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今時のバイクに思うこと

 最近、バイクのNEWモデルに興味が無くなって、どのくらいの時間がたっただろう。

 振り返ってみるとここ10年くらいだろうか。ここでは敢えてギア車に特定するが、メーカーのデザインが作り込みすぎていて、見ていてつまらない。ヘッドライトが丸くない。エンジンのデザインが美しくない。異常なくらいシートレールが短いなど。
 簡単に言ってしまえば、私の中にあるバイクではないと言うことだろうか。異形ヘッドライトに慣れている若いライダーは、何も感じないないのだろうな。


 物心ついたころに見ていたバイクは、角型ヘッドライトはおろか、異形ヘッドライトなどは見たことが無かった。メーカーは、画一的な規格品を使って、いかに個性を出すかに腐心していたと思う。前方からバイクを見ると、バイクの特性上メーカーの個性が出しにくい。私は、80年代中期のネイキッドバイクはメーターケースのデザインとヘッドライトの位置関係や、フロントホイール越しに見えるエンジンで車種を判別していた。勿論サイドビューはデザイナーの一番やりがいのあるところなので、こちらは問題なく車種を判別できると思う。

 逆説的に言うと、素材技術が進化したおかげで、デザインの自由度は格段に広がり、デザイナーは喜んだに違いない。それと引き換えに私にとっては、バイクらしさからどんどん遠ざかっていったように思う。エンジンに至っては、排ガス規制と騒音規制により、空冷ではパワーが出せず、さらに、メカノイズも抑えられないため水冷化されてしまった。これにより、空冷エンジンのシリンダーにあるフィンが無くなり、高層ビルのようなのっぺりしたシリンダーがそびえ立つことになった。やはり見た目にフィンがないエンジンは、趣がないように思える。まあ、パワーが無いエンジンは願い下げだが。


 エンジンを支えるフレームの中でも、シートレールが異様に短いのも馴染めない。
 行政側の思惑も反映しているのではないかと勘ぐりたくなるほど短い。2人乗りを拒絶するかのような貧弱なタンデムシートは、より一層リア周りを小さく見せている。大型車両に顕著なのは、タンクやその下のエンジンのボリューム感と、リア周りのアンバランス感が強調されやすいからだと思う。ましてや、2本サスではないためリアフェンダーとリアタイヤの隙間が更に際立ってしまう。コストダウンもあるとは思うが、1本サスはオフロード車だけにしてほしい。


 と、苦言ばかりになったが、やはり私の感性が古くなってしまったのだろうか。今時のバイクは、私にとってとても美しい、または、味があるとは思えない。きっと何十年経っても今のデザイントレンドは好きになれないと思う。私が杖を突いて歩くころにバイクがあるなら、今時のバイクが旧車となり、それを目にした私は何を思うのだろうか。


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