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日本語教師日記136.まさかのCookDo

 お肉の国、アルゼンチンに住む料理大好きな生徒が嘆きました。

先生、こちらのお肉は、日本のように繊細な切り方ではありません。
唐揚げ用の鶏肉ぐらいなら自分で切りますが、
しゃぶしゃぶをしたいときなんかは、プレミアム・ブッチャー(肉屋さん)に頼んで、店頭でスライスしてもらわなければならず、高くついてしまいます。

彼女は日本から持って帰った大きな土鍋を持っていて、
しゃぶしゃぶも水炊きもするのだそうです。
ポン酢もごまだれも、自分で作りますが、
きのこがあまり手に入らないのが辛いそうです。

「きのこはいい味が出ますから、先生」

と言うのには感心しました。

肉の切り方といえば私もだいぶ前、
NZで名古屋名物手羽先を義母に食べてもらいたくて、
それらしく見える鶏肉の大型パックをスーパーで買ってきて、びっくりしたことがあります。
鶏さんの腕の付け根か手羽先まで、まず、全体でどかんと入っていたのです。
パッケージが大きいなと思っていたら、脚も入っていました。ドラムスティックというのは、ここにこうしてついていたのか。そしてこれは、チューリップとかにする部分? これは・・手羽中に・・手羽元っていうのかな、で、手羽先?
思わず両手に持って、羽ばたくときはこうかいな、と動かしていたら、夫に

「気持ち悪いのでやめて!」

と言われてしまいました。

私はこの生徒さんに、

それすごくわかります。
日本では逆に、塊のお肉はあまり売っていないし、
売っていてもとても高いです。
ローストビーフをやろうと思って決心してスーパーに行って、
高いので、また今度、と帰ってきたりします。
私などは、豚肉はたいてい、とんこまです。

と言いました。

この人は、みりんや出汁を使いこなして和食を作る人で、
将来は日本レストランをやりたいというのが望みだそうです。

「アルゼンチンは肉が安いでしょうが、切るのに苦労しそうですね。
例えば日本人も大好きな中華ですけど、
マッチ棒みたいな形に切った豚肉でやりたいものもありますよね」

「そうそう、青椒肉絲ね、先生!
私は、日本に住んでいたときはズルをして、
CookDoを使っていました。
こっちにはないので、あの味を出そうとして苦労しています」

この人は上級者ですので、これから料理で使う日本語を勉強することになっています。

茹でる と 湯がく

霜降りにする

灰汁あく掬うすく

えぐみ・雑味・・

ちょっと勉強しないと、なかなかわかるようには教えられなそうです。

昨日はいいことを聞きました。

鳥の唐揚げは大量の油ができて、濾して使うのも大変で、
だんだんやらなくなってしまったと話したら、
油が濁らない方法を教えてもらいました。

うまくできたらシェアしますが、忘れないうちに書いておきます。

鶏肉はももでも胸でもいいですが、同じ大きさに小さめに切ります。
醤油・みりん・酒・塩胡椒・おろし生姜とおろしニンニク、ナツメグ、
そこにコーンスターチ(片栗粉ではなくて)を混ぜた中に12時間つけます。
コーンスターチを入れることで、薄すぎず、濃すぎない下味がつくそうです。
浸け終わったら、米粉2:片栗粉1(今度は片栗粉)の配分の粉を、
揉み込むのではなくて、箸で一つずつ鶏肉をつまんで、全体につけ、
シリコンの表面など、くっつきにくいものに並べて、1時間置きます。
特に粉をはたいたりしなくて良いそうです。
それで、鶏肉の高さの半分になる少量の油をフライパンに入れ、
片面ずつ、色づくまで揚げるそうです。
これだと、油が濁らず、きれいなままでできるのだそうです。

書いているだけで「今晩は唐揚げ!」という気持ちになりました。

成功したかどうか、またご報告しますね。


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