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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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#KTM

「王者は挑戦をやめない」 インタビュー スティーブ・ホルコム

2023-2024 Enduro GPシーン最も注目を集めた大型移籍。最強を誇るBetaファクトリーチームからRed Motoへ。王者スティーブ・ホルコムの真意に迫る。  2015年、Enduro GPのジュニアクラスに彗星のごとくデビュー。フル参戦ではなかったためジュニアタイトルの獲得は無かったが、シニアにステップアップした翌2016年はE3クラスで初の世界タイトルをつかむ。以来、Betaファクトリーチームのライダーとして5シーズン、排気量クラスでのタイトルを含めると9度

Factory Bike - タディのインドアウェポン - GASGAS 4T 350

エクストリームエンデューロのマエストロがFIMスーパーエンデューロとAMAエンデューロクロスという2つのインドア選手権で勝利するために作ったスーパーウェポン。フルモデルチェンジした4ストローク350マシンはどのようなコンセプトで仕上げられているのだろうか。 Text & Images : Future7Media Team 狂気のレースを戦う 異常な兵器の真実 私たちがファクトリーマシンを紹介するこのPRO-BIKEのシリーズでは、通常、パドックで撮影できそうなバイクを見

Parc Ferme 「エンデューロのメカニックとは?」 No.248より

Image : ISDE France2022 - Future7Media Text : Hisashi Haruki  エンデューロという競技の起源は、モーターサイクルとそれに関連するイクイップメントの性能向上、そしてモーターサイクル操縦技術の鍛錬に資する「トライアル=試験」にある。その目的を現在まで継承していることから、他のモータースポーツとは違った特徴を持っている。その大きなもののひとつが、モーターサイクル固有の信頼性を問うものであること、同時に、それを操る選手本人

日高。2023 「ザ・クラシックエンデューロ」 No.248より

1984年に苫小牧市で開催されたITDEをその源流とする伝統の2日間競技がウイルス禍による休止を経て4年ぶりに開催された。レベルアップ著しい最高峰クラスから、一度は日高を、と目標にしてきたライダーまで、国内外から240名の選手が秋の日高山脈に集まった。 JAPAN ENDURO CHAMPIONSHIP R5 MFJ全日本エンデューロ選手権 第5戦 2023年9月15~17日 北海道日高町 Images : off1.jp, Akihisa Tsukada その歴史 日高

ヒダカ - ローレンス・ハッキングの場合 「情熱を共有すること」 No.248より

ENDURO IN JAPAN - LAWRENCE HACKING ローレンス・ハッキング カナダのモーターサイクルジャーナリスト。ISDEにはカナダ代表チームでの出場も含めて何度もシルバーメダルを受ける。カナダ人初のパリダカ完走者でもあるベテラン。ENDURO GPカナダ大会を2年続けて主催した経験を持つ「エンデューロマン」だ Image : Satoru Ii モーターサイクルの醍醐味 2016年に初めて参加して以来、3度目のHTDEになりました。毎回感じること

ヒダカ。スティーブ・パークの場合 「美しい国のエンデューロ」 No.248より

STEVE PARK カナダ・ブリティッシュコロンビア州 HTDEへの参加は2018年以来2度目。職業はデジタルマーケディングコンサルタント。アマチュアライダー。 Image : Satoru Ii 還るべき場所 初めてHTDEに参加したのは2018年で、実はこれが私にとって初めての本格的なエンデューロでした。日本のライダーもオーガナイザーも、本当に私たちを歓迎してくれていることがわかりましたし、レースは素晴らしく、このように美しい場所で、レべルの高いライダーたちと数日間

ジャンキー稲垣が走ったヒダカ 「語り継ぐべきもの」 No.248より

取材者として見続けてきたエンデューロ。ヒダカをライダーとして走る。稲垣正倫が体験した「初めてのヒダカ」、そのモノローグ。 <クレジット> Text : Masanori Inagaki Images : Satoru Ii 「何者か」になりたい 僕はいま42歳なのだけれど、だいたい10年ほど前にとある編集講座に1年ほど通っていたことがある。僕ら編集というのはなんとも説明しがたい職業で、ざっくり言うと材料を集めてきてなんらかの形にする人だ。雑誌編集なら、立てた企画に最良なカ

