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コロナと自意識と一人旅

2020年は僕にとって大きな転機になった。

理由は「コロナ」だ。

コロナ騒動は「長期間の在宅勤務」という新しい常識を生み出した。

僕の会計業界は、ほとんどの会社が3月決算ということもあり、4~6月がとてつもなく忙しいが、ちょうどこの期間がコロナ第1波のピークだったこともあり、今回は繁忙期の業務をすべて在宅で実施せざるを得なかった(僕は今独立しているが今年の途中まで大きな組織に属していた)。

去年まではこの時期はほとんど「お祭り」だった。
つまり、大勢でクライアント先に押しかけ、クライアントと毎日あーだこーだして、5月中旬の締め切り間際に仕事を終わらせる、帰りは毎日深夜、というのが当たり前だった。

しかし今年は、そもそもクライアントのオフィスが閉鎖されていた。

なので、ZOOMやいろいろなオンラインツールを駆使し、基本在宅で業務を終わらせた。

区切りがついた今、振り返ってみると、「実は在宅でも仕事はできる」という事実があった。もちろん業種によるだろうが。

これは僕にとって大きな衝撃だった。僕は家では仕事ができず、仕事が終わらない時もだいたい無理してオフィスに残ってやっていたからだ。

しかし今回はそのオフィスが閉鎖されたため、家でやらざるを得ない。そして今僕は当たり前に在宅勤務ができるようになった。

完全在宅勤務はおよそ半年ほど続いた(最近徐々に解除されているようだ)。

そこで気づいたのは、「通勤時間」「在社時間」「クライアント先で過ごす時間」といった時間は、自分の中で結構重要だった、ということ。

特に4月は、毎日家で、土日関係なく朝8時半からPCを立ち上げ、朝9時からZOOM会議して、夜9時半まで仕事して(夜は深夜残業防止のためシステムが落ちてしまう)、夜9時半から進捗ミーティングをする、という生活が続いた。

さらに5月は、自分が責任者をやっている案件が極めて進捗が悪く、誰も出勤できない中で猛烈なスピードで終わらせる必要が出てきた。その案件は責任者なのでほとんど一人で終わらせた。もちろん家で。

僕は一人暮らしだ。つまり2か月間、一人で、毎日家で黙々と仕事をした。たまにオンラインで、もごもごとつぶやきながらも。

このとき、おおげさにいえば「自分という存在に限りなく向き合った」かもしれない。大げさかな笑。

なにしろ常に家にいて、なんの代わり映えもしない部屋で、朝起きてすぐ仕事に取り掛かり、締め切りに追われ焦燥感にかられながら就寝するのだ。当時昼や夜に何を食べたか、他にどんなことをしたか、ほとんど思い出せない。

その生活を続けるうち、うまく表現できないが、「自分であること」にとてつもなく意識が重くなり、猛烈に疲れた。

「通勤時間」「在社時間」「クライアント先で過ごす時間」は、以前はかったるく思っていたけど、実は「自分であること」への強烈な意識を軽減する緩衝材だったのかな、と思う。

今にして思えば、通勤やオフィス勤務ははっきりいって効率は悪い。だけどとてつもなく大きなリフレッシュ要因だったと思う。

通勤中はほとんど意識が飛んでいるので、「自分であること」など意識するはずもないし、オフィスやクライアント先だと、他人に気を遣うので逆に言うと「自分」を意識することはほとんどない。それが実はいいリフレッシュだったのかもしれない。

オフィスだと同僚がいるし、おしゃべりもできるからな。もちろんかわいい女子を見て癒されるのもとても大事だ(ガン見はダメです)

通勤や在社時間がリフレッシュだったのなら、一人旅やサイクリングはなおさらだろう。

詳細はまた別に書きたいけど、けっきょく会社員でも独立でもこれからは同じじゃね?と思って独立を決心した。

今の理想は、週2回程度オフィス、それ以外は在宅だ。このあたりがベストミックスなのかな、と思う。まだ実現はできていないけど。

もっといえば月の半分は地元、半分は東京で暮らして、月1回はサイクリングを含めた小旅行をする、というのがいい。

コロナは良くも悪くもいろいろなことを考えるきっかけになった。