エッセイ219.職業病なので・・
母の前倒しの四十九日のため、昨日から上京しています。
次女のアパートは、夫と住み、子育てをした懐かしい場所にあります。
変わってしまったお店も、まだあるお店も、何を見ても楽しいです。
さて、私はこのごろデジタルデトックスが割とうまく行っています。
積読本が1冊ずつ減っていって、いい感じです。
行きの新幹線では、それまでに半分読んでいた本を車内で読み終わりました。
大好きな作家の作品で、とても感動し、大満足しました。
でも、職業病なので仕方がないのですが、プロの作家の(作家はプロなのか🤔)文章の中で、あ、と思うところがあると、読む進むのを難しく感じることがあります。
それは、誰も気にしないようなところです。
言葉遣いというのは個々人のものですし・・。
でも、浅利を食べていて、残っていた砂をガリっと噛んでしまったときのような心地のする部分はこの作品にもありました。
それは「トマトを細切りにして」というものでした。
細切りにできるのは、マッチの軸のような太さと長さで食べられるようなもので、そういうふうにするのが普通のものかと思います。
メンマや、冷やし中華のハムに胡瓜に錦糸卵。
そういったものではないかしら。
一方、一つ、二つ、と数える物体は、3Dです。
ある程度のボリュームがあり、薄いもの、平たいものに、一個二個、
一つ二つ、は使いません。
ボール、シャワールーム、アポロチョコレート。
トマト。
トマトを切るときに、まずスライスしてから平たく寝かせて、
端から幅の細いマッチの軸状に切っていくのなら、
細切りでもいいかなと感じます。
でも、トマトの細切りの形を想像すると、あまりお皿に出てこない形のように思えてしまう。
トマトをまな板において、いきなり、「細切り」は辛い。
トマトは。
トマトは、スライス、薄切りに、半月に、櫛形に、
切ると書いてほしい気がする。
そこで本当に私は、車窓から外を遠い目で見てしまい、ページをめくる手が停まってしまうのです。
細かいこと、気にしすぎですよね。
でも気になる。
あと、板チョコを、二つに折る、というのもありました。
折るのは、長いものです。
枝・鉛筆・脚・腕。
苦労して折るのは、「骨」・・「骨を折って開業に漕ぎ着けた」とか。
割るものは、薄く、大抵は人力で割れます。
鏡、おせんべい、樽酒の蓋(これは木槌が必要)。
だから、主人公には、チョコレートは、
二つに折るのではなくて、二つに割ってほしいの私。
この本、最後はいつものように涙目になって読み終わったのに・・。
言葉の使い方や感情の表現が素晴らしく、いつも感動してしまう大好きな作家なのに・・。
こういうことで興醒めしてしまうのがやっぱり、何箇所かはあります。
この因果な性格、どうにかしたい・・。
新聞記事でもありました。
「被災者は熱いうどんをほおばり・・」
頬張る。
頬が、詰め込んだ食べ物で内側から張るのです。
勢いよく、嬉しく、がぶっと。
あるいは一口目がまだ口にあるうちに、次を食べるので、
お口の中が一杯になる。
パン、お芋、カツ丼、ピザ。かな?
頬張ったら、「もぐもぐ」と食べる気がする。
うどんは、今はあまり言いたくないかもしれないけど、「すする」?
熱いうどんを頬張ってしまうと、空気と共に啜り込む感じがないし、
第一、熱くて危ないと思う。
メジャー新聞の記者がこれではいけないと思う。
新人なのか。
先輩は直してくれなかったのか。
・・などと考えが飛んでしまい、またぼんやり考えてしまいます。
ええい、うるさいよ自分。
翻訳の方はもっと辛いです。
昔読んだ本に、
翻訳家は、原作を読むのを楽しみ、
母語を読むのと同じスピードで読める力がなければならない。
また、自分が文学作品を書けるほどの文章力と想像力がなければいけない。
というものがありました。
うろ覚えですが。
だから、翻訳の文章にもなにか、期待過多になっていると思います。
私など、辞書なくスピード出して読むなどはできませんので、
翻訳にすごくお世話になっているのに、たまに明らかな誤訳がありますと、そこで一旦、気持ちが下がってしまいます。(偉そうですみません)
それから、直訳すぎて、日本語としては呑み込みにくいものもたくさんあります。
以前は本屋さんで立ち読みをしてから本を買ったので、自分に合わないなと思うと買わないということができました。今は新聞の書評などを見て、Amazonで注文することが増えたので、数ページで、合わなくて、諦めてしまうことが増えました。
せっかく時間もできてきたし、一人の時間を充実させるべき年代に、とっくになっています。本なども本屋さんでじっくり立ち読みしてから買いたいと思います。今は、隣接したカフェで買う前の本も読めますから、便利になりましたね。
以上、自分でも困っている厄介な性格についてでした。
サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。