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【#薬剤師】薬剤師1年目にぶつかった3つの壁Part3 死の壁


Part3 死の壁


私が薬剤師として働き出して

約3ヶ月後
ある患者さんが突然来なくなり、

亡くなったと言う話を聞きました。

それまで学生だった私にとって

この死というものの身近な存在を
初めて理解しました。

とても不思議な感覚だったのを覚えています。

この前までお薬をもらいにきていた人が
急に来なくなる。。

まあ、お薬が残っているのだろう
とそのうちお薬が無くなったら来る
なんて思っていたら

亡くなってしまった。。

これがこの医療や介護の世界で働く中で
越えなければいけない壁でした。

死とは自分の祖父が亡くなった以来で
とてもとても遠い存在に思っていたからです。

こんなこともきっといつかあるよな。
って思っていましたが、

いざその時を迎えると
そこまで話したことがない
患者さんでも

すごく寂しい気持ちに
なったことを覚えています。

それでその日は帰宅してからも

食欲もなく、
ぼーっとして
いたことを覚えています。

一年目の薬剤師はそれで良いと思うんです。

死は遠い存在ではなく

今、目の前の患者さんが

明日亡くなることもある。

だからこそ一瞬たりとも

患者さんとの雑談で出てくる
キーワードを聞き逃すことが

無いように集中していなくては
勉強をし続けなくては
いけないのです。

薬剤師は法律上、身体に触れてはいけない。

だから、医師からの処方箋と
目の前にいる患者さんの表情や声、動作から

色んなことを瞬時に
感じ取る必要があります。

だから、
ちょっとした会話
1つ1つにも

注意することを

知るのではなく、心で理解すること。

以上が1年目の壁になります。



ここから少し今の話をさせてください。

その後、

時々、

働く中で死を経験して
過ごしてきました。

この死の壁の中で

ここ数年はとくに、

在宅医療を何件もこなしてきて

在宅医療でずっと受け持っていた

患者さんが
亡くなるという経験をしました。


在宅医療はやはり、

死というものの存在が

外来の患者さんに向き合う以上に

すごく身近です。

その患者さんが亡くなるたび、

ついつい泣いてしまいます。
なので、

きっと死というものは

患者さんが最期に

私たちに、

後に生きるものへ、

贈る“ギフト”なんです。

これが、

7年目になった私が出した答えです。

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