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エッセイ225.いわゆるハーフは得をするのかという件(1)どう呼ぶか

いわゆるなどと、歯切れの悪い書き方をするのは、
「ハーフ」という問題提起型の映画ができたように、
外国人同士の結婚で生まれた子供たちを日本では「ハーフ」と表現し、
それが、爽やかでない使われ方をしてきた歴史があるからです。

私は結婚を反対されてほぼ勘当され、挙式にも親は来ませんでしたが、
結婚するからと親に言ったときに、まず最初に言われたのは、

お前たちが結婚するのは勝手だが、子供は、本人が不憫なので作るな。

でした。
えぐい。

まあこの人、むかーしむかしに生まれて、戦争と占領軍を経験した年よりなので、仕方ないと言えば言えますが、そのとき私は、

ふむ。
父よ よく言った。

(皮肉な意味で)

と思って、人生で何回目かでしたけれども、
この人とはもう、「無いな」と思ったのでした。

ちなみにその返事はですね、

「アドバイスをありがとう。でもこれは、私と夫が決めることなんで。じゃ!」

でした。

じゃ、で、スタコラ逃げました。

(これは、言えば、
「逃げていく先ができたいじめられっ子が、ちょっと試しに言ってみた」
という感がありました!
まだまだ腰が引けてましたもん😂)


さて私は、
「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んで大好きになり、
自分では珍しいですが、何度も読み返しました。


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とても面白く、共感を覚え、私もこの著者のように毅然とできていたらなぁ、
と思いました。
で、思ったのですが、この本に出てくる彼が、
「ぼくはイエローであり、ホワイトでも」あるという自覚があり、そこにいささかのブルーが混じるのは当然としても、
「そこが日本でないために」、かなり、
日本で「ハーフ稼業」をやっている子供たち(うちの猿シスターズとか)
・・と比べると、大きい違いがありますね。

「ハーフ」という言葉に、「全体のうちの半分だけ、なになにである」
というネガティブ感を感じて、嫌がる人たちはとても多いです。
当たり前ですよね。
でもまだまだ、言葉としては、定着しているのはハーフかなぁ。

かといって、「ミックス」は?
うちの夫に「国際結婚にあたる英語はないよね?」
と言ったら、

「ないです」

即答でした。

じゃあ?

「結婚です、結婚」

ニュージーランドほど外国人や移民を受け入れている国はなかなかなく、
誰のお父さんはなにじんで、お母さんは、なにじんだけれど、
国籍は何と何を持っていて・・
なんて、いちいち言うのを、聞いたことはないです。
NZには結構毎年、長い間帰省で滞在してきましたけれども。

この質問ですが、「ミックスキッズ」と言う言葉を聞くようになったため、
(もしかすると私の周辺だけかもしれませんが、・・)

近頃、
(外国人同士の結婚は「ミックス・マリッジ」と言ったりするのかな)
と思って訊いてみたのです。
でも、そういうこ言い方は、訊いたことがないそうです。

「ハーフ」は、嫌な人が、はっきりたくさんいるのですから、
ミックスキッズと、これから私もどんどん言った方がいいのかもしれませんが、なかなか言い慣れませんので、実行できてはいません。

さて、我が家の娘たちですが、長女は私に顔はそっくりで性格は全然違い、次女の方はカーリーというより、コイリーな髪と、骨格肌質などは、夫の方に似ています。でも次女の方も、普通に日本人顔だと思います。
夫の先祖はアイルランドから渡ってきたアイルランド人だそうですが。

日本人的な風貌の長女、言われてよくみれば、
多少は西欧人の特徴のある次女ですが、
名前をフルで言わない限り、まず、ミックスと分かられることは、ないです。

名前は、日本国籍を持っている日本人である私が「世帯主」の戸籍があり、
娘らはその戸籍に入っていますので、苗字は私と同じです。

で、ファーストネームの方に、
父親の方の苗字をカタカナにしてつけてあります。

ご存じの方も多いとは思いますが、結婚によって新たに戸籍を作る場合、
親の戸籍から出て行って、二人で新しく戸籍を作るわけで、その際、
世帯の名前は夫と妻のどちらの苗字でもいいわけですが、
外国籍であって、帰化はしていないうちの夫は、
そもそも、「出てくるところのもともとの日本戸籍」がないですから、
私と一緒になっても、自分の、「日本の戸籍」は作れません。
我が家の戸籍がどうなっているかというと、なんか端っこの方に、
「この世帯主(私)は、日本の婚姻法とニュージーランド国の婚姻法により、ニュージーランド人のこの人と、結婚してまーす」
みたいなことが書いてあります。

住民票は、わざわざ、「実質的な世帯主はこっちです」とつけてくださいと言わないと、夫は全然登場しません。
当然、お父さんの苗字が、家族の名前につきませんから、うちみたいに、「父親のルーツもどこから表したいよね」となると、どうするかというと、ファーストネームの下に、つけます。
今はどうなんだろう、法律は変わりますからね。
私たちのときはそうでした。

で、長女の時に、日本の名前とカタカタの間に、中グロ、「・」を書いて出したら、

日本ではミドルネームがないので、「・」はつけられません。

と言われました。

なので、たとえばですけれども、「青山・緑・チャーチル」と、3つに分かれているように見えても、
実際には、「緑チャーチル」という、長いものがファーストネームになります。

へ〜知らなかった。
外人さんと結婚したら、自動的に旦那さんの名前に変わるのかと思っていた。

と言われることが、最初の頃、とても多かったです。


さて、いわゆるハーフは得をするのかどうか、という話は次回へ譲りますが、
長女の方ですが、英語の発音が次女より良いようです。
一人っ子状態のときに父親が主夫をしていて、授乳からなにからやりまして、
英語にどっぷりという年月が次女より、ずっと長かったからです。
彼女は大きくなってから外国人向けのAirB&Bでアルバイトをし、
今も観光地のホテルでフロント、次に予約課で働いていますので、
家にいた頃よりは、語彙や表現も増え、まだまだもうちょっと何とかなりそうです。発音はどんどんアメリカンに傾いていますが、「どこの人? オーストラリア?」と訊かれることが多いそうです。キウイアクセントがあるからです。これは次女の方も同じです。

その次女は今、顧客の95%が英語圏の人である職場にいますが、こっちも英語はまだ伸びるのかもしれませんね。家にいるときより余程たくさん喋っていますから。
つまりハーフであっても、英語で「漬け」にされている時間数が、結局ものを言うようですね。

ちなみに、二人とも大きくなったのは名古屋なので、
名古屋弁を知らない京都や東京の人から、「大阪の人?」
と言われることがあるそうです。

二人とも就職してからずっとマスクをして働いていますから、名札を見られて、

あっ、ハーフなんだ。知らなかった。

と言われることがよくあるそうです。

それが吉と出るか凶と出るかは、年齢によってずいぶん違っていたと言う話は、また次回に続きます。


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