FIMスーパーエンデューロ2023-2024開幕

ウインターシーズンに集中して開催されるFIMのインドア選手権。2007年にFIMカップとしてシリーズがスタートし、2013年ぐらいまでは、EnduroGPのライダーたちが多く参戦する、シーズンオフのショーという感じだったが、現在は、エクストリームエンデューロ、ハードエンデューロのライダーの中でも、特別な技術を持ったライダーたちによって競われるチャンピオンシップとなっている。 現在の決勝フォーマットは、約7分間×3ヒート制。超スプリントで、しかも、1ヒート毎にスタート列が逆に

ISDE スペイン2024は10/14-19開催

FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ(ISDE)の2024年大会は、当初、9月の開催と予告されていたが、このほど10月14~19日の6日間になることが発表された。FIMエンデューロ世界選手権の最終戦フランスGPが、9月中旬に設定されていることが大きな理由だ。 開催地はスペイン北西部のガリシア州。スペインでのISDE開催は史上5度目で、2016年にナバラで開催されて以来。

1-ON-1 釘村忠 「このスポーツの魅力をもっと多くの人に」 No.247より

4度のJECタイトルを持ち、ISDEにおける日本初、そして唯一のゴールドメダリスト。現在もランキング首位争いの主役をはるトップライダーである釘村忠が、新たな挑戦について語る。 Text : Hisashi Haruki Images : Animal House, off1.jp   多くの人に知られていることではないが、JEC(MFJ全日本エンデューロ選手権シリーズ)には、今年静かな変化が起こっている。これまでのエンデューロテストに加えて、瞬発力が試される短時間の「

人生最後の一台 - KTM350EXCF

永田邦彦 1971~2023 人生最後のバイクは、ライダーが選ぶものだと勝手に思っていたが、そうではなかった。それは、自然にそうなるのである。日高に生まれ育った永田君に選ばれ、愛されたバイク。本物のエンデューロライダーに愛用された、本物のエンデューロバイクのこと。 Text : Hisashi Haruki  KTMのエンデューロモーターサイクルの中でも、4ストローク350エンジンを搭載したモデルは、年式を問わず人気がある。日本でいまひとつ売れ行きが良くないのは、単に車

ZETAのピボットレバーが示すエンデューロの根本精神

ぼくがバイクに乗り始めた頃といえば、ちょうど40年ほど前になる。オンロード、オフロードのジャンンルを問わず、バイク雑誌を隅々まで読んだ。 カタログも、その隅から隅まで読んでいて、1950年代のバイクから、年式毎に、ほとんど諳んじて言えるほどの知識を蓄えた。途中からは、エンデューロバイクに限られるようになってしまうが、今でもその知識は年々に積み重ねられて増えていく。 体形的に学ぶ、というのはそういうものであると思う。ある程度しっかりとした基礎ができていると、そのうえに積み重

Reliability Trials エンデューロその本質 - No.245より

一台のモーターサイクルとともにスタートラインに立つ時、そのライダーは何を見るのか。レースではなく競走でもない。1913年からほとんどその姿を変えることなく続くこの競技に、人はどんな価値を見出すのか。 Text : Hisashi Haruki 何に挑むのか エンデューロとは何か?  これは弊誌が1998年に創刊してからずっと追い続けているテーマであり、またこの小さな出版や、関連して開催、運営している競技会等を通じて伝えようとしていることである。極めて簡略的に言うならば、エ

Enduro GP 2023 開幕 - 過去最高の顔ぶれが揃う!

いよいよ、この週末、3/31~4/2にイタリアでFIMエンデューロ世界選手権が開幕します。完全ではないにしろCOVID-19影響から脱し、また、KTMグループの離反により数年間続いた混迷の時期も脱して、Enduro GPはその権威を完全に取り戻した感があります。 この開幕戦を楽しむには、最低限、この情報を知っておきたいですね。