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日本語教師日記146.画面が明るくなって


コロナもまた増えてきて4回目、5回目のワクチンについて、悩ましく思っている人にもよく会います。

私もとうとう、日本語授業は全てオンラインになってしまいましたが、コロナが本当に収まれば、また外で教えたいと言う希望は捨てていません。

さて、紹介サイトや、生徒からの直接の紹介によって、少しずつですが生徒は増えていきます。不思議なことに、一人やめると二人、二人やめると一人増えるということを繰り返していて、生徒数はいつもほとんど変わりません。

新しく始めてくれるという生徒との初回レッスン、またはデモレッスンの前には、どのツールで「会う」かを決めます。
私は今スカイプを使っていませんので、相手の希望に合わせ、zoomかMEETになることが多いです。

初めての時は、私も少し緊張します。
約束の時間になり、こちらからコールしますと、暗い画面の向こうにかすかな音が聞こえてきて、あ、もう繋がる・・・というときは、口角を上げて、さあ行こう、という気持ちになります。

いつも面白いと思うのは、初回の前の打ち合わせの際に、emailを使いますが、そこにプロフィール写真がついている人がいます。それを見て想像していたのと、実際に現れてくる人の雰囲気や風貌が違うことが結構多いです。

国籍により、お名前から性別を判断することができないことがありますが、そんな時は、女性だと思っていたら男性、その逆もあります。人間がどんなに、少ない情報からイメージを持ってしまうかということなのでしょう。

話し始めると、どんな人かはすぐわかります。
声が小さかったり、恥ずかしがり屋さんのようであったり、自分からどんどん質問や希望が出ると言うよりは、訊かれれば答えてくれる、と言う人の場合。話し方を、こちらが自然に合わせています。ぐいぐい行って、怖がらせてしまったら申し訳ないからです。

相手が子供生徒なら、なるべく明るくを心がけ、興味のありそうなことを話していったりします。

「崖の上のポニョが好きなの? 私も好きですよ。でも、ポニョのお母さん、大きすぎて怖いですよね」

などと。

背景をぼかしている人、素敵な背景を背負っている人はよくいます。窓の多いビルの上層のカフェらしき写真を使う人とは、同じフロアにいるような錯覚を持ちます。

お家にいる人たちの背景は、ダイニングキッチンで、私と同じ調理器具が見えたり、自宅の地下室のジムで、エクササイズマシーンが見えたりして、ときには見えている物の話になったります。

インスタントポットがなかったらもう料理できませんね。

先生も?

とか、

エクササイズしていて、偉いですね。

いいえ、全然やっていません。
買って後悔しています。

などと。

遠い国にいる人のお家の中に入り込むような気もするオンラインレッスン。

この仕事を始めた時には、想像もできないことになっていたのですね。


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