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2023年ひとり旅〜盛岡バスセンター・青森編〜

2023年、3月3日〜4日と1泊2日で、岩手県盛岡市に行ってきました。
今回は、ちょうど、JR東日本・鉄道開業150年記念ファイナルフリーパスを購入したので、翌日は、青森まで足を伸ばして帰ってきました。
盛岡市も青森市も、もう少しゆっくりしたかったですが、昨年岩手県に初めて東北へ行ってから2回目の東北旅行で、1泊で岩手〜青森まで行って帰ってこれることを知れた旅になりました。

今回、岩手県盛岡市を旅の目的地にしたのは、「稼ぐまちづくり」を掲げ、歯に着せぬ物言いで『狂犬』としても知られている木下 斉さんが全国各地へ赴いて自主開催する勉強会『狂犬ツアープレミア』に参加するため。
今回は、木下さんのほか、岩手県紫波町で公民連携で建てたオガールプラザとバレーボール専用体育館と宿泊施設オガールインをつくった岡崎正信氏、大阪府大東市で、国内で初めて市営住宅の建て替えを民間主導の公民連携型で進めたプロジェクト「morineki」の仕掛け者入江智子さんも参加されるということで、行ってきました。

今回の旅の話は、「バスセンター」という、公共交通のハブセンターを中心としたまちづくりの観点からの話と、青森県へのひとり旅について、書きたいと思います。

今回の旅の目的地、「盛岡バスセンター」までは、東京駅から東北新幹線に乗り継ぎ、「盛岡駅」からバスで10分ほど走った場所にあります。
バスセンターは盛岡駅のすぐ近くにあるのかと思っていたのですが、バスで10分ほど走った場所だとはちょっとびっくりしました。

2022年10月にリニューアルオープンした盛岡バスセンター
バスセンター入り口。
1階にバスターミナルとお土産物店。2階にフードホールと子育て支援センター。3階がホテル。全てワンフロアで完結されています。


ホテルマザリウムのラウンジ。ジャズが流れていますが、音が反響してしまう。
そのため、公園の雪の重みで倒れた白樺を輪切りにして有料でワークショップで名前を入れてもらい、防音材として壁に使用。見た目にもオシャレに。

今回は、バスセンターをぐるっと見学し、岡崎さんと木下さんが話す「狂犬ツアーpremium」の内容の中で特に重要だと思ったことを備忘録として、レポートします。


1.盛岡バスセンター

盛岡バスセンターが開業したのが、1960年(昭和40年)に看板として、約56年間見守り続けていたロゴは、2階の飲食エリアにきれいに保存されています。
1階はバスターミナルに。盛岡市は雪が多い地域の為、屋根付きのバスターミナルがとても重要となります。
盛岡バスセンター西棟1階の発券窓口。盛岡バスセンターは路線バスを中心に、一部県内や近隣県を運行する高速バスが発着します。バスセンター内には5つの乗り場があり、仙台、花巻空港、葛巻・久慈、花輪・大館方面の高速バス便も一部乗り入れしています。まさに近隣の地域と地域をつなぐローカルハブ。
バスターミナルは建物の2階部分まで吹き抜けています。
なるべくハコモノにお金をかけない。そして、あらかじめ2階部分のテナントを先回り営業して、どのお店が入るかが決まっているからできる設計。
1階のフロア部分の天井。
天井をあえて剥き出しにして、より天井部分を高くみえるように設計。トーンを揃える。
ホテルマザリウムのラウンジ横にある、世界的ジャズピアニストの穐吉敏子さんのジャズミュージアム(広くはないですが、コレクションとしてはとても見応えがありました。)
2階の飲食エリア。フードホールにはラーメンと餃子、焼き鳥、地ビールや自然派ワインと創作料理のお店など、4軒の地元のお店が入る。
1階には、
鮮魚店やハンバーガー店、和カフェなどが入っているが、どのお店も地元のお店ばかり。
1階のバスロータリーの狭い空間に店舗が入っています。
限られた場所なのでテナント料は安く。けれどもどのお店も人気店ばかり。

狂犬ツアー盛岡バスセンターMAZARIUM

今回のテーマ
「ヤバい公民連携
 〜全国のあかんバスセンター事例など
 やばい官民連携解説〜」

2017年パスタ新宿を起爆剤に全国でバスターミナルが急増。
コンパクトな再整備のはずが大規模な再開発となり、多額の税金が注ぎ込まれ、完成しても運営に行き詰まり、さらに税金が注ぎ込まれる現状。。

たとえば、熊本市桜町のランドマークとして、2019年に誕生した大型複合施設「サクラマチ」
600億円で再開発したものの、実需として大いなる問題が発生。よくなるために作ったのに、作って自分たちの首を絞めている。

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岡崎正信さんから盛岡バスセンター再開発オープンまでの経緯も話してくださいました。

再開発を話す上で歴史や経緯に触れておくことがすごく大事。岡崎氏がバスセンターをつくるうえで掲げたのが「ローカルハブ」。

まちとひと、
ひとと交通、
○○×○○
といくつものコンテンツをつなぐ場所。

新バスセンターはバスターミナル部分は盛岡市の事業で、それ以外の商業施設部分は盛岡ローカルハブ株式会社が運営している。
地域の公民連携(行政と民間企業が協働し市民サービスを行う)事業として、重要なのは、
黒字化して、
地元企業が中心となって回していくこと。
民間だけ頑張ってもダメ。行政も事業会社に丸投げするのではなく、行政と民間企業がしっかりとシートベルトを締めて、一緒に計画を進めていくこと。互いに知恵を出し合い、汗をかいていくこと。すべて一緒に走ってもらう。誰かに任せて終わりではだめ

