海で鳥見を始める
田畑でツグミが集まり始める光景で、別れが近いことを実感する。
夏鳥と比べれば、冬鳥は大型で存在感がある。
「立つ鳥跡を濁さず」
鳥も人も移動時期で、体力が必要な時期に入る。
どこかにも同じ旅をする仲間が居ると思って、背筋を伸ばす。
こんにちは。
やっと“場所シリーズ“の最後、海編になります。
冬鳥は海を渡って北へ戻り、早い留鳥は営巣を始める季節に入ります。
春が近づく岬に、羽休めを見に行こうかなと思っているこの頃です。
山編でも多少触れましたが、冬場のマイフィールドは“身近な場所“か“海“になります。
とはいえ、北海道規模の大自然を冒険するわけではなく、気軽に行ける場所(漁港・河口・浜etc)での話です。
このブログはバードウォッチング初心者に向けた内容になっていますので、上級者にはつまらない…というか物足りないです。
それでも読んでやろうじゃないかと前向きな方はウェルカムです。
気軽にフォローしてください。笑
さておき。探鳥の楽しさを共有すると同時に、今回は海鳥に関心を持っていただけることを願いつつ、本題に入りたいと思います。
・海の楽しみ
大海原に住む鳥は、泳ぐ・潜ることも得意とする。海藻や甲殻類、魚を好む鳥も居て、食生活は豊かだ。
日本に訪れる渡り鳥の多くは海を渡る。そういった点でも一番多くの野鳥が見られる場所が海かもしれない。
漁港や市場に近づくと、何かしら飛んでいる鳥を目視で確認することは容易でしょう。
ただ、ウミネコ・カモメ・トビ等の見慣れた鳥でも、見分けることに苦労します。若鳥と換羽時期の判断が出来ず記録して持ち帰るものの、写真と図鑑を合わせても未だに唸っています。
フィールドノートには、識別に自信がない時の「?」、○○の仲間としかわからない時の「Sp」が並び、オスメスの区別さえつかない時がほとんどです。色違いなら分かりますけど、“メスはオスより薄い”なんて曖昧な説明では諦めます。
フィールドノートは前の年との変化を知る材料になれば良いので、大雑把に記録しています。
海鳥の種類は多いし、判別に挫折しそうになるので、最初は特定の種類を観察してみるのが楽しいかもしれません。
例えばSNSの写真を見ると、その人の被写体に好みに気づくでしょう。
鉄道だと“新幹線、在来線、地下鉄”の車両の違いのように、“この方は猛禽類、干潟狙いのシギチドリか〜、変わったガンカモね“なんて推測ができます。
当たり前ですが、推しに特化すると生態に詳しくなります。
飽きずに知識を深めていけば、いつかは海鳥全般を攻略できるかもしれません。
夕方近くに淡水域に水を飲みにくるとか、水浴びしてるとか。そういった生活リズムの情報は、探鳥のヒントになります。
移動する(渡る)鳥を見たい時は、目撃情報が重要です。
冬鳥には調査用のGPSが付いている個体も居るので、研究者が公表している場合は現在地が分かる事もあります。
あとはバードリサーチのように情報共有できるサイトも参考になります。
・天候と安全
私の密かな楽しみですが、冬鳥は標識個体(足環やレッグフラッグが付いている調査用個体)を探して見ています。
水に入ってない時は脚ばっかり見てるので、波が来てることに気づかず靴が浸水することが何度かありました。
そのことで車にビーチサンダルを常備するようになりましたが…波打ち際で探鳥する時は気をつけてください。
カメラや双眼鏡を通すと距離感が掴めず、身の回りの視野が狭くなります。(特に足元。)
天候を読む修行が足りてませんが、嵐の翌日は漁港は賑やかです。台風が去ったあとで波がまだ高い時など、普段沖に居る鳥や迷鳥が見られたりするチャンスはあります。
ただ悪天候時には海へ絶対に近づかないでください。身の安全が第一優先です。
渡りは風向きも影響するようなので、気圧配置読みたい時は中学校理科から学び直してみましょう。
こんな意味を持って勉強できてたら、もっと理科が楽しく思えたでしょうね。
・マイクロプラスチック
自分の目の前で、他人の子どもが道路に飛び出しそうだったら咄嗟に腕を掴むでしょう。
ではビニール袋が飛ばされて海に落ちそうだったらどうですか?
他人が捨てた物でも手を伸ばしますか?
ティモシー・モートンさんの例え話を少しアレンジしてみましたが、物を擬人化することによって問題が捉えやすくなると思います。
ちょっと真面目な脱線をします。
穴が開いたり、破れて使えなくなったビニール袋が海の中にたどり着いて分解されるまで何千年。
ここ数年は落ちている不織布マスクも見かけるようになりました。マスクもプラスチックですからね。
分解といっても細かくなるだけで、いわゆるマイクロプラスチックは食物連鎖を経て、生物の身体に残ってしまいます。
海鳥の巣材がプラスチックゴミだらけだったことは衝撃で、廃棄まで責任を持つことの重大さを自覚しました。
環境問題を懸念してるフィールドが海です。
地球の7割が海ですから、広大な海の環境を守ることは容易ではありませんが、できることを考えていきたいです。
探鳥をきっかけに、海鳥を含む生物多様性にも感心を持っていただけたら嬉しいです。
・雑記
やっと場所編が終わりました。
とりあえず春の渡り前に書けて良かったです。
山編のボリューム多かっただけに、今年は山に行きたい気持ちが膨らんでしまいました。
皆さんの計画が実現することも願っています。
これから書く予定の記事の中で、プライベートな内容を含む場合には有料記事にする予定です。
自分の顔を出すとか、野鳥の具体的な生息場所を言うとかではないので誤解しないでください。
あくまでも守りたい内容ということです。
無料記事も手を抜くつもりはありませんので、ご安心ください。
春、秋は探鳥シーズンなので更新がにぶくなると思いますが、引き続き見守ってください。
4月になったらスキ♡写真も春仕様に更新予定です。
ではまた!