第4回「沼地に生えたオレンジの樹」
◆『即興詩人』はコペンハーゲンのライツェル社から刊行され、ドイツ語訳は複数回にわたり版を重ねました。もっともアンデルセンは、ドイツ語訳者ラウリツ・クルーセ(Lauritz Kruse 1778-1839)がつけた『あるイタリア詩人の青春生活と夢 Jugendleben und Träume eines Italienischen Dichters』という題には不満を呈したようですが。『即興詩人』は、以後10年ほどの間にスウェーデン語、英語(イギリス、アメリカ合衆国)、ロシア語