総工費14億。
すべて先付けで口説いて地元の飲食店に入ってもらい、地元の企業が入ることで地元にお金に落とす。地域でお金を回す仕組みづくりをつくる。

行政が単独でやっている事業は実はたくさんある。そこに1割でも絡んだら新ビジネスになる。
単価を上げて、数を減らす。

岡崎氏がこの再開発事業に着手を決めたのは、バスターミナル横のマンション。
3セクで建てた19階のマンションが、16年経っても90%の稼働率をキープしていること。
地方都市でも、再開発で、マンションを誘致したけれど、全く入居者が入らないマンションも多い。そんな中、稼働率90%はすごい。

ただ、バスターミナルを建て替えて、商業施設にすれば人が来る。人が来ればいいという訳ではない。
いかに補助金に頼らず、黒字化経営をしていくか。地元企業が黒字化経営していくことで、地域にお金が回り、新しい事業へと投資につながる。または新しい事業が他にも生まれてくる。
小さな芽がたくさん出てくることで、地価の値段もあがり、その地域だけのオリジナル性も生まれてくることを知りました。


2.ホテルマザリウム

暮らすように滞在できる“ライフスタイルホテル”

ホテルのコンセプトは「まざる、うむ、はじまりのホテル」
いろんなひと、いろんな価値観やライフスタイル。そのいろいろを、この地域の魅力とかけ合わせながら、新たな滞在体験を生み出し、盛岡をさらに元気にしていく。ホテルは3階ワンフロアで完結。

ベラルボニーがアートプロデュースし、岩手県在住の作家8人の作品がホテルの客室を彩ります。

JAZZとお酒、cafeとサウナ。

昼間からサウナに入り
飲んで仲間と話して
朝またサウナに入って。

JAZZが常に流れる空間がこれほどまで浸透する空間での滞在時間。
沁みました。

サウナだけも利用可能で、地元のおばちゃん達が入りにきていたのは、意外すぎてびっくり。

ホテルマザリウムには、本格的なフィンランド式サウナを備えた大浴場【KANAN SPA】
セルフロウリュが出来るサウナ、地下水を利用した水風呂、外気浴スペースを備え、炭酸泉と普通湯のお風呂を楽しめるほか、ボディメンテナンスサロンも併設。

ホテルマザリウムの朝食。
お茶は南部鉄器の急須から。
ピンク色の可愛らしい急須❤️



下に降りれば、すぐバスに乗って出かけられるのもまたいい。


3.フリーパスを使って青森市へ

今回は、ちょうどJR東日本・鉄道開業150年記念ファイナルフリーパスを購入。

2日目は盛岡市内を散策もしてみたかったのですが、フリーパスが使えるので、朝思い立って、青森市のお寿司屋さんまでご挨拶に行ってきました。

青森駅に到着。3月に入っても
まだ青森は雪が残っていました。
特急つがる
営業前にお邪魔したにも関わらず、笑顔で迎えてくださいました。

以前から、SNSから繋がって、注文をしてくださっている青森市内にある「東寿司」さん。
1月いっぱいで、太物のわさびをお取引きを一時中止させていただいた、説明にお店まで伺いました。
1月に送らせていただいた真妻わさびを、丁寧にキッチンペーパーに包み保管してくれていて、2ヶ月も経つのに、保存状態が良くてびっくり。
丁寧に取り扱ってくださっていることを知れてよかった。

お店を後にして、お昼ご飯にGoogleマップで見つけたお寿司屋さんへ。

昼営業は、このちらし寿司のみ。なんと1,000円(税込)。
お酒をいただいても、1,500円以下。
初めてみたホッキ貝。仕込みをしているところを色々質問してしまった。
ホッキ貝のお造りを出してくれた。ホッキ貝は生食ではなく、サッと火入れすると磯臭さがなくなって食べやすくなるのだそう。
そして、帆立のヒモの部分のお造りも出してくれました。地元では、貝ひもの独特の食味を愛する人は多いのだそう。
ホタテにはオスとメスがある。オスの生殖巣は精巣で、白っぽい色である。メスのそれは卵巣であり、オレンジ色やピンク色をしている。生殖巣部分は2~4月にかけての産卵期に大きく膨らむ特徴を有しているのだそう。

お店は、店主1人で切り盛りされていて、こじんまりした店内ながら、とても清潔感があり、気持ちの良い店内。
入店時に、1組別のお客様がいましたが、食事が済むと、店内は私だけ。
1,080円の激安のチラシ寿司をいただきながら、ついでに冷酒を注文すると、徳利とお猪口でサーブしてくださる気遣い。カウンター席で食事をいただいていると、見たこともない大きさのホッキ貝の仕込みをはじめるご主人。
物珍しさについご主人に話しかけると、ホッキ貝のお造りに帆立のお造りまで出してくれました。
これで、2,000円というのだから驚き。
チップも含めてお支払いさせていただきました。
「鮨処はせ川」さん
※後日、Googleの口コミを投稿したら、半年で閲覧数2,000回!皆様、青森市で食事処を探しているんですね。

すると、後からお店に来られた常連客のご夫妻が車でぐるっと青森の駅周辺を案内してくださいました。なんと温かいお心遣い。

ねぷた館入り口で。いつか夏に来たい。
青森の港にも立ち寄り。

短い滞在時間の青森市でしたが、人の温かさに触れた旅になりました。
新青森駅から三島駅まで約5時間。
はるばる本州北側まで来たのは、はじめて。
東北は、まだまだ知らない土地ばかり。
また足を運びたくなりました。


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