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菩薩の世界

あの人はあの色の衣をもらい
あの性格で成功しようと
修行している菩薩様

あの人はあの身体と
あの境遇で人に希望を与える
修行をしている菩薩

あの人はあの能力とあの天分で
仕事の使命を背負い
修行している菩薩様

あの人は愛をもっと深く知るため
あの不自由さを選んで
修行している菩薩様

ああ
それなのにそれなのに

私はうっかりすると
あの衣の色は好きでないとか
あの態度はあるまじきとか
ああ
なんと分別くさいことよ

分別のせいで
ずいぶん損をした

分別外せば
みんなみんな修行中の菩薩であるな

失敗も成功も同じだけ味わい
好かれることも嫌われることも
両方味わい

分別外せば
誰も彼も菩薩という仮の姿であるな

そう思えば誰も彼もに
頭が下がるではないか

ああ
それなのにそれなのに
なんと分別くさいことよ

人は、“良い”“悪い”、“価値がある”“価値がない”などという“ものさし”に振り回される。そしてその価値観で人や物事を裁く。しかしよくよく観察すれば、それらは「表裏一体」であることがわかる。だから自省を込めて、良い悪いという分別は無駄であったと、皆同じ「菩薩」仲間であると心したい。

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