わらび

文書くとれーにんぐ

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  • エッセイっぽい

    割と読みごたえのあるもの

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存在の脆さを前にして

印象的な写真を撮る人がいた。 日常の中のささやかな自然、登山で出会った雄大な自然を収めた写真。 派手な色味ではないのに目を引くものがある。風景写真というのは意図的に人の気配を消したものが多いと個人的に思っているが、この人が撮ると撮り手の存在がなんとなく感じられてあたたかさがあった。 実際に会ったことはない。 ほんの少しだけメッセージのやり取りをしたこともあったが、SNSにアップされた写真を見させてもらうというそれだけの関係性だった。本当に綺麗だと思った時に心からのいい

    • 4月お気に入りコンテンツ

      4月になった。新しい環境に全然慣れない。毎朝起きるたびに知らない天井があるし、さっそく履修をミスした。ちょっと逃避息抜きをする過程で見つけたいろいろを貼ろう。     蟹江町の西にカニエ・ウェストを探しに行く|デイリーポータルZ タイトルだけでこんなに笑ったのは初めて。蟹江町の西側でカニエ・ウェストの欠片を探して歩くだけのレポートです。 はらぺこあおむしが土曜日に食べたものをワンプレートにして食べる|デイリーポータルZ これ、絵本を見たことある人は大勢いるだろうけれど

      • 旅する自転車

        自転車は送料が高い。でかいからだ。 なぜそんなことを気にするのか。三年間乗った愛車を手放すことにしたからである。 ARAYAのランドナーと呼ばれるタイプに乗っていた。見た目はロードバイクだがタイヤが太くて悪路でも走れる。スポーツタイプには珍しくママチャリみたいな泥除けが付いていて、専用のパーツとバッグを使えば荷物を前後にどっさり載せられる。 このランドナーというのは本来日本一周のような長距離旅に使われるもので、だからこその力持ち仕様だ。 でも私がこれを選んだのは修行み

        • 人生の節目、目は節穴、研究は節足動物

          大学生活の終わりが来た。 4年間は一瞬で過ぎていった。劇的な何かが起こることはなくて、ゆるやかな毎日にちょっとずつ変化がある日々だった。 まず最初にこれを言わないと始まらんだろう。何といっても2020年度入学である。入学と同時に緊急事態宣言、家の外に出ることすら憚られ、知らない土地での初めての一人暮らしを誰とも会わずに過ごした。 授業はフルリモート。そもそもリモートという概念がコロナ渦で始まった感じがある。大学側も対応に戸惑っているのが分かった。同級生、先生は画面の中に

        存在の脆さを前にして

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        • エッセイっぽい
          9本

        記事

          仕出し弁当とのたたかい

          通っていた幼稚園は給食が出ていた。 正確に言うと、ご飯かパンは持参しないといけなくておかずだけの給食だったような気もする。年長になったら小学校に上がるための準備だといって牛乳が一緒に出ていた。あの200mLの小パックではなくて、家庭用の1Lパックを何本も給食のたびに職員室から先生が持ってきていた。牛乳専用のコップを園児たちが持参していて、そこに先生が毎回注いでくれたのだ。複雑な給食システムだなと思う。 そんな給食、たぶんママ達が大いに助かっていたであろう給食だが、年に数回

          仕出し弁当とのたたかい

          私、リスナーとしての顔

          音声コンテンツを好む習性がある。 ポッドキャストとラジオ。テレビや動画配信と違って画面見なくていいから何か作業しながら楽しめるし、話し手の考えや価値観が伝わってきて、この人自分と同じ思考回路してるなとか、へえこういう考え方もあるのか、みたいな面白さがある。音だけのコンテンツは、より思考をダイレクトに受け取れるように思う。脳みそに直接がつんと来る感じ。 せっかくなのでお気に入りを見せびらかす。一つくらい誰かに当たればいいな。 それでは!いってみよう。 超旅ラジオ(旧 旅の

          私、リスナーとしての顔

          逆立ち

          幼稚園の頃のことを思い出した。 あれは年中だったか、年長だったか。ある程度の文字が読めるようになった年齢。 名札や体操服のゼッケンはひらがなで書いてあるから、自分や友達の名前を読むことができた。 ある時、みんなの名前を逆から読むという遊びが流行る。 友達同士で逆さに名前を呼び合い、語感を面白がるというもの。 自分のフルネームは逆から読んでも当時の感性からしたらぜんぜん面白くなくて(今でも別に面白いとは思わないですけど)、すごく残念だったことを覚えている。 そんな中友

          皆さんは映画やアニメについてどれだけ知っていますか?理解していますか?私は無知です。

          レディ・プレイヤー1を観た。 とても面白かった。バーチャルとリアルを行き来する世界にわくわくした。 でも、おそらく自分はこの映画を三分の一くらいしか楽しめていない。 なぜなら元ネタがさっぱり分からないんだよ。本当に。 観終わったあとで解説記事を読んだが「〜の映画の衣装だ!」「〜の銃が出てくる!」などなど、ぜんぜん知らなくて震える。 ガンダムは好きなので出てきて嬉しい。あとスターウォーズも。パダワンのくだりが良かった。 でもAKIRAとかキングコングとか、存在は知っ

