可愛いだけの映画じゃない。『ロッタちゃん はじめてのおつかい』(試写)
試写会にお誘いいただき『ロッタちゃん はじめてのおつかい』を観てきました。
今回初めて観る機会に恵まれ、とても楽しく可愛い作品だったので、みなさんにも紹介したいと思います。
おかえりなさいの人も はじめましての人も ハートをつかまれる!
映画ロッタちゃんシリーズは、『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』(1992年)と『ロッタちゃん はじめてのおつかい』(1993年)の2作品からなります。
原作は、『長くつ下のピッピ』や『やかまし村の子どもたち』などで知られるスウェーデンの国民的児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの「ロッタちゃんシリーズ」です。
日本では、2000年1月に『ロッタちゃん はじめてのおつかい』が公開され大ヒットを記録し、これに続いてシリーズ前作である『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』も公開され、ともに2000年屈指のミニシアター・ヒット作となったそうです。
このロッタちゃんシリーズが、2024年3月、2Kリマスター版でスクリーンに戻ってきます!『ロッタちゃん はじめてのおつかい』が3月1日から、『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』が3月22日から、それぞれ劇場公開します。
この映画を観て、前回ロッタちゃんと出会った人、始めてロッタちゃんと出会う人、みんなが可愛いロッタちゃんにハートを鷲掴みにされてほしいと思います。
『ロッタちゃん はじめてのおつかい』
今回、試写で観た『ロッタちゃん はじめてのおつかい』は、冬から春にかけてのお話です。
ある朝、ロッタちゃんは、ママが出してくれたセーターがチクチクすると言ってハサミで切り刻んでしまします。気まずくなったロッタちゃんは、お隣のベルイおばさんの家へ引っ越しという名の家出をしてしまいますが・・・。
本作は、原作『ちいさいロッタちゃん』『ロッタちゃんのひっこし』『ロッタちゃんとクリスマスツリー』『ロッタのひみつのおくりもの』など、さまざまなお話を詰め合わせた作品なので、この1本を観るだけでロッタちゃんの魅力をたっぷり味わえます。
可愛いだけの映画じゃない。
本作のポスター・フライヤーには「可愛いだけの アタシじゃない。」と書かれていますが、その通り『ロッタちゃん はじめてのおつかい』は、可愛いだけの映画じゃありません。
小さくて可愛い女の子というと、何も自分でできないんじゃないかと思われがちです。しかし、本作の小さくて可愛い女の子ロッタちゃんは、家族がピンチに陥った時、自分の頭で考え行動し家族を助けます。そして、家族はロッタちゃんの自立心や行動力を妨げたりはせず、一人の人間として尊重し温かく見守ってくれます。
本作は、小さくて可愛い女の子だって困っている家族を助けられる、そんな力強いメッセージを感じる作品です。
ぜひ、『ロッタちゃん はじめてのおつかい』と、春から夏にかけてのお話である『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』をあわせて観ていただき、ロッタちゃんの生活を通したスウェーデンの季節の移り変わりを楽しんでもらえたらと思います!
『ロッタちゃん はじめてのおつかい』『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』特報
基本情報
『ロッタちゃん はじめてのおつかい』1993年製作|85分
製作国:スウェーデン
原題:Lotta flyttar hemifràn
監督・脚本:ヨハンナ・ハルド
原作:アストリッド・リンドグレーン
出演:グレテ・ハヴネショルド、リン・グロッペスタード、マルティン・アンデション、ベアトリス・イェールオース、クラース・マルムベリィ、マルグレット・ヴェイヴェルス、ヴェスペン
https://lotta-eden.jp(公式サイトリンク)
著者紹介:米澤麻美(よねざわ あさみ)
秋田県生まれ。マッツ・ミケルセンの出演作からデンマーク映画と出会い、社会人を経て大学院でデンマーク映画を研究。法政大学大学院国際文化研究科修士課程修了。
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