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エッセイその98. 人魚の謎(下)泳ぎ方編


人魚についての思いを暑苦しく語る後半です。


人魚姫と言えば、ハンス・クリスチャン・アンデルセン。
その故郷、デンマークのコペンハーゲンに、
世界的に有名な人魚姫の像があります。

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写真を見るとわかるように、アマビエ様のように、
海からザバザバ出てきたばかりのようです。

原作では
「魚の半身と声を失くし、代わりに得た人間の足では、
一歩ごとに針かナイフの上を歩くような痛み」
を感じるのですが、
この像はまだ、尾ひれ的に見えるようなものもあり、変身途中のようです。

この、横座りの像のイメージが、世界中の人の脳裏に激しく打ち込まれている🔥
・・のでしょうか。

人魚が座るときは、多くは貝殻や岩に横座りか、腰掛けている。
で、髪を櫛削ったり、船乗りを魅惑して海に引き摺り込んだりしている。

絵や映像の人魚の半身は、コスチュームで魚であっても、
動作や姿勢は人間です。
人間の骨盤・大腿骨・膝関節・脛骨・足首があっての
それなりの形と動きになっています。

もし、本当に魚の下半身にしようとすれば、泳ぎ方は、魚と同じく、
「体が縦に平たく、左右に体を振る泳ぎ」
になるはずですし、また、岩の上に座っても、
魚屋さんに並んだ魚のように、平たく横たわるしかないのです。
それでは、絵画や映像にはなりませんね。

アンデルセンの人魚姫は人間になったので、陸上で、
正座でもあぐらでも横座りでもできるようになったので、
この像の通りでいいのです。

でも私は小さい時からなんとなく、
人魚の半身が、ちゃんと魚でなくていいんだろうかと思っていました。

絵や映像で見る人魚たちは、ウエストから下の中身は脚であって、
泳ぐ時だって、腰骨や腿、膝、足首駆使したバタフライ式です。
これは、上下動であり、左右に尾ひれを振って進んではいません。

今やCGで どのような人魚も作れるのですが、そうならない理由は、
人間の体は、横に平たいですが、魚は縦に平たい。
よって、上半身と下半身をうまくつなげることが、
どうしてもできないので、無理はしないことにしているのではないでしょうか。




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ディズニーランドのマーメイド・ラグーンで
アリエルになっている白人のお姉さんも(日本語を口パク)、
劇団四季で同じ役をやっている日本人の女優さんも、
皆、背筋・腹筋を鍛え、胴体の力だけで軽々と宙返りしたり、
泳ぐ演技の時は、バタフライ型で力強く泳ぐ動きを見せてくれています。
それはそれは見事なものです。

しかし、劇団四季の、海中の人魚姫は、水の力で髪がまっすぐ上になっている様子を現したウィッグをつけていますが、頭をかしげると、とがったまま髪もかしいでしまうのがちょっとだけ惜しいです。」

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ほっといてと言われそう。



下が、よくある人魚の姿です。
左上から時計回りに
普通にマーメイドドレスを着て座ってます。お尻で座っています。
〜 次、なんなら体育座り。
〜あと、こうするしかないけど、普通に人間がバタフライ。 

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次ですが、私のイメージに一番近い、まあまあ不自然ではない人魚たちです。

1枚目、典拠がわからないのですが、ロセッティでしょうか。

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また、昨日のトップ写真でもありますが、これもいいですね。

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人体が横方向に平たく、魚は縦方向に平たいという、動かし難い事実。

🔥宿命的に、繋ごうとしても繋ぎ得ない部分をどうするか🔥

この永遠の課題を、画家たちは人魚のウエストから下を、
「鰻または海蛇型」にすることで解決しようとしています。
輪切りにしたら横に楕円形の人体のウエストと、
普通の魚類よりは断面が丸っこい魚や爬虫類を持ってきて
不自然のないようにつなげています。
見事なものです。

両人魚も、可愛いというよりはちょっと怖くて、
魚ではできない魚体のくねらせ方を示しているのも、自然のなりゆきでしょう。

人魚は歌声で船乗りを幻惑したりして、海に引き込んだりするのがお仕事ですので、このぐらいでいいかとも思われます。



もう少しありました。



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蛇っぽくなるのは同じです。胴の丸い魚が少ないからです。
右下、コスチュームの中身が人間でも、
ピンとつっぱっているのは素晴らしいですね。
私と同じお考えのかたなのかもしれません。



ハゼやムツゴロウ、六角などを採用すれば かなりいい感じになるでしょうが、
それだとお顔が不細工になりそうで、都合が悪いです。

上段 ムツゴロウ、下左 ハゼ、右 六角

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それから、旧弊の人魚像にぎりぎり陥っていないが、
完全ではないですが、普通よりは頑張っている例が、下の絵です。

「人魚の半身は人間が入ってるけど、しょうがない」

という、従来の考えに抗しています。


魚体部分の平らさが足りないのは、これは仕方ないことでしょう。

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これは谷崎潤一郎の「人魚の嘆き」。持っていたので懐かしいです。

中公文庫でした。


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淡水魚ではありますが、鯉などは、鯉こくの切り口を見てわかるように、かなり太くて丸いですから、なんとか人魚の半身をやってもらえないかと思っています。

鯉と・・

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鯉こく

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これだけ書いてしまったので、鯉こくが鯉こくに見えなくなりました。
同感のみなさま、すみません。


すごく時間のかかった記事となりました。
人魚については、以上です。

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