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兄の影響

俺には3つ上の兄がいる
俺が小学校低学年、兄は小学生高学年
登下校はいつも一緒にしてくれていた
面倒見が良くて、かっこいい自慢の兄だ。

比較的仲のいい兄弟で、学校から帰宅し、「おじゃる丸」「忍たま乱太郎」「天才てれびくん」「みんなのうた」というお決まりの流れをテレビの前で構え、お菓子を一緒に食べてから、お風呂に入り「みんなのうた」で覚えたうたを下手くそながらに歌っていた。

兄が中学に上がってからは些細なことでしょっちゅう喧嘩していたような気がする。
思春期ということもあるのか、母親と出かけるのも恥ずかしいのに、友達との集まりに弟がついてくるのはとても恥ずかしかったのだろう。

俺が中学に上がる頃。
ずっとサッカーしかやってこなかった兄がドラムを始めた。どういう経緯でサッカーボールからペダルをコントロールするようになったのかとても気になった。
特に話すことはない仲になりつつあったが、そこだけはどうも引っかかったので、わけを聞くと。

「かっけぇから」と一言放ち、2階に駆け上がっていき、数秒後には「ドンドンドンドンドン」とドラムでは無い何かが聴こえていた。

そう。面識のある方ならお気づきの通り、性格が真反対兄弟なのである。

ただ、中学にあがり、唯一嬉しかったのはお下がりのiPodを貰えることだった。
同級生の中で某パズルゲームが流行っていてどうしても仲間に入りたかったのだろう。

ゲームを片っ端からやり尽くした頃。
兄が作ったであろうプレイリストを発見し、普段はJPOPしか聞かない俺は、そこで初めてロックというものを認識した。
初期衝動という言葉があるようにまさに面食らったのを覚えている。
あの時、言葉足らずの「かっけえから」はロックを説明するのに十分値することを教わった。

ロックにどっぷりハマり、1つ学年が上がる頃。当時兄のやっていたバンドのライブに誘われ、
人生はじめてのライブハウスを体感した。
昔から大きい音が苦手だったので、恐る恐る歩みを進めると、そこは真っ暗で知らない人ばっかの空間だった。
バンドの出番が来ると今までの騒がしさを吹き消すように照明は主役を照らす。

すると、「ドゥクドゥンッバーン」と爆音が響き渡り、観客は大人高校生関係なく一丸となって、歓声を上げ、拳を突き上げる。
初めて目にしたそれは映像でで見るよりもずっと眩しく、ずっとずっとかっこよかった。

間違いなくこの出来事が音楽を始めるきっかけだと胸を張って言える。

話は変わるが、そんなきっかけをくれた兄に音楽で恩返しをしたくて、プレゼントした曲が今日配信される『ステレオサン』という曲だ。

時代は目まぐるしく変わってしまうけど
いつの世も人は人と手を取り合い助け合うことだけは変わらないからどんな困難も家族で乗り越えていってほしい。

一家の大黒柱を担う兄を誇りに思う
なんだか照れくさくて言えずにいたけど。
結婚おめでとう。

今日の1曲!

【ビッグエディー】ステレオサン


珍しい曲名でどういう意味かよく聞かれるが
「かっけえ曲」とでも言っておこう

説明はそれで十分だ。

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