Jun Ito

アフリカ数か国で、バイオ炭製造(持続可能な農業×気候変動・生物多様性)の事業を行う←南…

Jun Ito

アフリカ数か国で、バイオ炭製造(持続可能な農業×気候変動・生物多様性)の事業を行う←南インドで廃棄物事業←ウガンダCourieMate創業者。7年後に日系企業に事業譲渡。←電気水道のないマサイの村で9ヶ月ボランティア←外資系コンサル会社10年弱。

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なぜ「土壌改良」は表舞台に登場して来なかったのか?~農業支援の盲点

過去に、農業の歴史、化学肥料の歴史、バイオ炭、土壌に関する記事を書いてきた。合計15本は書いてきただろう。 農業、食糧の話を聞けば聞くほど、「土壌」の重要性を痛感する。 一方で、農業の世界では、土壌改良、特に物理性の改良はかなりマイナーな存在だ。途上国の農業支援においても、土壌改良(特に物理性の改良)が表舞台に出る機会は多くない。 そこで、この1か月、以下の疑問に答えるべく、主に熱帯地方(途上国)の農業の専門家、土壌学者の方、15名ほどにヒアリングさせて頂いた。 現時点で

    • 海と山の繋がり~宮城県東松島(2024年7月)

      今月に友人の誘いで宮城県の東松島に行ってきました。今回はその来訪記 一般社団法人ODESSEY 今回現地でお世話になったのは、一般社団法人ODESSEYの人たちでした。 創立自体は昨年の子ども達や企業への環境教育を行う団体 メンバー皆が本業を持ちながら、取り組まれています。 複眼的思考 東松島にある農業、森、海などの自然を使ったワークショップなどを、子供向け、そして企業向けにも行っているのですが、良いなと思ったこちら。 答えや思想を伝えないで、子ども達が感じるままに選

      • 規格外野菜から考える、ダイバーシティ(人材の多様性)(2024年6月)

        2024年6月に、友人(りいなちゃん)のお誘いで高知県須崎市で行われた、デザイン思考のワークショップ(Nomad Festival Vol.3)に参加してきました。 ワークショップ自体は1日でしたが、前後で数日、他のイベントもあり須崎を堪能してきました。 デザインシンキングワークショップ in 須崎日曜日にも関わらず、30-40名の参加者がワークショップに参加していました。 参加者はざっくり、半分が須崎市や高知県周辺の街(土佐市や高知市など)から来た人たち。もう半分は私のよ

        • 伊良部島!交流型ゲストハウス(2024年5月)

          いつもは、自然環境や文化に関わる記事を上げていますが、今回は趣旨を変えて5月に滞在した交流型ゲストハウス、伊良部ジャーニーINN(Irabu Journey Inn)と宮古・伊良部島について紹介します。 いやー、シェアハウスでの出会いも交流も、海のキレイさも、夕陽も、夜空の星のキレイさも何もかもが期待を大きく上回るレベルで、めちゃ楽しく充実した一週間でした! 人生初の沖縄県上陸実は人生初の宮古島というか、沖縄県自体が初めでした。 皆に「沖縄本島に行かず、いきなり宮古島?し

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          竹炭作りとタケノコ掘り(北総クルベジ)(2024年4月)

          2023年4月に千葉県佐倉市にて、竹炭(バイオ炭)作りとタケノコ掘りなどをするイベントに参加してきました。 いやー!炭づくりはもちろんのこと、竹を割ってランチのお皿にしたり、皆でタケノコ掘ったりと、マジで有意義な時間でした! これまで日本ではバイオ炭作りの現場を見に行ったことはあれど、作る作業をしてないので、参加してみました。(ちなみに、アフリカやインドでは経験あり) 本イベントのFBページはこちら ・イベントサイトはこちら 北総クルベジ 、ももクリ佐倉、結び合い農

          竹炭作りとタケノコ掘り(北総クルベジ)(2024年4月)

          秋田・五城目で起きる地域創生!(2023年6月)

