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エッセイその1. 味覚異常というもの

2020年7月26日の東京のコロナウイルス感染者は131人でした。

東京オリンピック延期決定や、東京都知事選の前後は、とても不自然な感染者数の揃い方、上下のしかた。実際に操作しているかどうかはさておいて、今一つ、なにも信じられない。それが、ストレスをいやましているように思えますね。

さて、この新型コロナウイルスの嫌らしいところは、
無症状であっても、人には感染させてしまえるところと、
最近よく言われています、肺の障害、味覚障害が残りやすいということです。

そのうち、私が体験したことのある、味覚喪失についてお話しします。


それが起きたのは、今から20年ほど前です。

最初に気づいたのが、友達とおにぎりを交換して食べていて、
舌触れるおにぎりが、とても つるつるしていると感じたときです。
私はおにぎりを作った友達に、

これ、新米?

と訊きましたが、そんなことはありませんでした。

その次に、食後に、ライフセーバーという、
浮き袋型で刻み目のあるキャンディーを食べたところ、
なんだか味がしないなぁと思い、
確かめるように慎重にじっくり舐めてみたのですが、
どんどん酸っぱさも甘さもわからなくなりました。
そして、一つ目が終わる頃には、昔の丸いカーテンリングが
舌の上に載っている感じになっていました。

その日のうちに近くの耳鼻咽喉科で診てもらいましたが、お医者さんが

ゼツの病気は原因がわからないことが多いんだよね。

と言いながら、背後の本棚に手を伸ばして、
パラパラとページをめくったのにショックを受けました。
今、本見るの? って・・・。

少しして、クリスマスが近かったので、一家で近くのトイザラスに行きました。
そのときには、ほぼ、味がわからなくなっていましたが、
レジ外の自販機で、子供たちが食べたがったアイスを一緒に食べました。
すると、冷たいこと、ぬるっとしていることはわかりますが
冷たくてぬるっとしているだけで、甘いもしょっぱいも、なにもない、
ということしかわからなくなっていて、とても焦りました。

覚えているのは、味がないと、口は触感しかわからないんだな、と思ったことです。

トーストは、ざらっとして、温かい、食べられる厚紙みたい。

ケチャップは、なんだか冷たいばかり。
うっかり手の甲に冷たく落ちたとき、
口の中で感じるのも、手の甲で感じるのも「冷たい感じ」だけだった。

あれは焦りました。

もともと、料理はあまり計量したり、レシピは見ない方なのですが、
味がわかりませんので、親子丼一つ作るにも、
しょうゆ小さじ2、みりん大さじ1・・
というふうに全部計らないと作れなくなりました。

このまま一生味がわからなかったらどうしよう、

と思って落ち込んだのを覚えています。

味覚がなくなってから1週間で顔面麻痺が来て、
どうもそれは、風邪の菌が顔面神経に入り込んだためらしい、
ということを、後で言われたのですが、
1日かけて顔の半分が全く動かなくなったその晩、
動けないぐらいお腹が痛くなり、救急搬送で入院しました。

味覚異常は耳鼻科の点滴で5日ぐらいで回復し、
お腹の痛かったのは原因不明でしたが、3日間の絶飲食で治り
退院時に治っていなかったのは、顔面麻痺でした。
これは、退院後すぐに鍼灸で鍼を打ってもらい、一回で治りました。


余談になってしまいますが…
その後10年ぐらい、体調は常に悪かったです。
今は、股関節と膝関節で整体に通っています。

私は今では、産後に無理をしたからだろうなと思っています。

多分、体力に任せてすぐに動いてしまったのが、
年をとってから響いてきたのではなかろうかと。
今からご出産の皆さんには、床上げまでゆっくりお休みすることを勧めます。
意外と動けちゃったりはするのですが、それをしては本当にいけないんです。

今は、里帰り出産をしない人も、結構いるのだそうです。

生鮮食料品も日常雑貨も、
なんでもAmazonや生協で事足りるとのことで。

実母というのはね、行っても、来てもらっても、
なかなか衝突が多いそうです。
私はしなかったのでわかりませんが・・・。


まあ、それはともかくとして、怖いでしょう?

顔面麻痺もすごく治りにくいものですが、
味覚麻痺というのは、本当に困ってしまいます。
食べ物を作る楽しみも、食べる楽しみも、なくなってしまうのです。

もう、二度とは嫌ですね!!! 😩


そんなことにならないよう、
コロナウイルス感染には、ますます気をつけていきましょう。

サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。