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エッセイ278.行きはよいよい(上)

ドラマ「フレンズ」で、チャンドラーがどうしても、どうしても、スポーツクラブをやめられず、ジョーイに付き添われて退会手続きに行くのだけれど、引き止められてやはりやめられなかった、というエピソードがあります。

行きは良いよい帰りは怖い・・。入るのは簡単でも、抜けるのはなかなか大変ですよね。

私はクレジットカードはよく使いますが、利用明細をじっくり見ていると、ときどき、「ナニコレ?」・・・記憶のない引き落としがあります。
そうなっても、そこで明らかにしないため、ずるずると、500円内外を毎月、払っていることがあって、本当によくないですね。

だらしないことですが、私の場合は何かに入会や契約、お試しをしておいて忘れてしまうのです。
クレジットカードの利用明細を見ても、日付や「Amazon提携」としかなくて、よくわからない。
最近意を決して、そういうけしからん、小さい出費を狩り立てました。
その中には、無料期間が終わる前に解約しなかったので、自動的に毎月更新をされていた、Amazon musicがありました。
また、一瞬だけお得で利用したけれど、やはりある日付までに解約をしなかったので、毎月出て行っていたウーバーイーツの「何か」があって、やめました。
それから(まだあるのか)・・Amazon Unlimited も、全然利用しないのに忘れていて、確実に引き落とされていました。

夫だと、「t」で始まる名前の通信会社で、何かで、何かに入り、月に150円、引き落とされるのですが、全然使っていないし、もう止めたいのに、やめられないでいました。ときどき思い立って、「今日こそやめましょう!」と、夫婦で頑張ってパソコンに向かっても、きっとどこかで先に行けない。で、長年、やめさせてもらえませんでした。かといって、人間のカスタマーサービスの人にも、辿り着けません。結局、その「t」で始まる通信会社の、他のサービスを利用しようとして、人間の担当者の方と話す機会があって、この件を言ってみましたら、簡単にやめることができました。
担当者の方は、「すみません、わかりにくいですよね」とおっしゃいましたが、さすがに
「うち、絶対簡単にはやめられないようになっているんです」
とは、おっしゃいませんでした。

今はそういうのはなくなりましたが、私だと、もうらちが開かない、
仕方ない。こうなったらなんとしてでも人間の担当者とお話をする!と思って解約手続きをし始めて、電話でボタンを押しながら進んでいくのに、結局同じところ、
「だから、それが、わからないから解約できないんだってば」
と言うところに着いてしまうことがありました。一番困ったのが、キャリアじゃない携帯を使い始めた後、契約時に使った携帯メアドがなくなったのに、それがないと退会できないというでした。

昔のSFでもありました。
地球が壊滅して、地下に閉じ込められた人が、電話で助けを求めるのですが、
延々と「ただいま電話が大変つながりにくくなっております」とか、
「後程おかけ直しください」とか、
「そのサービスをご利用になるには、
お手数ですが手続きカウンターまでお越しください」
とか、そういうボイスメッセージにぶち当たるばかり・・・。
読んでいても閉所恐怖症になりそうな、辛いディストピアものでした。
今って、それに近い気がすることがあります。

私は去年の9月に、通っていたヨガスタジオで濃厚感染者になり、その後そのスタジオが無期限のお休みとなりました。それで、思いつきでオンラインのヨガレッスンを受けてみたら、なかなか良かったので、とてもお得なキャンペーンを使って月額が安い受講し放題で入会しました。

ところが、やるかと思ったら、全然やらない自分がいました。
ヨガをする前に掃除機をかけ、ヨガマットが敷けて手足を動かせるようにするまで片付けるのがが面倒だったらしく、いつでもできるというのでだらけ、本当に週に1回やればいいほう。

対面のホットヨガは一時間でしたが、オンラインは短いと10分以内。20分もあり、長くて30分。
恥ずかしいのでカメラはオフで受講します。
身なりももちろん、実に無頓着。一人で洒落ても虚しいからです。
スタジオに行っていた時は、「あんた、こんなの着るんだ〜」と言われそうなヨガウェアを着ていたのですが、それは場内が真っ暗だからこそ。
みんなが「そういうの」を着ているからこそだったのと思い当たりました。
オンラインのヨガですと、レッスンの時間が迫っているのに、あたふた掃除機をかけて、ヨガマット広げて、見えないからいいやというので、GUのワゴンで買った300円のジャージっぽいやつを履いて、白々とした昼間の仕事部屋で始めます。でも今ひとつ、気持ちが上がらないのに気づきました。
非日常感がないんですよね
引っ越していった長女の部屋を仕事用に使っているので、ポーズで向きを変えると、

(あ、こんなものも置いて行った・・今度帰ってきたら絶対に捨てさせよう)

などと、気が散ったり、トイレに行ってしまったり、水をとりに行ってしまったり。

しかも私はちょっとでも苦しいと、すぐやめて、座り込んでしまうのです。スタジオでは、できようができまいが、みんな必死ですし、かっこいい皆さんについていこうなど、そもそも思わないだけに、黙々とやれました。
すごく変なポーズでになっていても、全く気にしないでやっていました。
ところが、誰も見てなどいない一人の方が、「まあ、無理して筋でも傷めたらいけないし」とか思ってしまって、すぐサボるのでした。

そうこうするうちに、休業状態だったスタジオが蘇って、通い出したら、これが面白いのでまたはまり、オンラインの方をやめようと思い立ちました。

続きます。

今日の絵は、私が大好きだった美人のヨガの先生です。

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