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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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2021年8月の記事一覧

ワールドトロフィとは何か - エンデューロ日記 No.19

 ISDEフランス2017大会からの回想だ。  クリストフ・ナンボタン、ルイ・ラリュー、ジェレミー・タル―、そしてこの2017年から本格的にエンデューロに転向したMXGPライダーのクリストフ・シャルリエ。ENDURO GPのチャンピオンクラスを揃えたフランスチームは、もとより優勝候補の筆頭ではあったが、そこにオーストラリア、また昨年史上初のワールドトロフィ獲得を果たしたUSAがからんで三つ巴の接戦になると予想していた。が、蓋を開けてみると、初日からフランスの優勢が明らかだっ

GASGAS EC250F - ファリオーリの経験が反映されるヴェローナのポケットロケット - No.236より

正直なところ、ENDURO GPの復活なくして我々の活動も無いわけで…こうしてGPのパドックを歩いて、世界最高のライダーたちのバイクを、世界中のファンのみなさんの代わりにチェックするのは、とにかく我々にとっては最高の楽しみなのである。 ブルーからレッドへ 小規模ながらマッティグホーフェンのKTMグループもENDURO GPに戻ってきた。GASGASにとっては唯一のオフィシャルライダー、アンドレア・ヴェローナのEC250Fをまずは紹介しよう。ヴェローナは、地元イタリアメーカー

シックスデイズの興味深い数字たち - - エンデューロ日記 - 018

8月30日から6日間の日程で開催されるISDE 2021イタリア大会。すでに始まっていると思いますが、1年の延期という困難を乗り越えて開催にこぎつける、モーターサイクルスポーツに向けた熱量の高さに感動します。 1913年にイギリスで第1回が開催された大会で、以来、各国の持ち回りで開催が続けられ、今年は第95回。毎年開催されていれば、第108回になるのですが、数が合わないのは、第一次世界大戦と第二次世界大戦での中断があったから…だったのでてすが、COVID-19のために202

「ドリームチーム」- ISDE 2021 イタリア大会の開催に寄せて。エンデューロ日記 -017

まもなくスタートするFIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ 2021 イタリア大会。ウイルス状況によって出場辞退する国も少なくなかったが、それでもおおよそ30か国から参加。開催国イタリアはもちろん、スペインほか強豪国が参加、USA代表チームももちろんエントりーしている。日本からは、単独、滑川勝之が参加。滑川は、2017年フランス大会に日本代表チームの一員として参加した経験もある。この原稿は、2017年に本誌に掲載したコラムだが、今年も優勝候補の筆頭に挙げられるUS

ISDE BRASIL 2003の思い出 その4

ブラジル大会の記事はこれでいったん終了します。今回は、セレクト写真のうち残ったものを掲載します。 これは、チェコのロマン・ミカリックというライダー。1999年のエンデューロ世界選手権125ccクラスのチャンピオン。この時は、VORというメーカーの契約ライダーでした。VORというのは、Vertimati Offroard Racingを略したメーカー名です。ヴェルティマティというのは、イタリアのヴェルティマティ兄弟が作る独創的なオフロードマシンのことで、MXGPにも挑戦してい

NIR 2021を終えて

8月。第4回のノースアイランドラリーが終了した。North Islands Rallyと題している。複数形なのは、もともと、これが北海道とサハリン(樺太)という2つの島を結んだラリーとして開催されるものだったからだ。稚内とコルサコフを結ぶフェリーが運休となり、2016年以降、中断していたが、昨2020年に、北海道で完結するラリーとして再開したという経緯である。Islandsであるから、いつかまた二つ以上の島を結ぶルートを持ったラリーとして再開しようという希望も持っている。本州

KTM350EXC-F WESS EDITION - 英国E21によるテスト- No.235より

350台だけが限定発売されたWESSエディション。ENDURO21.COM編集部は、すでに完売していたこの特別仕様を、半ば強引に入手してテストを開始した。 Text : Jon Pearson Images : Enduro21,Marco Campelli,Paul Gray,Graham Chapman プレミアムな1台 ENDURO21.COMは、KTM350EXC-FでWESSに参加するという、考えただけでもわくわくする計画を立て、そのためにオーストリアから1台の

ISDE BRASIL 2003の思い出 その3

その後、これまでに何度か、スーパーモタードっぽいファイナルクロスが行われています。釘村忠、渡辺学、前橋孝洋、馬場大貴が走ったポルトガル大会も、カートコースを使ったレースでした。 ISDEでは、6日間のスケジュールの最後に「ファイナルクロス」というものが行われます。ルールブックには「オーガナイザーは6日目にファイナルスピードテストを行うことができる」と記してあります。モトクロスのようなレース形式なのでファイナルクロスと通称されていますが、正式名称はファイナルスピードテストです