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ドクダミの根っこを食べてみた【ドクダミ前編】

2023年4月。
ちょいちょい話に混ぜてもらっているディスコ鯖で、面白そうな告知があった。

ドクダミを食べる会 開催!
東京でドクダミの根料理を食べませんか?

ドクダミ!?
しかも根!?

俺さん、山野草はそこそこ食べてるけど、ドクダミは食べたことがない。
ちなみに一番好きな山菜はウド。

日本ではドクダミ茶が知られているが、アジアではそこそこ食べられる野草の位置づけ。特にベトナムでは生でサラダにもするとか。

私は食べたいとか1ミリも思わなかったけど。

なんせドクダミが嫌いなんだよ。しかも存在自体が思い出補正で嫌い

私の中で「ドクダミの香り」は「湿度の高く不快な便所の香り」なんだ。
すまない。

自分語りになるが、実家の裏手にドクダミが生えてましてね。
その裏手ってのはつまり、便所の外だ。
家の陰で常に湿っているような場所。

そんな湿った場所に生えるドクダミは、めっさ臭い。
特に花の香りが最悪だし、梅雨の時期になるとさらに強烈になる。

ちなみに、うちの親父はその便所の裏のドクダミを採って乾燥させてドクダミ茶を作る。そして俺に勧めてくる。オヤジ本人は飲まない。

お前が飲め!!!

あまりに不快すぎて駆除しようと思ったが無理だった。
ワサワサ生えていて抜いても刈っても生えてくる。
どしたのワサワサ。なんでもなーみん。

除草剤を使えばどうかって?
オヤジがドクダミ茶作って毒入りになったら困る。
ほら除草剤まいたからやめろって言って、素直に聞くわけないんだよなぁ。

大幅に話がそれたが、そんなわけで私はドクダミが嫌いだ。
大嫌いだバーカ!

閑話休題。

話を戻して、このドクダミを食べる会。
今までに数回開催しているそうだが、参加者からは「ツラい」「不味い」「食いきれない」など、最高の評価だらけで1度参加した人は2回と参加しないらしい(主催者を除く)

いいね。実に辛くて面白そうだ。
レアな根っこというのがなお良い!
話のタネとして最高やん……。

みんなで不幸せになろうよ!

そんなわけで参加することした。
どんなツラい味が出てくるのか楽しみだぜ。

お店訪問

そんなこんなで参加申請。
当日の東京は大寒波であった。
東北から行ったのに、東京の方がクッソ寒いんだが!?

食事場所は新小岩の中華料理屋「貴州火鍋」
貴州料理ではドクダミをけっこう食べるらしい。

あー、貴州って四川とかあっちの内陸の山の方の……。
なるほどなー。

飲み物は とりあえずサワー

決死の勇士が集まり入店。
まずは飲みもの。
アルコール飲める人間はドクダミサワーを注文。
当然だよなー!

根っこが浮いていて、なかなか良いインパクト。
ドクダミはこの地下茎で増えるから根絶が厄介なのである。

そんな憎い敵の味は────普通に美味いやんけ。

確かにドクダミの香りはあるが、そこまで不快じゃない。
メインのレモンライム系のソーダとハーブ系の爽やかな香りに、ドクダミの香りがサブ役として溶け込んでいる。

「美味い」との感想が相次ぐ。
そして、主催のZさん曰く「???こんな味では無かったような…」

以前はもっと萎びて激渋で漢方系の臭さだったらしい。
ドクダミの採れる時期と保存状態によって味が変わる可能性が出てきた。

話半分じゃないすか~?脅かし過ぎじゃないすか~~?
そんな楽勝ムードが漂う中、料理が到着し始める。


伏兵登場

ドクダミ料理オンリーというのも詰まらないので、Zさんにお任せして料理を見繕ってもらった……のだが、全体的に辛い。

干し納豆の回鍋肉(だったかな?)
おつまみ3点盛り
葱半水豆鼓(たぶん)

悲劇が起きたのが3枚目の画像料理。
赤色はマイルドなのに激辛。

一同悶絶。

唐辛子で辛いのもあるが、それ以上に山椒がビリビリに利いてる。
麻辣(マーラー)
麻麻麻麻麻麻麻辣辣辣(マーが7でラーが3くらい)

ドクダミ前のまさかのヘビーパンチャー登場に、皆がたまらずヨーグルトドリンクを注文。
ヒーヒー言いながらジワジワ片づける。
ぶっちゃけ想定外。
トウガラシ辛いのは得意な俺も山椒には弱いので、たちまち汗が噴き出す。

そもそもこの料理頼んだっけ!!???


主役 ドクダミの根と干し肉の炒め物

「わりとイケる」
「さっきのと比べると全然食える」
「何よりさっきのが辛すぎた」
「ヨーグルトドリンクください」
「細いゴボウのような食感」
「山菜料理の範疇」
「美味いとは言わないけど、干し肉と一緒なら美味い」
「ドクダミの香りは思ったよりエグくない」
「ヨーグルトドリンクください」
「ドクダミの利尿作用なのか、おしっこが止まらない」

以上!解散!

ドクダミが旬で美味しい時期だった可能性もあったものの、山菜料理として食べられる範疇。ドクダミの根っこの収穫は面倒なため、自分で作ろうとは思わないが……。

あと次回あっても参加しないだろう。
不味い美味いという意味ではなく、わたくし東北民なので東京に出かけるならもっと違う店で食べたいです…。ていうかブルワリーとビアバー周っちゃうから。テヘ。


■おまけ

主催のZさんが最悪の事態を想定していたこともあり、口直しに近所のホルモン屋へ。

「普通に味わって美味しく食べられるのって、有難いことだったんだな」
「幸せを感じる」
「おしっこが止まらん」

そんな感じで一同満足して解散しましたとさ……。


で、話が済めばよかったのですが。
俺さん、帰りの電車の中で一つの決意を固める。
「あのドクダミサワー美味かったし、自分でも作ってみるか!」

てなわけで、次回「衝撃Z編」へ続く