          皆さんは映画やアニメについてどれだけ知っていますか?理解していますか?私は無知です。

          こういう写真が撮りたい

          写真は自己表現の一つだと思っているので、目指したいものを挙げる。具体から抽象まで。 【@yicrn さんの写真】 そもそも、この方のヨーロッパ旅の写真をInstagramで見かけたのが写真を始めるきっかけになった。優しさと鮮やかさが共存した色、肩肘張らないスナップのようでありながらバランスも考えられた構図、何より身近な美しさを見つける目。フィルムでもデジタルでもクオリティが安定している。確か市橋織江さんに影響を受けたと書かれていたし、PENTAX67と山本写真機店、EOS

          こういう写真が撮りたい

          当たり前だと思うなチェーン店

          サイゼに行くと決まった時、喜びで踊りだす大人はいないらしい。まじかよ。 私はド田舎出身だ。「ド」がつくのでもちろんそんじょそこらの田舎とはわけが違う。 サイゼはおろかバーミヤンも松屋も行ったことがなかった。市内にないのはもちろんだが、隣町まで行ってもそんなものは存在しない。 なにせ市で一番高い建物といえば11階建てのマンション、最も街中な場所で電車もバスも1時間に一本、学校のグラウンドには猿がよく出る。唯一のファミレスもラーメン屋もこの前潰れた。友達に聞いた話だと、仕事

          当たり前だと思うなチェーン店

          ゼインのソロ曲を初めて聴いた時「なんか…曲暗くて嫌だなあ」ってなって今まで避けてきたけど、改めて聴いてみるととても心地良い。もしかして、と思ってゼインが脱退した年齢を調べると22歳。自分もあの頃の彼らと同じくらいの年になった。だからこそ理解が深まったのかな。嬉しいね。

          ゼインのソロ曲を初めて聴いた時「なんか…曲暗くて嫌だなあ」ってなって今まで避けてきたけど、改めて聴いてみるととても心地良い。もしかして、と思ってゼインが脱退した年齢を調べると22歳。自分もあの頃の彼らと同じくらいの年になった。だからこそ理解が深まったのかな。嬉しいね。

          アンドロイドは林檎狩りの夢を見るか?

          Pixel6を愛用している。 カラーリングが可愛くてとてもよろしい。綺麗なカメラ。目立つような不満はないし、性能も必要十分でお気に入り。 だが。世はiPhone一強時代。 普段生活していて、Androidスマホを使っている人に出会うことは少ない。大学のサークルではメンバーが40人くらいいたのにAndroid派は私ただ一人だった。さすがに泣きそうになった。 では、なぜ皆大好きiPhoneを選ばないのか。そこまでして少数派に属する理由は何か。 ただのしょうもない逆張り野郎

          アンドロイドは林檎狩りの夢を見るか?

          ボカロPは実質アヴィーチーであるという暴論について

          私の洋楽好きは小学生の頃に出会ったOne Directionから始まり、高校生で本格的にはまって、当時流行りのアーティストは一通り聴いていた。 ピアノやギターメインのPops(例: Shawn Mendes)、R&B(例: Kehlani)、あとEDM系統が好きである。ごりごりのロックはあまり好まない。ただジャンルの垣根を超えたコラボもよくあるので一概には言えないが、それもまた面白いところだ。 EDMは超簡単に言うとテンションブチ上がり系、海外のフェスやクラブで流れる洋楽

          ボカロPは実質アヴィーチーであるという暴論について

          文字を読むのはお好きですか?

          私はYouTubeを見るのがあまり得意ではない。 デジタルネイティブ世代がいきなり何を言い出すのかと思うだろうが、実際そうなのだから仕方がない。 画面の前に構えてじっ!と集中して動画を見るのがどうも性に合わないようで、見るとしてもPCで作業しながらバックグラウンドで垂れ流す、みたいな感じになってしまう。よっぽど前々から楽しみにしていた、とかじゃないと気合い入れて見ることができない。 どちらかというとながら聞きできるラジオやポッドキャスト、自分のペースで読み進められる本や

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          自己紹介代わりにこれらを投げつける

          自分の中で殿堂入りの好きなコンテンツをばん!と紹介する。敬称略。 一人前食堂 / Mai 一発目はもちろんこれ。雰囲気抜群のMaiさんがアイデア溢れる料理を一人で作って一人でもぐもぐするまでをナレーションの語彙力と共に眺める動画。なんで毎回こんな言葉思いつくんだろう。ハイクオリティのレシピを細かい手順まで教えてくれて、エッセイばりのナレーション読み聞かせもしてくれて、素敵なお部屋と食器なんかまで見せてくれてどれだけ感謝すればよろしいのか。これ観て一人で京都にマドラグの玉子サ

          自己紹介代わりにこれらを投げつける

          肉圓

          この世に美味い食べ物は星の数ほど存在する。 一方で食材の新鮮さや調理に問題があって、なんか微妙だな…という料理に出くわすことも時にはある。が、稀だ。美味しいものの方が多いと思う。 特に苦手な物はないし変な郷土料理とかでも全然食べる私にとって、不味い食べ物というのは出会うことの少ないレアキャラだ。 だが、そんな自分に鮮烈な不味さを残した強者がいる。 そいつの名前は肉圓。バーワンと読む。 「千と千尋の神隠し」序盤で、千尋母&父が屋台で勝手に食べて豚になってしまうシーン(