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【コラム】車いすに乗ってみた


車いすとわたし


みなさんは車いすに乗ったことがありますか?
わたしは今までありませんでした。
何なら車いすを押したこともありませんでした。

車いすに乗った方を見るのは、駅の乗り換えの時とか、あとは車いすラグビーとか、車いすテニスとかのスポーツで激しい動きをしているもの。
身近な人で利用者もいなかったので、自分の日常とは随分遠いところにいました。

そんな私が今回の事故で、はじめて車いすに、しかも、寝たきりの状態から乗り込みます。

▼車いすに初めて乗ったときのマガジンはこちらから↓

乗ってみて、いろんな驚きや発見があったのですが、まずは車いすについてまとめることから始めたいと思います。

【まずは知ってみる】車いすの種類

一概に車いすと言っても乗る方の障害の度合いや使うTPOによって選び方も変わってくるのだと知ります。

以下、おおまかな車椅子の分類です。

「介助用」…病院などでよく目にする後ろから押してもらうもの。
「手動」 …自分の手でこぐもの。
「電動車いす」…軽量でコンパクトな簡易型、リクライニング機能などがついた多機能型などがある。
「電動カート」…バイクのような見た目で、主に高齢者の屋外移動用。

NHKハートネット「福祉の知識をイチから!車いす(1) 電動と手動 それぞれの暮らし」より

車いすは「歩行者」

このコラムを書きながら知ったのですが車いすは、「車」ではなく、「歩行者」として規定されているのでした。上にある、ときどき高齢者の方が町で買い物などしてるときに見る「電動カート」も「歩行者」なんですね。
ついでに気になって調べてみたら、ベビーカーも「歩行者」と扱われるそう。つまり、それは歩道を歩いていいかどうか、ということで、それは道路交通法の範疇だそう。
ちなみに、自転車は道路交通法では「軽車両」に分類されるそう。ただし、例外的に普通自転車は歩道の歩行も法的に認められている。。そして昨今導入された電動キックボード…。
このあたり、日本はかなり歩道がグダグダに使用されているんだな…ってかんじもします。

車いすに乗ってる時に自転車が横を通るとか、恐怖でしかない…。
自分も自転車乗ってた時に歩道を走ってたけど(そしてなかなか日本の道ではそうせざるを得ない状況もあるけど、そして、なかなか道で車いすの人とすれ違うことも少ないけど)色々考えてしまいます。

車いすの名称を見てみる


閑話休題。さて、車いすの話に戻りましょう。
車いすはさらに大まかにいえば「自走式」「介助式」に分けられると思います。つまり、自分で操作をするか、誰かに操作をしてもらうか。前者が「自走式」で、後者が「介助式」です。
車いすも、ひとりひとりの症状によって色々だとは先ほど書きましたが、以下で示すのは、一般的な(?)病院などで貸出で使っている、そして私が利用させていただいた車いすの形です。見たことはあっても、その部位の意味を考えたことなどなかった。

「車いすの選び方を徹底解説|特集・イベント情報|サイクルベースあさひ」より

これは、いわゆる「自走式」。「介助式」の場合はハンドリムとかがないはず。「自走式」と言いつつ、入院中の病院内では誰か(主に看護助手さん)に押してもらうのが普通でした。

車いすを操作する/車いすを介助する

私が、車いすに乗せてもらったのは、病院の中で、それを介助してくれたのは、病院関係者で、いわゆる「プロ」です。なので、車いすの操作方法も、乗せ方も熟知しているかんじはありました。「こういう風に乗せるのか~」みたいな発見もありました。

一番は上の部品説明にもあった「フットレスト」。普段は折りたたまれているフットレストは、患者が乗り込んだあとに畳んで、足を置くように言われました。そうすると、足をまきこまれる心配がないだとか。あと、ブレーキもしっかりかけておき、乗り込むときにずれないようにするのもポイント。お作法があるのだな、と思いました。

「車椅子の介助をする際の注意点と車椅子の操作方法を紹介 | だれでも東京」より

広げるときは、アームレストを両手で持って、外側にぐっと押し広げます。続いて、シートの中央部分を押して下げましょう。フットサポートを下げたら完成です。

たたむときも広げるときも、指を挟まれないように注意し、ブレーキを忘れずにかけましょう。

「車椅子の介助をする際の注意点と車椅子の操作方法を紹介 | だれでも東京」より

上記の東京都のサイトには、車いすを利用する際の注意点が色々書かれているのですが、一番印象的なのは介助者による「声かけ」です。
「今から少し段差があります」「くるっと回って、エレベーターに乗りますね」など、これからする動作を先に患者に伝えてから、介助の方が車いすを操作してくれたのですが、身体に制限がある身としてはその声かけがあるとないとでは、不安感が全然違いました。

