【第4回】「小説が上手い」とはどういうことか?──Ian McEwan “Solid Geometry”冒頭
文章を「書く」練習をしてもそんなに上手くはならない スポーツでも芸術でも「上手くなりたい」という感情は一般的にあって、それらに対するハウツーがネット上に溢れている。職業上、小説や文章を書くことについてのハウツーを目にする機会が多いのだけど、だいたいは「しのごの言わずに書け」が落とし所になっている。これはほぼ正しいのだけれど、このことばだけではわずかに不正確なところがある。
まず、文章や小説を上手くなろうとおもったところで、最初に待ち受ける困難は「上手い文章・小説とはなにか?