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あくまで“穏やかな親子もの”なのが良すぎる…。 アニメ『ソマリと森の神様』感想(2話現在)


設定を知って、人間であるソマリが迫害なり差別なりを受けるトラブルが起きるのだろうなぁ、大変だなぁしんどいなぁ、と思いながら一話を見た。結論から言って全然そんなこと無かった。


森の守り人「ゴーレム」と人間の子供「ソマリ」がソマリの親を探すべく、人間が迫害される世界を旅をするアニメ『ソマリと森の神様』。


もちろんと言うべきか、危うく人間だとバレかける展開は一話時点でありはする。しかし、それによってソマリとゴーレムの身に大きな危機はやってこない。むしろその前に起こった「迷子」の方が二人にとっては問題だった。あくまで父と子の物語なのだ。


二話において、ソマリを人間だと見抜いたと仄めかすキャラが登場した。だがそのキャラは、それを誰に話すでもない。ゴーレムとソマリの、旅の途中で出会った良き友人であり続けた。やはりソマリが人間であることが原因で、何かトラブルが起こることは(二話現在)ない。


ではこのアニメが徹頭徹尾穏やかで凪いだ作品か、というとそうではない。ソマリの親に巡り会えるかに関わらず、二人の旅には避けられない「終わり」がある。


ゴーレムには寿命がある。あと1年と日である事が二話で明かされた。cmやpvの台詞によれば、物語中に残り301日にまでなる。


つまりソマリとゴーレムの旅は、残り寿命301日までは続くが、そこから先どうなるかは分からない。そして、旅がどう穏やかに続きソマリが親と巡り会えたとしても、301日後になればゴーレムは活動を停止する。


どうか、どうか穏やかに、物語が結末を迎えることを望む。
ソマリが拐われるとか、ゴーレムが寿命の前に死ぬとかそういうアニメ的に面白そうな展開は無くていいから。
最終話までの束の間、父と子の穏やかな旅のようすを見せてくれ…。
それ以上はなにも望まん。なにも望まんよ…。

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