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向こうの社長は現場にすぐやってくるの巻



Beggars GroupのPaul Redding社長がご来店。




なんかでかくなってないか...
まだBIG LOVEと名乗る前の15年前にもMike Mills会長といきなりやってきてくれました。私はKraxonsとすっかり記憶違いしてたけれど、2007年にCajun Dance Partyの1stシングルを入荷させたくてレーベルに私がFaxしたのです。すると偶然社長のPaulさんが私のFaxを見つけ自らレコードを送ってきてくれてからの付き合い。だけどもちろん私はやり取りしている相手が社長のPaulだなんて知らなかったし、だってまさか社長が自ら梱包してレコードを送ってきてくれてるなんて思いもしないです。

「だって日本から直接ファックスしてくる店なんてないからさ。本当に好きなんだろうなって思って」

あの時代、メールはあったけれど今みたいには機能していなくて、簡単に海外のレーベルやバンドとコンタクト取れるなんてことはありませんでした。
とにかくそれ以来彼らはずっと僕らをサポートしてくれて、そしてPaulが見出したCaius PawsonはYoung(ex-Young Turks)をXL傘下で立ち上げThe xxやFKA TwigsやKamasi Washingtonなどなどをリリースし、ラフトレにいた女の子はAdeleとして世界の歌姫となった。「彼女は絶対にスターになるから」と最初のレコードを送ってきてくれたけどまさかあそこまでなるとは。


コロナで日本への視察は来れてなかったみたいだけど、今回はBIG LOVEに行くのを楽しみにしていたと超大手会社の上役との会食前にわざわざ来てくれました。

「これなんだよな」

と言う彼みたいな世界的大会社の社長が我々のような店を相手にするどころか特別扱いしてくれるのは感謝だけどそれ以上にだからこそ彼らは成功するのだと思いました。レコード会社に限らずですが大会社の社長がわざわざウチみたいな場所に出向いてくるなんて日本社会ではまず考えられないもの。




それでは本日はだらだらと入荷した新譜レコード紹介を。


日本版も大好評発売中のSo Young Magazine(初版が売り切れたそうです!)からの話題の新人バンドニューヨークの若者たちBean Stellarのヴァイナルがついに登場です。キラー"Kids 1995"も収録された全5曲入り。こちらももう売り切れとの連絡です。


ブツが存在しないかと思ったChronophageのニューアルバムも到着。出ただけで奇跡の3枚目、そして奇跡の仕上げ。ここにきてさらなるセンスを見せてくるとは。本物やったんか。とにかく99.99%の現代人がこのアルバムの存在の素晴らしさに気づいていないということはまだまだ人間が進化の途中だということを我々は思い知りますが、しかも何曲もの名曲が収録されているなんて。だってこの手といったらなんですがどのバンドも名曲なんて作れないのです。パンク以降のギターバンドによるクラシックと呼ばれる曲のほとんどはただ我々がそのバンドやアーティストの存在に魅了され勘違いしているだけなのに(それはそれでミラクル)"Burst The Shell"なんてここ10年のベスト10に入るかもしれないくらいに普通に良い(日本語がいつものようにおかしいです)。ちなみにSpotifyでは1,000回も聴かれていませんが。



そしてマガジン及びメンバーシップではお知らせしたようにSofie Royerのニューアルバムもついに。そしてBIG LOVEでは本人プチ監修のアクリル・キーホルダーがついてしまいます。


こちらも年間ベスト有力候補であります。存在だけで素晴らしいのでレコードに音など入ってなくても私なら買いますが内容も良いなんてレコードは本当にいたせり尽くせりのブツです。




ですので大好きと言いながらシールドを開けないまま棚にしまわれるレコードなんて山ほどあるわけですが、確かにレコードで聴くと新たなる発見があるのも事実です。それはウソです。それは雰囲気です。レコード屋勤務歴30年の私が言うので間違い無いです。やっぱりレコードで聴くと良いな、新たなる発見!と我々が思いたいだけです。なぜならお金出して買ったものなのでそれくらい思いたいのです。なのになぜ我々は今日もレコードを買ってしまうのでしょう。それは全方位から無意味と思われる行動を起こし続けることが実は人間である証であり我々がこの世に存在出来る唯一の理由だからでありレコードとはまさにその最たるものだからです。今日もレコードを買い続ける。ある者が険しい山を登るように、そしてある者は真っ暗な深海に落ちていくように、そしてあなたがまた恋をするように…と、レコードを買い続けると雰囲気だけのことしか言わない大人になるので気をつけてください。

ということで ANAIISのレコードだけは欲しかった。このアルバムは数年後には隠れたカルト云々と言われ音楽好きと嘯く転売ヤーが血眼になって探す一枚になることでしょう。数年後にもしそうなっていない場合はもう数年待ってください。その数年後でもなってない場合はもう数年待ってください。以下ループでお願いします。


以下の有料記事は大したことが書いていないので購入すると損です。単体記事は特に高いです。どうしてもという方には定額マガジンがオススメです。それでハマったらメンバー・シップへ GO!といった順番です。

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