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【SDGs】建設業界での女性の活躍は?現状から将来の見通しまで徹底調査!

女性の雇用が進まない建設業界の今、
建設業界において、今最も重要な課題と言っても過言ではない「女性の業界進出」。

SDGsの目標 5「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」と掲げられているように、各社対応を急がれています。

女性の皆さんは建設スキルを活かせず…男性の関係者は女性がいないことによる現状に対し悩み…という負のループに陥っているケースもあるのではないでしょうか?皆さんは女性雇用に際して、どんな状況下にいますか?
性別関わらず有能な人材が溢れる昨今でも、建設業界で特に女性雇用が進まない理由とはいったい何なのか、また、女性雇用に際して必要かつ気を付けるべきポイント、現状のデータから将来予定されているポジティブな活動まで多岐に渡ってまとめました!
ぜひ、参考にしてください。

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建設業界の女性雇用への国土交通省による取り組みが開始

女性の業界進出に対するとても大きな動きとして、令和2年1月16日、「国土交通省」による国を挙げての新たな“施行計画”が策定されました。

「女性定着促進に向けた建設産業行動計画~働きつづけられる建設産業を目指して~Plan for Diverse Construction Industry where no one is left behind」と、掲げられた今回のプロジェクトは大きく三つのテーマに区分され、女性の建設業界進出を大きく促しています。

“建設産業で働く全ての女性が「働きがい」と「働きやすさ」の
両立により、就業継続を実現することを目的としつつ、「働きつづけられるための環境整備」を中心に「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画」を策定“
【出典:国土交通省】


…と取り組みが開始された今プロジェクト。

1.働きつづけられるための環境整備を進め

2.女性に選ばれる建設産業を目指す「入職者に占める女性の割合」を令和6年までの間、前年度比で増加させる。
3.建設産業で働く女性を応援する取組を全国に根付かせる
【出典:動向調査を基に国土交通省で算出】


と、真剣な取り組みが制定され、全女性関係者への働きかけが進められています。

また、他にも厚生労働省は“建設労働者保育助成金”という助成金制度を設ける、「土木技術者女性の会」や、「日本造園建設業協会女性活躍推進部会」など女性の活躍を後押しする団体も結成されています。

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建設業になぜ女性が少ないのか?その理由は?

「建設業になぜ女性が少ないのか?」に対する真っ先に挙げられる課題として、女性が働きやすい環境の整備が進んでいなかったことがあります。具体的に例を挙げると…

・女性用のトイレ、ロッカーなどの設備不足
長時間勤務が当たり前とされてきている建設業界。しかし、現場には待機所やトイレ、ロッカーなどの設備が女性用として用意されていないこと。女性サイドからの環境の悪さが感じられることからくる働きづらさが第一の要因です。

・男性側からの「女性に現場での仕事はできないのでは?」という意識
現場において、男性の職人の中には大なり小なり「女性にこの仕事はできない」と決めつけ、拒む人も少なからずいるということも珍しくありません。現場の男性からのこうしたハラスメントにより、女性が心身共に動きづらく、働けない形となっているケースも多々存在しています。

・産休・育休制度が完備されていない
多くの女性にとって、妊娠・出産によっての社会復帰が難しいことは、近年問題視されていますが、建設業界も例外ではありません。中でも、産休・育休制度が十分でないために復帰ができない、という事態にもなり得ています。

上記のように、男性が中心となって回ってきた建設業界の弱みとして、「女性の受け入れ体制が整っていないこと」が、今になり大きな問題点として立ちはだかっており、女性離れを加速させていると言えます。

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何故、建設業界に女性が必要か?その大きなメリット

上記にて説明した厳しい環境の現状を知りながらもなお、建設業に飛び込みたい、と願う女性には「将来は絶対にこの建築に携わりたい」「建設業全体を変えていきたい」「女性が尊重される現場を目指したい」など、明確かつ確固たる目標・意志を持ったワーカーが数多く切られます。
そこで、建設業にこういった強い意志を持った女性が増えることにより、男性とは違った目線での建設業への新たなアプローチ、確固たる信念による大きな動きを仕掛けていくことができるようになります。

その根拠となる例を挙げていきます。

・コミュニケーション能力の高さ
一般的に、女性は男性よりコミュニケーション能力が高いです。それにより、クライアントとのコミュニケーションをスムーズに進めて行き、新規のクライアント獲得への太い道筋を示してくれる貴重な人材になり得ます。円滑なコミュニケーションは多くの利益を生みます。

・作業の効率化
仕事と家庭の両立に勤しんできたワーキングマザーたちは、家事の分担や社会活動との時間の兼ね合いなどに日々勤しんできたことにより、作業効率化への意識が非常に高いです。その作業効率に対して培った能力が、現場においての作業効率化の指揮も上手く図ることができます。その流れにより、男性・女性ともに社員一人ひとりの生産性向上へもつながり、最終的な形として会社の大きな変革、そして利益へ繋げることが可能です。

男性とは違う環境に身を投じてきたことにより、男性とは全く違った新しい視点や新しい形でのアプローチ、また男性の弱みを女性がカバーすることも可能、といった結果になります。

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建設業界で進む、女性が働きやすい環境への変化

こうした、多くのメリットや国を挙げての働きかけもあり、建設業界において少しずつ「女性が働きやすい環境の整備」は近年、少しずつ確実に進んできています。

・女性専用トイレの整備
仮設トイレは男女共用が当たり前だった建設現場。それにより、トイレを利用したくても危機感や不安感などから共用トイレ自体を避けていた女性も多く存在していました。しかし、現在になってその問題が挙げられ、女性専用トイレを設置する現場が増えてきています。

・ベビーシッターの補助制度
大手ゼネコンを始めとし、ベビーシッター補助や、看護休暇などの制度が設けられている企業は数多く存在しています。それにより中小企業などでも少しずつ意識改革が進んでおり、増加傾向にあると言えるでしょう。


まだまだ、施設整備や制度の整いにはばらつきが見られ、全国への普及は多いわけではないために改良の余地はまだまだあります。しかし、従来の環境と比べれば大きな変化が生まれ始めていることは確かな事実です。また、企業側がテレワークや在宅勤務を推進するなど、女性が働きやすい環境が整えられつつあります。

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建設業界での女性進出の未来はどうなるか?

国土交通省は、2015年に「建設業における女性の活躍推進に関する取組実態調査」を行いました。その調査結果によると、女性の就業者比率は下記の結果になりました。

技術者:4.5%
技能者:4.2%
事務系:37.6%
上記以外の職種:13.3%
管理職:2.5%
【出典:国土交通省】

少し前の結果ですが、以上の通り、近年においての事務系以外の女性技術者、技能者は全体の5%にも満たない事実があります。これを受け、建設業界団体において2014年から5年間で女性の技術系社員を倍、10年間で10%程度引き上げる目標を掲げました。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?
まだ不確定な要素があるにせよ、建設業界における女性進出、またそれに倣った大きな活躍は未だ業界内ではゆっくりとした流れの中にあると言えるでしょう。
しかし、国土交通省を始め、「建設業界に女性の進出を促したい」という男性サイドからの強い意思も顕在しているのは明白です。近年の状況と、男性社員の考えを含有した上でいかに建設業界への女性進出を確かな結果として生むためには何が必要か?また、それによってどんなメリットが各企業にもたらされるのか?それらを鑑みることがこれからの建設業界においての大きな改革へと繋がるでしょう。
いま一度、建設業界での女性進出問題に対して皆さんで考えてみませんか?

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