見出し画像

Nr.3 異国文化コミュニケーションに触れ、 良い仲間と出会う-山本直之

 私はインテリアデザイン事務所で11年間働き、34歳の時にデンマークのDSDH(The Scandinavian Design Collage)へ留学しました。
 仕事は10年間の経験を経た時点で、新たな環境に身を置きたいと考えていました。また元々デンマークのデザインや文化、社会に興味があり、一度現地で学び研鑽を積みたいと考えていました。
 そんな中、フォルケホイスコーレという留学制度があるということを知り、当時もコロナ禍下ではありましたが、この機会を逃せば一生行く機会はないと思い、2020年夏に留学することを決意しました。

山本写真 (2)

 DSDHはデザインに特化したフォルケホイスコーレで、生徒達は18歳~24歳くらいまでの若い人達が多く、生徒の半数はデンマーク人でした。そんな中で海外生活を経験したこともない自分がなじめるだろうかと不安がありましたが、その不安はすぐになくなりました。
 最初のオリエンテーションは複数のチームに別れて手作りのカートをデザインし、レースをするというものでした。私のチームはノルウェー人、アイスランド人、オランダ人、日本人、残りはデンマーク人と国際色豊かなチームで、言葉も国籍も文化も違う人間が1週間で何もないところから手作りのカートを作成しました。しかしなんとか完成してみると、一人一人の性格や得意なことなどがだんだんと分かるようになり、気がついたら仲間達とは強い絆で結ばれていました。ものづくりを通し、いつのまにかコミュケーションが取れていたのです。
 そしてその晩にはみんなで焚き火を囲みお酒を飲みながら語り合いました。デンマークでいう「Hygge」の時間。するとそこで一人のデンマーク人がギターを片手に「Imagine」を歌い出し、みんなで合唱をしました。その瞬間、ここには国籍も年齢、関係なく一人の人間として共にいるということを実感し、デンマークへ留学を選択した事は正解だったんだと改めて感じました。他者を受け入れることで自分自身も肯定してもらえた気がしてとても忘れられない出来事となりました。

山本写真


 デザインの授業は自発的に課題を考える機会や、実践として手を動かす時間が多く、日本の教育との違いを感じ、刺激的な授業ばかりでした。
 半年間の学園生活で異国文化のコミュニケーションに触れ、今でも繋がりのある良い仲間と出会えたことが非常に良い経験となりました。
 留学後の現在はフリーランスのインテリアデザイナーとして働いており、オフィスデザインではデンマークの経験を基に自発的に働く場を作るオフィスをデザインしたり、サスティナブルをコンセプトとしたインテリアデザインをしています。今後もデンマークでの経験を今後の人生に活かして、楽しく生きていきたいです。
(やまもと なおゆき)

山本直之さんの留学データ
留学先:DSDH(The Scandinavian Design Collage)
留学期間:2020年8月-2020年12月 
学習科目:家具、インテリアデザイン学科
留学前の職業:インテリアデザイナー(会社員)
留学後:インテリアデザイナー(フリー)
留学時の年齢:34歳
山本直之さんの事務所HP:peraichi.com/landing_pages/view/ny-design
インスタグラム:https://www.instagram.com/naoyukiyamamoto1614/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?