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【八代亜紀さん】【これまでの治療経過と今後の方向性】自己免疫疾患(指定難病)とともに生きる (9) - JANGAN MALU-MALU! Living with an Autoimmune Disease

【八代亜紀さん】

 今になって気づいたが、2023年12月30日に永眠された八代亜紀さんが患っていたのが、私と全く同じ皮膚筋炎(抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎)であった。そのころの報道で、きっとこの病名を耳にしていたと思うが、まったく記憶にない。まさか自分が同じ病気になるとは、そのときは夢にも思わなかっただろう。私が主治医から言われた、抗MDA5抗体陽性の場合、高頻度に急速進行性間質性肺炎を併発し、数日から数週間で急激に悪化して呼吸困難になり命に関わることもあるという、まさにその急速進行性間質性肺炎で、残念ながら八代亜紀さんは命を落とされたのだから、私にとっても他人ごとではない。謹んで、八代亜紀さんのご冥福をお祈りしたい。
 八代亜紀さんが「雨の慕情」で日本レコード大賞を受賞された1980年、私は小学校2年生であった。テレビから流れてくる八代亜紀さんの歌声に、小学生の私も大人の魅力を感じ、耳に残ったことを覚えている。ちょうど本日2024年6月21日、関東地方は梅雨入りし、今も雨が降っていて、病室の窓から大学キャンパスを傘をさして歩く学生たちの姿が見える。八代亜紀さんの歌声が、頭の中を駆けめぐっている。

【これまでの治療経過と今後の方向性】

 入院24日目(6月22日)、主治医から、これまでの治療経過と今後の方向性についての報告を受けた。
 早期発見・早期治療ができたおかげで、本当に経過順調で、入院後数日は進行していた間質性肺炎も、その後は進行が止まって改善傾向にあるとのことだ。入院後数日といえば、動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数をモニターしていた看護師が、深夜に駆けつけてくれ、まさに、一晩だけ酸素をつないで寝たころだ。確かにそのころが一番つらかった、と当時の記憶が蘇ってきた。それから3週間弱、今となっては一晩酸素をつないで寝たのも良い思い出で、遠い昔のような気も、つい昨日のような気もして、なんだか不思議な気がする。
 今のところ幸いなことに、ステロイドや免疫抑制薬の副作用はほとんど見られず、他の合併症も特に出ていないので、このまま順調にいけば来週ごろには退院に向けた相談も始められるかもしれない、とのことで一安心した。もちろん、これから薬の副作用や感染症などの合併症が遅れて出てくることもあるので、完全に安心できるわけではなく予断を許さない。それでも、入院当初最も心配していた間質性肺炎の急激な悪化がなく、本当に良かった。
 これからの入院生活後半は、ステロイド内服薬(プレドニン)と免疫抑制薬内服薬(プログラフ)の内服が中心で、余裕をもってのんびり過ごすことができそうだ。いよいよ、自分の人生後半に向けた新しい出発の扉が見えてきた。ドキドキワクワク楽しみで仕方がない。

(つづく)

(カバー画像:面会に来た友人からの差し入れのお花に心躍る)

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