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Foodies! 64 急にできなくなったこと(1)

とても不思議なのですが、今までできていたことが急にできなくなったという経験がいくつかあります。

今日はそんなお話を。

私は一時期、鍋でご飯を炊くということに憧れて炊飯器をしまいこみ、いろいろな鍋でご飯を炊いていました。深いフライパンや、ル・クルーゼでやってみると炊き上がるのが速いし、ちょっと美味しくなるような気がしました。

30分から1時間水に浸し、とか、米をザルに上げて・・・とかいろいろ、レシピを見ながらやっていましたが、要するに沸騰するまで強火、そのあと中火にして、パチパチ音が聞こえたら弱火で10分、そのあと10分ぐらい蓋を開けないで蒸らす、ということで、簡単にできました。毎日そうやって2合ずつご飯を炊いていました。一番大きなル・クルーゼ26cmで五合ぐらい炊くと特に美味しい気がして、ご飯のパックを作って冷凍していました。
ところが、名古屋に引っ越してきて、急にこれができなくなったのです。失敗続きです。芯が残る、糊のようにべったりして粒がつぶれている、このどちらかでした。水加減や浸す時間、火加減などをいろいろ変えてみてもどうしてもできません。次こそはと思って、三合・四合と炊いてしまうため、失敗したご飯が大量にでき、家族には炊飯器で炊いたご飯を出し、自分は小分けにして冷凍した失敗ご飯をお粥にして食べたりしました。

夫に相談すると、
「名古屋の気圧が東京と違うのでは」
「我が家は山の中腹にあるので、気圧が下界と違うのではないか」
と言いました。
ちなみに、彼はふざけていたわけではなく、
「今まで普通にできていた炊飯ができなくなった理由」の一つとして、
ものすごく可能性は低くても、「気圧」を挙げたわけでした。
でもそのときまでに、あまり食べたくない、失敗ご飯由来のお粥やおじやばかり食べていて気が立っていた私は、
「そういうのは、アンデスみたいな高地で、水の沸点がどうのとか、気圧のために米が炊けないとかいう、そういうアルピニストの世界じゃない?  麓と我が家の標高差って、30mぐらいじゃないの?  なに言ってるの?」
みたいな暴言を吐きました。
ひどいですね。
その後すっかり、鍋の炊飯を諦めて炊飯器を引っ張り出し、ずっとお世話になっていましたが、最近ふと、フライパンで炊くご飯というレシピを見かけて、何気なくやってみたら、すごく美味しくできました。
名古屋の水で、名古屋の気圧(?)で。
できるようになってみると、できなかった時代が不思議で、思い出しても信じられません。
あれはなんだったのでしょうか。

次は、パン。長い間、すごくうまく行っていたのが、このごろ、何をしてもだめ、ということが進行中です。
Youtubeでみつけた、こねない白いふわふわパンというのにはまりました。タッパで合わせた材料を、カードというやつでたった2分ぐらいまぜ、まあ二次発酵までするので面倒かといえば面倒なのですが、それでも「うそっ! お店で買ったみたい!」という感じにできました。この暑い夏中、6個焼いてはすぐなくなり、また6個、と、レシピを見なくてもできるようになっていたのです。
それが、ある日を境に、何をしてもふくらまなくなりました。一次発酵も二次発酵も膨らまないでもとの大きさのまま、それでも焼いてみると、全くふわふわ感がなく、押してもへこみません。切ってみるとその中は、長野名物「お焼き」のような、みっちり、もちもちした硬いものなのでした。足し焼きをしても解決しません。「やさいの日」さんのこのレシピには、「膨らまない時の解決法」もついていますので、今度よく読んで、前のようにふっくらパンを作りたいです。
これも、ふくらまなくなった理由がとても知りたいです。

水耕野菜も、何をどうしてもだめなときがあります。前は放っておいても困るぐらいに育っていたのが、今度はちぢかんだままだとか、そういうことです。
暑さが原因の時は、季節が変わるだけでびっくりするぐらい大きくなったりします。
また、日光不足であることをよく理解しないでいると、室内で徒長というのをします。日光に精一杯手を伸ばすようにして、ひょろひょろに伸びます。
あるいは、日光の当て過ぎで大葉が硬くなる。
あるいは、一年草であるのを知らず、越冬させようとしていた。
去年はできていたのに、今年は全くだめ、ということのあるのが、私の野菜作りです。本当は経験を重ねて学んでいくべきところ、園芸店で面白そうな種を見つけるとつい手を出し、失敗からも学びませんので、だんだん上手になるということがありません。いつも行き当たりばったりで、「急にできなくなった」ということが多いのが野菜作りです。

これだけでは悲しすぎますので、最後は原因がわかった話です。
ここ数年、ケーキが膨らみませんでした。どのぐらい膨らまないかというと、高さ15センチぐらいになっていいものが、2センチとか、極端にぺちゃんこに焼き上がることが結構多かったです。これも、型・粉・焼く温度・メレンゲの硬さなど、考えつく限りのことをやってみたけれど、うまくいきませんでした。そしたらこの前、自分のバースデーケーキを焼こうとしていて、「あっ、砂糖?」と閃いたのです。我が家は、ゆる糖質制限をしていて、羅漢果(らかんか)由来の自然派のエリストール甘味料を使っています。味はまあまあ、普通です。しかし、それは普通の砂糖と何かが違っていて、たとえば、紅茶キノコ(コンブチャと海外で呼ばれる)は、お砂糖を入れたお茶で培養するのですが、この甘味料を使うと全然育ちません。もしかして、ケーキが膨らまないのもそのせい?? そう思って、グラニュー糖を使ってみたら、泡立て器で混ぜている段階からすでに、「もったり具合」「手応え」・・なんていうのでしょう、「今、ケーキを作っています感」が、半端ではなかった。

で、20センチの型いっぱいに膨らみ、逆さまにして冷ました後も、しゅ〜んと萎むこともありませんでした。そうか砂糖だったか。

いまだにふくらまない白いパンも、長い間鍋では炊けなかったご飯も、私が見逃していた何かの原因で、きっと膨らまないのでしょう。それが何か知るために、「やさいの日」さんのYoutubeへまた、遊びに行ってみようと思っています。

長いのを読んでくださり、ありがとうございました。


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二十日大根、ここまで盛り上がると食べどきみたいです。辛くておいしいです。

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ベビーリーフもりもりです。

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