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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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2023年5月の記事一覧

「人生最後の一台」 宮崎大吾の場合 - No.246より

ある日、あなたの前に神様が現れてこう宣告する「あなたはこれまでにいろいろなバイクに乗ってきたが、ついに最後の一台を選ぶ時がきた。あなたが手に入れることができるのはあと一台だけ。その代わり、世界中に存在する、あるいは存在したことがあるどんなバイクでも選ぶことができる」。さあ、あなたが選ぶ人生最後の一台とは?  第5回 : Yamaha Serow 225W オフロード専門誌 編集者 宮崎大吾

「白い道とフットパスライツ」 No.246より

 日本の最北端、宗谷丘陵にある「白い道」には、読者の中にも行ったことがある人が多いはずだ。ぼくは、昨年のノースアイランドラリーで初めてそこを走った。  名産のホタテの貝殻が、砂利の代わりに敷き詰められている。宗谷丘陵の緑、青空、それに宗谷海峡の青。そのなかに真っ白な道が伸びている様子が独特で、確かに美しい。  実は、ここをクルマやバイクで通れるということを知らなかったのだ。「稚内フットパス」という名称がつけられている。なので、徒歩でのみ通過できる道なのだ、と勝手に思っていた。

TIME TO RIDE 「バイクは道具か否か」大鶴義丹 No.246より

 バイクのエンジンや車のエンジンを触ったり改造したりすることの原点は、16歳の時に乗っていたヤマハDT200RのYPVSのメンテだ。言うまでもなくネットや専門書もない時代なので、ショップのオジサンから教わった通りの、見よう見まねの素人作業。しかし顔が写るまで鏡面加工したYPVSで走り出すと、すごく速くなったような気がしたのが不思議だ。もちろんプラシーボ効果なのは言うまでもないが、気分は「よろしくメカドック」である。  そんな昭和昔話から40年近くの時間が過ぎている。内燃機関そ

Roadbook 「ダブルコーションの罠」三橋淳 No.246より

 このロードブックを見てまず最初に思ったことは「あ、英語だ!」ってこと。普通ヨーロッパのロードブックはフランス語で表記されていることが多いので、そこがちょっと新鮮。もっとも今のダカールラリーは英語表記なので、そういう感覚に陥るのがすでに古い人間だというのを露呈しているとも言える。  で、このページを見て思うのは、ハイスピードな場所なんだろうなあ、と。黒い実線の矢印はグラベルロードを表す。エジプトのラリーのコマ図なので、その風景は何もないところをただぶっ飛ばしていくような、そん

工具の世界 「第6回 整備の心構え」 No.246より

Text : 山田卓弥 写真 Beta Factory Team 2019 - Masanori Inagaki サンデーメカニック心得  工具を販売する専門店を長くやっているといろいろなお客様と接する機会があります。それこそフォーミラーカーを整備している人や発電所の保守をしている人、初めてスタッドレスタイヤから夏タイヤに交換するので工具の事を教えて欲しいなんて人もいれば、庭先で原付バイクをいじっている高校生から整備のやり方を聞かれる事まであります。  そんな多様なお客様

Parc Ferme 「よく齢を重ねること」 No.246より

 FIMエンデューロヴィンテージトロフィというイベントがある。今年は10月18~21日にスペインで開催されることになっている。その名が示す通り旧年式のモーターサイクルによるエンデューロ競技会。2016年に初めて、スペインで開催され、以来年に1回のイベントとして定着しつつある。  2019年までは、FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ、すなわちISDEと同日、同会場で行われていた。が、それ以降は「ISDEとは別に開催されなければならない」ということがルールとして明

ZETAのピボットレバーが示すエンデューロの根本精神

ぼくがバイクに乗り始めた頃といえば、ちょうど40年ほど前になる。オンロード、オフロードのジャンンルを問わず、バイク雑誌を隅々まで読んだ。 カタログも、その隅から隅まで読んでいて、1950年代のバイクから、年式毎に、ほとんど諳んじて言えるほどの知識を蓄えた。途中からは、エンデューロバイクに限られるようになってしまうが、今でもその知識は年々に積み重ねられて増えていく。 体形的に学ぶ、というのはそういうものであると思う。ある程度しっかりとした基礎ができていると、そのうえに積み重