声掛けを忘れない

下り坂や段差では、いったん車椅子をとめたり、後ろ向きにしたりと、通常とは異なる動きをしなくてはなりません。動きを変更する際は、車椅子使用者が不安にならないよう、「段差があるので方向を変えますね」「下り坂はゆっくり進みましょう」といった声掛けをするといいでしょう。

人混みでは周囲にも気を配る

人が多い場所では、車椅子が周囲にぶつかり、トラブルやケガの原因になることがあります。車椅子使用者に気を配るのはもちろんですが、周囲の方の動きにも目を向けながら落ち着いて操作し、できるだけ早く広い場所へ移動しましょう。

「車椅子の介助をする際の注意点と車椅子の操作方法を紹介 | だれでも東京」より

たぶん、車いすを触ったことがない人はこれがかなり意識しないとできないのではないかな、と思います(とか言って自分もこの事故がなかったらできなかった気もする)。患者の気持ちは患者になってみないとわからない…。
自分や身近な人がが今後、車いすを利用する立場になったときに役立てたいと思いましたし、「その人の気持ちになる」ことは、体験してみないとわからない…のだと思う場面でした。

そもそも車いすの人に出会う機会も少ないので、学校の授業や企業とかでもっと車いすに触れる体験をもっと増やしたほうがいいのではないかなあと思ったりもしました。


車椅子でお出掛けする前に介助者が準備しておきたいこと

車椅子使用者の安全性を確保するには、介助する方の準備が大切です。続いては、出発前に介助者がしておきたいことをご紹介します。

アクセサリー類を外す

介助の際は、車椅子使用者に密着する場面が多々あります。自身や車椅子使用者の思わぬケガを防ぐために、ピアスやイヤリング、指輪、ネックレスといったアクセサリー類や、腕時計などは外しておきましょう。

クッションやひざ掛け、スロープなどを用意する

長時間車椅子を利用する場合は、体圧を分散して姿勢を楽に保ってくれる車椅子用クッションや、体を冷えから守るひざ掛けがあるといいでしょう。また、介助者が複数いて大きな荷物を持ち歩ける場合は、折りたたみ式のスロープをレンタルなどして用意しておくと便利です。ちょっとした段差なら回避せずに移動できます。

自分自身の体調管理をしっかり行う

車椅子の使用者だけでなく、介助者自身もしっかり体調管理をしてください。
また、介助の際に体を酷使すると、介助者が肩や腰を痛める危険があります。無理な姿勢をとらないように心掛け、痛みが出てしまった場合は、無理をせずに代わりの方を探しましょう。

「車椅子の介助をする際の注意点と車椅子の操作方法を紹介 | だれでも東京」より

↑この「介助者の心構え」も色々つっこみたいところあるけど、基本的には介護者だけでなく、介助者も多かれ少なかれ「自由の制限」や「ちょっとした心遣い」の必要が出てきて、これがケアの本質だな・・・とも思います。

自分一人で押す場面も後日の日記に出てきますが、人に押してもらうのとは全然違うので、そこでも「自立」と「介助」について考える機会となります。

「介助」と「自立」/「制限」と「自由」については、ベッドの上でよく考えていたことだったので今後、テーマにすることもあるかもしれません(日記に書くかもだけど)。

「自立」と「介助」


事故や病気で体に不自由になったとき、「自立」と「介助」の言葉が頻発します。「自立」というのは自分でできること、「介助」とは人の手を介しないとできないこと。食事、移動、排せつなど生活の基本的な動作(ADL/Activities of Daily Living)について「介助」が必要な状態から、治療やリハビリなどで「自立」ができるように回復させていくのが看護やリハビリの目的で、重篤な状態を脱したら、リハビリ計画書や退院支援計画書などの書類にいまの状態が明記されます。これらの用語は介護の現場で使われることも多いようです。

車いすはこの動作のうち、歩行が何かしらの理由で困難な方の「移動」を補助してくれる大事な道具なのだと思います。


現場からは以上です。

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