          1年前に訪れた秋田県五城目町。まだNoteではシェア出来ていなかったので、記事に残しますー。 友人から「南アフリカから農業関係者が視察に来るので、良かったら来ませんか?」と誘ってもらい訪れた五城目町。人生初の秋田県です。 そういえば、五城目って名前はよく聞くなと思っていたら、10年以上前に知り合った知人達(海外起業、NPOの代表など)が五城目に移住してて、面白いことになっていると知りました。 全国のおもしろい人が集まる仕組みを作りあげた五城目全国各地で地域活性化の話を聞

          秋田・五城目で起きる地域創生!(2023年6月)

          茅葺き屋根作り&茅場の野焼き(2024年6月)

          今回は3月に参加した草原(茅場)の火入れ(野焼き)体験と、6月に同場所の茅(かや)を使った茅葺き屋根体験について紹介! 東大の研究室が、生態系保全、伝統技術の伝承などを目的に行っている活動ですー! 草原の野焼き生物多様性保全の肝となる草原 草原の野焼き。良いイメージを持っていない方も多いのではないか。 かく言う私も、野焼き=伝統的な方法、二酸化炭素を排出する良くない方法だと思っていた。 しかし、様々な文献を読むと、野焼きは適切に行うととても優れた方法であることが分かる

          茅葺き屋根作り&茅場の野焼き(2024年6月)

          放牧乳の酪農体験 in 北海道~②バターづくり体験(2024年6月)

          先日、北海道で放牧乳を行う4つの牧場、北大の研究室が行う、北の酪農社のワークショップに参加してきました。 前回の牧場体験はこちらから。今回はメインはバターづくりのワークショップを紹介します! 放牧乳から作るバターさて、今回は放牧で育ったグラスフェッドの3つの牧場の牛乳から作る。 また、搾りたての牛乳以外に、数日放置した発酵乳も使ってバターづくりを行った。 初のバターづくり!これはおもしろい!! STEP1 分離 牛乳は、水分と脂肪分が混ざった飲み物だ。 まずは、遠心分離

          放牧乳の酪農体験 in 北海道~②バターづくり体験(2024年6月)

          放牧乳の酪農体験 in 北海道~①放牧酪農(2024年6月)

          6月、北海道で放牧乳を行う4つの牧場、北大の研究室が行う、北の酪農社 のワークショップに参加してきました。 メインはバターづくりのワークショップだったのだけど、牧場体験自体がとっても興味深くて、その体験をシェア! (バターづくりは次の投稿でシェア) きっかけはウガンダ繋がりきっかけは、10年近く前にウガンダで学生ボランティアに来ていた友人のお誘いから。 その友人は長年勤めた企業を辞めて、1年間の酪農研修をしている。 「牛ってとっても可愛いので来てください!」とのお誘いだっ

          放牧乳の酪農体験 in 北海道~①放牧酪農(2024年6月)

          気候変動のメカニズムを知る~フランス発のカードゲーム Climate Fresk

          今月(2024年4月)に参加した、Climate Freskのワークショップ! 前から気になっていたのだけど、やっと参加出来ました! いやー期待通りの面白さでしたー!! フランス発のカードゲームClimate Freskとは?気候変動って何? 気候変動って分かっているようで分かっていない。 昔は「地球温暖化」(Global warming)って呼ばれていたけど、「気候変動」(Climate Change)と何が違うの? たくさんある環境問題の中で、なんで、「気候変動

          気候変動のメカニズムを知る~フランス発のカードゲーム Climate Fresk

          水辺から見る江戸~東京の変遷 オバケ東京クルーズ(2023年11月)

          2023年11月に参加した、SHIBAURA HOUSE主催のイベント。水上版のブラタモリで、好奇心をそそられるイベントでした。 ツアーは、早稲田大学で建築・都市史研究をされている先生と、「語り」を用いた芸術アートをされているお二人のコラボ! 江戸が始まる1600年代から幕末、明治に東京になり、戦前、戦後を経て現代の東京になるまでの歴史を建築とアートの視点から見ていくもの。 前半は、日の出桟橋から船で出発し、東京港湾、隅田川、日本橋川まで行き、ぐるっとお台場の外を回って戻

