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益子の住処 #17 生態系を育む池をつくる

すっかりご無沙汰の投稿となってしまいました。季節もすっかり移り変わり、益子の田んぼの稲穂は徐々に垂れ下がってきて、蕎麦の種蒔きも終わり芽が出てきたところです。

今回は、庭に池をつくった記録を綴ります。以前、雨水で流れる小川をつくったことを書きました。今回つくった池は、その小川の下流に位置していて雨水を集水する仕組みになっています。

池をつくる理由

我が家では当初、直径50cmくらいのメダカ鉢を玄関先に置きました。そこに、姫睡蓮と3匹のメダカを入れて飼い始めたところ、カエルにトンボに野鳥に、色々な生き物たちがやってきました。

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これだけ小さな水面なのに、こんなにもたくさんの生き物が集まってくることにびっくりして、ならば大きな水面もつくってみようと思ったのです。

我が庭では生き物の多様性を育むことと人が豊かに暮らせることを両立してみたいと思っています。林の中に池があると蚊が増えるなどの心配もあるかもしれませんが、生態系のバランスが整えばそれも解消されるでしょう。
とにかく、やってみます!

池のデザイン

池をつくる場所ですが、家から少し離れた雑木林の中としました。イメージは、以前に群馬の赤城自然園でみた池です。

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周りに樹々が育っていて、それが池の水面に映る様子がとても美しくって、それを再現したかったのです。
池の形ですがなるべく曲線になるようにして、深さは様々な深さの場所をつくるようにしたいと思います。池の中でも多様な環境をつくることで、多くの生き物の住処となればいいなと考えています。

この池は、雨が降ると小川から水が流れてくる仕組みになっています。自然の池は粘土層などのキメの細かい土によって遮水されるのですが、ここでは水を溜めるために防水シートを利用することにしました(やむなく)。そして、大雨などによって溢れる水は、オーバーフローとして隣の湿地帯に流れ込みます。

池では水中植物や水性植物を植木鉢に入れて育ててみるつもりです。また、池の中に石を配置して生き物の隠れ家にしたいと思います。

さてさて、どんな池になるのやら。。。

池をつくってみた

池の穴堀りは、以前家をリフォームした際に、重機で掘っておいてもらいました。少し目を離したすきに、かなりの深さを掘られてしまい、一度掘り返した土は埋めてもなかなか元の高さには戻らずに泣く泣くこの深さにしています(本当は浅い池にしたかった)。

なので、まずは掘っていた穴を整えるところから始めます。
色々な水深の環境を作りたいので、木板を使って土留めをしていきます。いつかこの木は腐っていくと思うのですが、その頃には池の環境も安定しているでしょう。

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次に、シートが破れないように、クッションとなるものを敷きます。以前、友人からコモをもらっていたので、ここではそれを敷くことにしました。なるべく、自然に還らないものは避けたいので、素材にもこだわります。

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次に防水シートを敷きます。ここはプラスチックになりますが、やむ無し。インターネットで池づくりのブログやYoutubeをみて、プールライナーという製品を選びました。

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このシートを水面の一番上面となる高さまで張っていきます。シートが届かない一番低い場所が、水面高さになります。なかなか水平にはならないので、大体でOKとしました。余った箇所はハサミでカットします(カットしたシートは後ほど使います)。

次は、雨水が流れ込む小川と池の接続部分です。小川には防水シートを敷いていないので、ここまで流れてくる水は少量ですが、それらを余す事なく池に集水するため、小川の出口部分から池にかけて防水シートを敷きます。ここで、先程カットしたシートをつなぎ合わせて使用しました。

そして、シートを隠すように石を置いていきます。小川から流れてくる水を滝のように落としたくて、見えないように塩ビ管をおいています。少量の水を意図した通りの水の流れにするのは難易度高かったです。。。

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ここまできたら、あとは水面から上の部分に石を置いていきます。石の置き方はセンスによるところが大きいと思います。置いてはどけて、置いてはどけて。。。納得のいく置き方になるようにトライアンドエラーです!

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そして、池の真ん中には大きな石をおきます。台座は大谷石でつくって高さを出しています。この石が、鳥やカエルが休む場所になれば、そして水中でもメダカなどの隠れ家になればと思います。

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ここまで来たら、あとは雨を待つばかりです。雨の日になると、どれだけ水がたまったかな~と想像するのがとても楽しかったです。
そして、5月中旬の連日の雨でついに満水になりました!

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集まってきた生き物

観察し始めてまだ日が浅いので、環境は落ち着いていないとは思いますが、まず最初に訪れてくれたのは「トウキョウダルマガエル」でした。

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このカエル、私はてっきり「トノサマガエル」だと思っていたのですが、有識者の方にご指摘いただいて正しい名前を知ることができました。
ちなみに、「トノサマガエル」というのは、本来は関東にはいない種なのだそうです。

その他にも、アメンボや昆虫類(ハチがよく水面近くを飛んでいます)、名前のわからない水中生物を発見して、日々楽しませてもらっています。
これからの時期、トンボの産卵場所として使ってもらえると思いますし、水を飲みにくる野鳥もいると思います。中には、見るのもギョッとするような生き物と出会うことになるかもしれませんが、それも含めてワクワクドキドキしながら見守りたいと思います。

生態系への影響

庭に池があるというと、多くの方が心配されると思うのがボウフラの大量発生です。これを抑制するために、この池では黒メダカを入れています。

上記のカエルの話でもあったように、地域毎に微妙な違いの生物種がいて、それと異なる種を放流することは、その地の生態系を壊すことに繋がります。

メダカの放流も多くの場所で問題になっていますが、品種改良されたメダカが野生に放流されて、その地域の固有種と混じり生態系を壊しているという報告をいくつか見ました。
理想的には市販されているメダカを池に入れることはしないほうがいいことは理解しているのですが、ボウフラを大量発生させたくないこと、この池が他の水面とは繋がっていないということを考えて市販のメダカを入れています。
そして、万が一、野鳥の足などについて野生に混じることを考慮して日本在来の原種である黒メダカを選びました。
これが正解だったのかどうか、私にもわかりませんが、人も気持ちよく過ごせて生態系にも影響が最小限で済むように最大限の配慮はしたつもりです。みなさまも市販のメダカを飼われる際はご留意くださいね。

これからの計画

実はまだ植物を配置できていません。これからどんな植物を育てるか考えてみるつもりです。当初は、近所の用水路から植物を移植しようと考えていたのですが、周囲の用水路ではたくさんのアメリカザリガニがいて、もしそれらが混入したらメダカが食べられてしまうそうなので、考え直しました。

そして、湿地として計画していたところが、まだ手がつけられていません。水面が地上よりも低くなってしまったので、計画通り湿地にするかどうか悩み中です。

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益子の住処の庭づくり、かなり本格的になってきました!今回は久しぶりの投稿になってしまいましたが、実際の作業はかなり前進しており、記事にできていないものもたくさんあるので、追々アップしていきたいと思います!最後までお読み頂きありがとうございました。

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