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「音楽は無料の時代!これからは体験の時代です。音楽ファンはライブに価値を感じて対価を払ってくれるのです!」って言ってたやつ出て来い問題

タイトル意識高っ。今回の記事は意識が高いです。
最近「アレ、おかしいな〜」思ったことについて書きます。

尖ってますねー....このtwitterアカウント
詳しく説明していくと

2010年代はyoutubeにMusicVideoがフル尺でアップロードされるようになり、アーティストの新曲を無料で視聴できるのが当たり前になっていました。楽曲を購入してもらうためのプロモーションであり無償提供ではなかったのですが、曲を買わないユーザーにとっては無料でコンテンツを楽しめる状況でした。

作曲業・作詞業・原盤制作者として生計を立てていきたいと考えていた筆者としては「おいおいちょっと待ってくれよ」と。無償でアップするのは良いけれど作曲の対価は無償では無いよ。歌う人だけ、パフォーマーだけ、プラットフォームだけが対価を受け取って作詞家の人が専業で生きて行けない業界ってどうなんですか?...ずっと疑問を抱きながら活動していました。

実際に自分の周りの専業作曲家、専業作詞家は減っていきました。作曲に加えて編曲、ミックスダウン、シンガーのコーディネート、原盤が制作できるプロデューサータイプのクリエイターは残っていきましたが。自分1人が変だなと思っていても制作費は削られ、作曲と編曲込みで納品、ミックス・マスタリングも込み(つまり専業のミックスエンジニア用の予算を削減し依頼しない)という発注が増えていきました。

レコーディングスタジオ、マスタリングスタジオの閉鎖する数は尋常じゃなかったです。

レコーディングエンジニアやミックスエンジニア、マスタリングエンジニア、作詞家、作曲家が廃業もしくはフリーランスになり専業・専門家が減りました。この時点で音楽業界は大量の人材損失しているのですが、この状況に神の一声が。


「音楽は無料の時代!これからは体験の時代です。音楽ファンはライブに価値を感じて対価を払ってくれるのです!音楽業界は音源とライブの収益を合算すると増えています」


ということを言う人が出現しました。とりあえず言っていた人出てきてもらっていいですか。

「モノからコトの時代だ」とかも言ってた気がします

2010年以降ライブの動員は増え、チケットが高額でもライブで音楽経験をしたいという人は沢山いました。フェスも沢山ローンチされ、ライトな音楽ファンもフェス・ライブに参加するようになったと思います。ライブやフェスのマーチャンダイズは売れました。Tシャツやタオル、リストバンド等の思い出になるグッズは収益になりました。

素晴らしいと思います。音楽業界が残っていける方法として。


ただ一点。聞きたいことがあります。

音楽が無料でネットにアップロードされて、CDも売れなくなって、ストリーミングが主流になりデジタルデータを買わなくなって、作曲家と作詞家の印税収入は減りました。

グッズやチケットの収益の一部は作詞・作曲家に分配されましたか?

ああ、すみません間違えました。ヒートアップしちゃいました。


音楽...つまりは曲と詞と編曲、ミックス、マスタリングがあって、その音楽原盤を元にコンサートで演奏する。

もちろんアーティスト・実演家がいないと演奏されないし会場、音響、ステージ、舞台監督、照明、VJ、グッズ、ドリンク全てが欠かせない要素です。曲が一番ってわけではありません。

でも音楽コンテンツである以上、曲は重要な要素だと思うのです。作曲家や作詞家が、その仕事で食べていけない。誇りをもってやっていける仕事になっていない。
そんな状況はフェアじゃないと思っていました。


でも音楽業界人やプラットフォーマー、っていうかユーザーまでも「音楽は無料の時代だ!」「体験の時代だからライブがメインになる」と言うようになりました。


マジで?



本当にそれで良いと思います?ってなりました。絶望っていうか。
どんな業界でも同じだと思いますが給料や報酬が低くなると人材は他業種に流出する。優秀な作曲家や作詞家が音楽業界に見切りをつけて、コンテンツのレベルが下がるのはあきらか。

そんな絶望的な状況な中でも音楽原盤制作のギャラを高く設定したり、意識高いことを言って嫌われたり、音楽の価値を高めるよう活動していました。時代に逆向しているので「ギャラ高すぎじゃないですか?」とか嫌味を言われることも少なくありませんでした。


その状況が2020年まで続いて「けっこうキツイな」と思ってた筆者。今年の2月に再度、大きな変化がありました。


ライブができなくなりました。DJができなくなりました。大規模なコンサートが開催できなくなりました。



「音楽は無料の時代!これからは体験の時代です。音楽ファンはライブに価値を感じて対価を払ってくれるのです!」って言ってた人でてきてもらえますか

音楽が無料になって、ライブに全振りしてて、ライブができなくなったら「何の時代ですか?」

音楽に愛情の無い人は「これからはVRの時代だ!音楽は無料で据え置きで!」とか言うのでしょう

ライブが0になって、多くの人が音楽の大切さを実感していると思います。音楽を作る人、音楽を奏でる人、音楽を体験できる場所を作る人。応援する人。


全ての人が大切です。誰一人欠けても音楽は鳴りません。国や業界、それが機能しないなら音楽リスナーが「音楽家」をサポートできる仕組みが無いのでしょうか。

もう「〇〇の時代」とか必要ないんです。「VRの時代」とか「ライブ体験に変わる〇〇の時代」が出てきたらライブに振っていた人は失業してしまいます。時代とか、ポジショントークとか、全く必要なくて「音楽」を包括的に文化として大切に守っていく姿勢が重要だと感じています。作曲家、作詞家、クリエイターの友達が辞めていくのを引き止められなかった2000年代の時から。

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ドイツ『DOKOMI』LA『ANIME EXPO』香港『Digital Stars』といった海外イベントや『マジカルミライ』などにDJとして参加 MIKUEXPO 2014テーマ曲「Sharing The World」曲:youtube.com/user/ELEKITV

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コメント (1)
同感です。カナダでも、マルチな人、チームづくりの上手な人、とにかくトレンディで上昇意識の高い人だけが業界に居残ってしまっています。その筋一本の職人さん、いなくなりました。音楽が無料って。。。音楽とまったく無関係な方に違うカタチで支払ってるんじゃないですかねえ。
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