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ポケット図鑑 日本の昆虫1400から1900へ 情報量が多くより実用的
7月2日に文一総合出版より、『ポケット図鑑 新日本の昆虫1900』が刊行された。待ちに待った図鑑の新版であり、さっそくネットで購入した。旧版である『ポケット図鑑 日本の昆虫1400』は以前noteで推薦の記事を書いているので、新旧の比較を交えながら第一印象を報告したい。
種類数が増えているのに全く厚くなっていない!
実物を見ないで購入したので、7月4日に自宅に届いての第一印象は、
種類数が増えているのに全く厚くなっていない!
ページ数を調べると全く同じでした。ポケット図鑑なのでもちろん大きさは同じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1720075797978-3ZStor8sPD.jpg?width=1200)
旧版では、代表的な昆虫は1ページに1種、野外で撮影した写真と説明がありました。そのページがなくなっていて、その代わりにチョウ、ガ、カマキリと分類別に各1ページが充てられています。コラムがなくなったこともあるようです。ただ「昆虫を探そう!草地編 林編」「昆虫を愛する人に、絶対に守ってほしいルール」など大事なことはページを割いています。
新たに採用された昆虫
1400種から1900種になって、新しく採用された昆虫が500種もあります。例えば、ハラグロオオテントウ、ムネアカオオクロテントウやムツボシタマムシなどの種類が新たに載っています。ハラグロオオテントウはクワの葉に見かけるようになりました。
類似種の区別がわかりやすく実用的
白バック写真に丸数字が示してあり、説明文と対応しています。これは大変親切です。体の部分を示す専門用語は、初心者にはわかりにくいので助かります。また、区別点を示したイラストも増えたようです。ヤンマ類は、枝にとまっている写真です。双眼鏡や望遠レンズでみるとこのような止まっている姿ですから、わかりやすいかもしれません。
鳴き声や動画を二次元コードで確認できる
旧版でもインターネットで鳴き声が聞けたそうですが、新版では昆虫の写真に近くにある二次元コードで、鳴き声や動画を確認できます。これも便利です。スマートフォンをかざして写真を撮ると10秒程度の動画が流れます。クツワムシとタイワンクツワムシの鳴き声の違いもすぐ分かります。
![](https://assets.st-note.com/img/1720076587605-8rZOJxFREk.jpg?width=1200)
説明文はほぼ新しくなっている
例えば、アオスジアゲハの説明文は
旧版では「本,四,九,南/ 4~10月/街中~山。黒い翅に水色の模様が目立つ。花や地面で吸水するほか,高い梢を飛ぶ」が、
新版では、「本,四,九,南/ 3~11月/平地~山地の草地や林。黒い翅に水色の模様が目立つ。花へに吸蜜や地面で吸水するほか,高い木の梢を飛ぶ。近畿以北では青森県を除く沿岸部,近畿以西では内陸部にも分布する」となっています。
成虫の発生時期が早まっていることへの対応、説明の追加。最近の分布の状況などが見られます。説明のほどんどが新しくなっているようです。
アリ科などもすごく改善され情報が多くなっています。
写真も新しくなっている
写真も新しくなっています。特にトンボ目は新しくなっています。先ほども述べましたが、ヤンマ類の枝にとまっている姿は斬新な印象です。気合が入っています。かつて研究対象であったヨモギハムシの金銅色タイプが載ったのは評価したいです。
ただ、写真については、ものによって小さくなっている感じがして、ここは少し残念です。ページ数が変わっていないことによるのかもしれませんが。昨今の物価の高騰もあり、本の価格との関係もあるのかもしれません。ずっと使っている旧版は、2013年7月16日発行の初版第2刷です。本体1,000円+税でした。新版は本体1,600円+税10%。
全体として、情報量が増え、より実用的になった
さきほど届いた新旧の日本の昆虫をみて第一印象をまとめてみました。もっとよくみるとたくさん発見がありそうです。
昆虫はとにかく種類が多く、多く載せようとすると、昆虫図鑑は大きく、厚く、写真が小さくなってしまいがちでした。標本写真は種類によってはわかりにくく、白バック写真は実に鮮明でまさに革命的でした。
『ポケット図鑑 新日本の昆虫1900』は、全体として情報量が増え、より実用的になりました。より野外で一番使える昆虫図鑑でなったと感じました。
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