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涙のわけは

小さなころは
大人が注目してくれることを知って
泣いていた


小学生の頃の涙は
弱虫の私が
生きぬくために必要な友だちだった


思春期の涙は
自分で自分を傷つけた後の
絆創膏のようだった


母になってからは
思うようにならない腹立たしさに
密かにぬぐう涙だった


独りになって生きねばならない時は
混乱し恐怖に慄いて涙した


自分の不器用さに
無力さに非力さに
自分のつまらなさに
たくさんたくさん
嘆きの涙を流した


振り返れば
そんな自分が生きてこれたことの
不思議に驚く   


『涙』がなかったら
生きてこれなかったろう  

そして
嘆きの涙から
感謝の涙を流せるまでに
ほんの少し成長できた

たくさんの涙のおかげで
素直になった


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