          水辺から見る江戸~東京の変遷 オバケ東京クルーズ(2023年11月)

          東京の中心で森林浴!?~近場の自然から生物多様性に触れる(2023年11月)

          2023年11月に参加した、大手町の樹木をみる会! 樹木について知りたいけど、「時間かけて地方や郊外に行かないと見れないんでしょ?」って思っているあなた! 全然そんなことない! 東京のど真ん中、大丸有エリア(大手町、丸の内、有楽町)エリアにも多様な樹木生態が作られていて、めちゃくちゃ学びになったので、共有致します。 エコッツェリア協会のイベントこのイベントは大手町の3×3Labを運営するエコッツェリア協会が企画のイベント。 講師は樹木医の石井誠治さん。初めてお話聞いた

          東京の中心で森林浴!?~近場の自然から生物多様性に触れる(2023年11月)

          原生林の毎木調査~日本長期生態学研究ネットワークの会合(2023年9月)

          2023年9月に参加した原生林の毎木調査の記録を残したいと思います。 2023年9月に日本長期生態学研究ネットワーク(通常JaLTER)という、生態系を長期で観測・研究するアカデミックなネットワークの会合に参加してきました。 1日目は研究発表、2日目は調査サイトとなる原生林の毎木調査に参加しました。 いやー、大学卒業以来、おそらく初となるアカデミックな集まりに参加! JaLTERとして、一般の方を受け入れるのは初の試みとのこと!30名くらいの参加者の中で、一般参加者は3名

          原生林の毎木調査~日本長期生態学研究ネットワークの会合(2023年9月)

          システム思考の本流!~フォレスターの多角的視野と超長期視点(2023年9月)

          2023年9月の郡上の森への視察の記録を残したいと思います。 今回、フォレスター(森林総合監理士)の 小森 胤樹さんのご厚意で、郡上の森を案内頂きました。小森さんはフォレスターズ合同会社を設立されています。 『森林管理に正解はない』 って言葉が印象的でしたー システム思考フォレスターの仕事はまさに複雑な課題を解くシステム思考のど真ん中の世界でした。 非常に多岐にわたる要素が関連しあい、かつ人の一生を超える超長期の視点でグランドデザインを描く。 林業というビジネスに、環

          システム思考の本流!~フォレスターの多角的視野と超長期視点(2023年9月)

          土壌の奥深き世界の探求~③土壌の三大特性:化学性、物理性、生物性を知ろう!

          前回は、農業における土壌の役割について概観し、土壌診断の重要性を説明した。土壌が持つ化学性、物理性、生物性のバランスを適切に保つことが、作物の健全な生育につながることを述べた。 今回は、これらの土壌の三大要素について、より詳しく解説していきたい。まず取り上げるのは、化学性だ。 化学性:植物の栄養バランスを整える土壌の化学性は、植物の生育に欠かせない栄養素のバランスを左右する重要な要素だ。 pHや窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)などの肥料成分の状態が、土壌の化学性を決

          土壌の奥深き世界の探求~③土壌の三大特性:化学性、物理性、生物性を知ろう!

          土壌の奥深き世界の探求~②農業における土壌の役割

          前回の記事では、土壌の生成過程や分類、特徴について概観した。土壌は、長い年月をかけて風化作用や生物活動によって形成され、その性質によって様々なタイプに分類される。 ひと口に「土」といっても、種類によって異なる特徴を持ち、植物の生育に大きな影響を与えている。 今回は農業の側面から土壌を考える。 農耕の歴史を振り返った後に、土壌の3要素である、物理性、化学性、生物性について解説する。 土壌と共に歩んだ農耕の歴史今から約1万年前、人類は狩猟採集から農耕へと生活様式を大きく転換さ

          土壌の奥深き世界の探求~②農業における土壌の役割