。今回は私自身が見つけ、ゆっくり観察できたので、とても嬉しく、印象に残る鳥になりましたので、記事を書こうと思いました。(下書きは随分前にしたんですが、その後色々ありまして、今頃の投稿になりました・・・。)

まず、Canada Warblerの全身の写真を見ていただければおわかりのように、喉から胸とお腹にかけて鮮やかな黄色で、その胸に黒いおしゃれなネックレス様の紋様があります。別名Neclaced Warblerと呼ばれています。日本語名の「クロボシ」はこのネックレス模様を表していますね。頭から背にかけては灰色で、目の周りの眼瞼輪は白く、目がかなり大きいです。

「目がとても大きいのを見てちょうだい! 」と言わんばかりのポーズ。    ©Dan Lory
黒いネックレス模様が素敵!でも、オスです。     ©Dan Lory
これはネックレス紋様の色が薄いので、おそらくメスです。     ©Dan Lory

Canada Warblerの雄は、つがいの相手を探している時期には、一分間に六種類の歌を歌うそうです。こういうことを研究していらっしゃる学者さんには、本当に頭が下がりますよね。

また、Canada Warblerは、warblerの中でも一番多く空中で虫を捕獲して食べるので、昔はCanadian FlycatcherとかCanadian Flycatching Warblerという別名もあったらしいです。この可愛らしい顔で、蛾、毛虫、甲虫(こうちゅう)類、蝿などを食べます。

珍しく枝の上で毛虫を咥えているオスのCanada Warble     ©Dan Lory

Canada Warblerは、越冬地である南米から繁殖地であるアメリカ北東部やカナダまで3,000マイル(5000キロ弱)以上も飛びます。アメリカの春の遅い時期に飛んできて、夏の終わりから秋にかけて誰よりも早く南米へ飛んで行ってしまいます。

渡りの時には夜間飛行するため、建物にぶつかったりして死んでしまうことが多いということです。(だから、大都市の高層ビルの電気を消すのが大切なんですね。前掲記事参照。)

また、カナダでもどんどん人間中心の開発が進んで森林が減っているのが原因で、Canada Warblerの数が減少しています。その上、長く滞在するアンデス山脈では、森林を完全に伐採して開けた土地でコーヒーの木を育てるので、Canada Warblerだけでなく他の渡り鳥たちの個体数が減ってきています。

そこで、鳥たちを保護するために、完全伐採をしないで、木の高さを決めて残したりあまり陽が当たらないところでも育つコーヒーの木を植えるなどの工夫もされ始めています。bird friendly coffee というコーヒーも売られています。ご興味がおありの方は、こちらをご覧ください。また、このページは、bird friendly coffeeが買えるサイトです。

私たちが日常飲んでいるコーヒーがCanada Warblerのような鳥たちに悪影響を及ぼしているなど普通考えが及びませんが、これからは頭の隅に入れておいた方がいいでしょうね。世界は全て繋がっていますから。






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