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Alterlock Gen3 自腹レビュー 後編

測位性能に関して書き足す予定だったが、意外な結果だったので後編と分けました。

前編はこちら

結論:

実験の結果ではGen3の測位報告頻度はGen2をだいぶ上回った。 ただし自分が見たGen2のひどさは、たまたま活動エリアのSigfoxのカバレッジがプアであった可能性もある。 ご自分の活動エリアに十分なSigfoxのカバレッジがある場合、Gen3に買い替えても大幅な頻度アップしないケースも一応考えられる

初めに


測位性能に関して、どうも今回のテストをおえて、問題点は測位性能ではないのではないかと思いはじめた。そのため、あえてその言葉を使わずに測位報告頻度、という言葉を捏造した。

Gen3での改善を期待して、あえてSigfoxもLTE-Mもカバレッジが怪しい神奈川県山北町あたりをサイクリングしてきた。装備としてはこんな感じ。

シートチューブにGen2
ダウンチューブにGen3

Gen2/3 両者ともにアラーム発動状態(仮想盗難状態)として、スマホのBluetoothは切っておく。 これでAlterlock側から見ると、盗難されている状態になる。 Alterlockは(Gen2/3ともに)自律でのGPS測位と位置情報のアップロード(すなわち測位報告)を行う状態となる。

自転車で試験

サイクリングの時間は7:15am から 10:30amくらいまでの3時間、携帯の大手キャリアでさえ圏外を多く含むエリアだ。
結果を示すとこうだ。

携帯のBluetoothを利用した測位は無視するためにモザイク化した

Gen2のわずか3回の測位報告に対して、Gen3は8回。これは圧倒的な差ではないだろうか。加えて書いておくと、LTE-M圏内エリアに戻ったのが9:40頃のはずなので、Gen3は圏外状態 からぬけて即座に位置情報を更新している。(このことから、圏外エリアに入ったのは8:03amあたりと思われる)

ただ、Sigfoxを用いるGen2も8:31に測位報告している。7:20amごろから8:31に突然再度成功したきっかけは何であろうか。 

車で高速移動

ヒッチラックに乗せてGo!

なんとなくモヤモヤしながら、車に自転車を載せて高速移動しながら再度測定を行うことにした。(山北から横浜市都筑区まで移動)その結果がこちら。

やや頻度は落ちるが十分ではないか?

8件の測位更新がGen2は12:40~13:13, Gen3は13:00~13:13と、Gen3がわずかに高頻度とは言え、Gen2も十分な密度ではないだろうか? 移動は主として東名高速道路。前後の水平方向にも開けGPS測位には理想的な環境ではある。これはどういうことだ?

考察

完全に推測なのだが、実はGen2にとってのSigfoxのカバレッジは、当初考えていたより密度が低いのではないか。つまりGPSは測位できたとしてもそれをアップロードするための広域通信側に制限があるのではないかと考えている。

Sigfoxは920MHz帯を使用するため、伝搬特性は消して悪くない。事実、通信距離は見通しのいいところで30~50km、都市部で3~5kmだというが、 実は自分は50kmだけを鵜呑みしていて、「すんげー飛ぶなぁやっぱりデータレート低いとすげぇなぁ。これなら1県あたり数局でカバーできるSigfoxすげぇ」とかのんきに思っていた。

しかし都市部は厳しいのかもしれない。つまり、県はおろか横浜市だけをカバーするためにでも数局では済まなそうで、果たして独自に置局しなければならないSigfox(か京セラ)がどれだけの面カバレッジをつなげているだろうか。もしかしたらカバレッジホールや断絶は結構あるのかもしれない、場所によって「通信しにくい」「しやすい」 の差が大きいのかもしれない。

初めの結論に書いた通り、自分の感覚では東京,神奈川,千葉で、Gen2の測位報告頻度に満足していなかった。とはいえ(京セラのおひざ元の)京都や大阪では異なる結果になるかもしれないし、東京23区ではまた違う印象かもしれない。 その場合Gen3への更新は必ずしも改善につながらない可能性はある。

また今回、細かい測位を見ていて、LTE-Mを用いたGen3もA-GPS特有の誤差を見かけることもあった。つまりGPS測位がうまくできない場合、LTEの基地局の場所を参考にした測位結果となる場合だ。この場合、数10あるいは数100mの誤差を含んだ結果となり、またAlterlockの場合どの程度の誤差を含む可能性があるかを知るすべがない。実際は大まかな場所が分かったとしても、そこから自転車の位置を特定することは難しい場合もある。

アイデアとしてアプリを立ち上げて接続する箇所をやみくもに探せば、大体10-20mの範囲まで特定できるかもしれない、有事の際は十分に明るいときに、安全を常に意識して愛車を取り戻してほしい。

最後に

一般の方にとって、測位性能も、測位報告頻度も「場所がわかるかどうか」という問題で変わらないのかもしれないが、「測位性能」は移動機、つまりAlterlockを作った人の責任で、Sigfoxのカバレッジはその大部分は通信事業者側(sigfox)の責任で合って、以前から測位に関してAlterlock Gen2を罵倒していて申し訳ないと思った。
実は自分は元携帯電話の設備屋さんで、電波や広域無線の方式も(LTEぐらいまでなら)多少は知識がある。そのため、今回の測定器無し、設備情報無し、単独での試験ははっきりとした結論を言い切ることが心理的にも難しかったし、意味不明なことをたくさん書いてしまって申し訳ない。関係者の方にとっては「わかってねぇ」と感じることもたくさんあると思う。 ぜひ質問やご意見を聞かせてほしい。


もう20年ちかく自転車にのっていて、ネタは色々あると気づきました。できるだけ他では語られないコンテンツを書いてコミュニティに貢献していこうとおもっています。 いつかどこかで一緒にライドしましょう!
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