徳島不思議百物語 第2回「しゃべる妖怪石・おっぱしょ石(前編)」
第2回 しゃべる妖怪石・おっぱしょ石(前編)
徳島市二軒屋町に伝わる妖怪伝説といえば「おっぱしょ石」であるが、噂やネットで広がる情報にあまりにも間違いが多いので二軒屋町生まれの筆者として、伝承の伝承者としてここに訂正しておく。この「おっぱしょ石」は、通行人に「おっぱしょ(徳島方言でおんぶしよう)」と呼びかけ、おんぶをせがむ妖怪であり、他県の「ウバリオン」、「バロウ石」と同類の妖怪である。
また、一部ネットで、元々は徳島市二軒屋町に存在したが、城南町に移動したと解釈できる情報が拡散されているが、これは間違いである。今も昔もほぼ同じ位置にあり、今の住所表記が城南町であったのだが、怪異現象の被害者の多くが二軒屋町であったため“二軒屋のおっぱしょ石”という概念が生まれたのである。
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