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日本語教師日記135.生徒がご近所さん


宣教師をしている生徒が、「愛知県に引っ越すかもしれません」
と言いますので、どこどこ?と訊いてみましたら、近所でした。

え〜、あそこの教会ね?
いいですよ〜この〇〇区は。
自転車で5分でもう、鉄塔の下に田んぼが広がる田舎ですし。
子育てにはいいですよ、のんびりしていて。
車は? 持って来るのですね?
もうね、車ですぐのN進市まで行ったら、大型店舗がいっぱいあって、
駐車場も無料だし、東京とは全然違いますよ。
西松屋・・あ、西松屋知らないか、子供服の大型店ね、それがあるし。
免許更新するのも近いし。
平針の試験場っていうのですが、建て直して綺麗になったし。

「そうですか。では、オンラインじゃなくて、
先生の家で対面レッスンお願いしてもいいですか?」

いいですよ、教室は引き払っちゃったけど。


・・・楽しみに待っていたのですが、残念ながら彼の赴任地は別の県になってしまいました。
でもそこが魚の美味しい観光地で・・😆

絶対行くから、近江町市場で魚の歩き食べしましょうね! 🐟🐙🦑

「しましょうしましょう」

・・・ということになっています。


次行きましょう。


Mさんは、東京ではどこに住んでいたのですか?

ーー先生はご存じではないと思います。マイナーな区ですから。

そうですか。でも、教えてください。

ーー江戸川区です。
最寄駅は船堀という駅で、駅の目の前のアパートに住んでいました。

・・・TOKIビルに?

ーーえっ、先生はご存じですか、トキビルを。

知っています。実家の最寄駅が船堀なので。毎日使う駅でした。

ーーえ〜、では、ミスター・ドーナツはまだありますか?

ありますよ! じゃ、次にMさんが日本に来るときは、ミスター・ドーナツで待ち合わせしましょ! ポンデリング、おごりますよ。

ーーはい、よろしくお願いします。

ポンデリング、おいしいですよね。

ーーおいしいですよね! ああ食べたい。

サンフランシスコにないですか?

ーーないですね!



近かった〜・・・



昨日は、遠くアルゼンチン在住の、新しい人のトライアルレッスン。

10年前に南山大学と、愛知淑徳大学に留学していたと言います。

ーーでも、住んでいたのは〇〇区の△△というところでした。

「何丁目?」

ーー2丁目です。セブンイレブンの近くの。

「バッケン・ジジ(パン屋さん)の近く?」

えっ、そうですけど、なぜ知っていますか?

「私の家からあなたの住んでいたところまで、自転車で1分ですので」

ええ〜!

「2013年までいらしたんですよね?  
2年間ぐらいは、わたしたち、ご近所さんでしたよ」

そうですね!  びっくりしました。

「坂の下のピアゴは、古かったでしょう」

はい、古かったです。

「あれからすぐ建て直しました.今は綺麗で大きいです」

そうですか!

「坂の反対側のスーパー・ナフコはですね」

はい、今もありますか?

「今はFEELになってしまいました」

FEELは知らないです。
あの、先生は、○○スポーツセンターには行ったことがありますか?

「はい、泳げないけど、水中ウォークによく行ってました」

私もよく泳ぎました。

「じゃあ、水中ですれ違っていたかもしれませんね!」


・・ここまでご近所さんだったことは、長く教えていますが、初めてです。


もう一つ、思い出しました。
大阪で地下鉄に乗っていましたが、毎週会っているMくんに、非常によく似ている人が、目の前に座っていました。
本人と言っていいのですが、案外3Dで見ると、似ているけれども違うかなと思うような部分もありました。

私が目を挙げてチラッと見ると、相手はそっぽを向いている。
判断できない・・・🤔
私が目を逸らしてから前を見ると、彼も私をチラッと見たばかり。
悩む・・・。🙄


一緒にいた次女に、

「おかんの生徒さんに酷似した人が、今、目の前にいるんだけど、どうしよう」

と言いましたら、

「おかん、声かけやぁ」

と言うのですが、内弁慶の私(本当です)・・・

「あいや・・人違いだったら恥ずかしいし・・」

などと言っているうちに、そのMくんにそっくりな人は、心斎橋で降りてしまいました。

私は、

「あ〜あ・・」と思いながら、当時はガラケーですね、それを取り出して、

『まさかとは思うけど、今、心斎橋で降りました?』

と、M君にメールをしました。

即刻来た返事は、

「降りました! ぼくも、先生かなと思ったけど、自信がなくて声かけられませんでした!」

え〜、声かけてくれたらよかったのに。

「先生こそ!
でも僕は、先生から声をかけてこないということは、
すごく似た他人なのだろうと思いました」

あ、同じ!
私も、Mくんにすごくよく似た他人だと思いました。
お互いシャイですよね〜。

「シャイですよね〜」

いえ、全然シャイではありません、勇気がないだけ。


生徒の家に遊びに行ったら、5年ぐらいの間に教えた人たちが3人集まってくれてもてなしてくれた、なんていうこともありますした。
ちょうど4年前の今日のことでした。
(Facebookが、この日のあなた、って写真を見せてきますよね)

元気で生きていれば、この先もいろんなテクノロジーやなんやらで、
遠く離れた人と、ご近所のように交流があるでしょう。


いい時代に生まれたものじゃて・・・・
tamadocaばあさんは、遠い目をするのでした。


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