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数字に当てはめること

被服を学んだ大学生時代、「服の原型」というものを学んだ。

服作りに際して、バスト寸法から計算式に沿って数値を導いて基本のかたちをつくる。その原型から展開して服を作れば、ひとまず無難な服は作れる。

原型を生み出した人の功績は素晴らしいものであるけれど、私が学んだ原型は、いわゆる公式のようなもので、そこに数字を代入して服を作ることだった。

そのやり方で作る服は、無難ではあるけれど、何か飛び抜けた個性のある服を作るには、適さないやり方のように思えてきた。

学校教育の算数や数学の中でも、公式を覚えて数字を代入し、答えを導くことを学んだ。

さらに、偏差値という数字の中に自分を当てはめて、進路を決めた。

どこかの誰かの作った数式に自分を当てはめて出した答えは、無難なものだったけど、飛び抜けた個性を発揮できるものではなかった。

高校生の息子が、学校のテストで高得点を取ってきた。

果たしてこの数字は喜んでいいものかどうか、疑問に思う自分がいる。

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