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VTuberとかのゲーム案件に関するモヤモヤの言語化

注釈:自分の力だけではこのトレンドはどうしようも無いこと踏まえた上でメリットやデメリットという点だけでなく、モヤモヤの正体を暴く上でVTuber側ではなく可能な限りゲーム側に論点を置きたいが、至らぬ方向に飛び火するのは目に見えて判るので、飽くまでも言語化に押しとどめることに専念するので、最終的な行動は各々に委ねたい。


よくあるゲーム案件の種類

単発系

既に企業側が用意したデータを用いて、配信内の時間にて特定のゴールを目指す且つ特定の動作や演出を行う。
一番判り易いのがMMORPG系統で、ほとんど最終レベルの用意、自由に使えるゲーム内課金通貨を用いてのガチャ、ガチャ要素を用いて装備のアップグレードを行ってボスに挑む。
上記MMORPG以外にもスマホ内で課金できるゲームが多い。
ただし極まれにPCのみの環境でごく少数に向けての案件もあるが、こちらは特例に分類される。

期間内の競争型

ゲーム内とSNS上での数値を用いて複数のVTuberを同時に用いて競わせるタイプのゲーム案件。そして1~4週間の期間内にゲームとSNS上の総合的なポイントを用いてランキング発表する。
またゲーム内での競争要素が用意されてるかは問わないが、大概判り易い数値を用意されてることが多いので、この種類のゲーム案件は容易にオンラインでプレイできることが多い。
つまりこちらもスマホゲーの可能性が高い。

特例

ガチガチの特例、超大型企業でも無ければ、元から有名なジャンルではなかったりほぼ無名のゲームにて、極少数のVTuberにプレイ依頼を出す系。
恐らく元々Steam系統だったが、ローカライズをきっかけにSwitchに進出した際に広告の延長線上でゲーム案件が出される。
どことどこを合わせたらどんな確率になるか、という問題は有れど天文学的な確率でないと拝めない代物。

ゲーム側のインセンティブ

顧客層

シンプルにVTuber視聴者層とゲーム案件の対象層が、属性的に一致するのがかなり多い。性別、年齢、SNS使用率、ゲーム経験、そして特に大きい要素が大分類した際の金銭感覚が似てる点が一致してる。なので数撃てば当たる理論が十分通用する範囲ではある。

正のトリクルダウン

ゲーム案件を通じて瞬間的にそのゲーム関連の単語がSNS上で催促される。特に運営元がアナウンスすると、それに参加してるVTuberからの通達でさらにインプレッションが伸びる。
また配信者という、複数のSNSを使うことが当たり前になっているので複数のSNSでのインプレッション、タグ利用率、はたまたはまったく関係の無い層への間接的なアプローチにも繋がる。

企業案件の経験

マイクロインフルエンサーやゲーマーインフルエンサーとかいう言葉を乱立させることはできなくはないが、一致する顧客層を束ねる現代の象徴となる存在(本記事の場合VTuberを指す)に対しての市場調査を含めた、魅力的な案件としての調査の延長線上で双方に「案件の経験を重ねる」ことを目的とする場合がある。
特にメディア媒体が、SNS上の少ない文字数、1分以内の動画化、配信等と、従来の広告範囲とは異なるのは企業側も重々意識してる故のインセンティブになる。

共通の問題点

ゲーム資本の不一致

ゲーム案件側の資本としては、ゲームが提供する楽しさがあることが大前提になるが、ゲームを直感的に楽しいと思わせる要素が無いと成り立たない。
だがゲーム案件のゲーム資本が必ずしも、VTuber視聴者層が受け取る楽しさと一致するとは限らないし、顧客層の属性が一致していても、VTuber視聴者層が密かに抱えてる側面内の属性で酷い不和を生じさせてる場合もある。色々例題がある中で、最も判り易いのは、既に一つのガチャゲーをやってる人は、その他ガチャゲーに金銭的に触りづらいし「ゲームはゲーム、推しは推し」と言った具合に完全に切り分けてる層も多い。

VTuberコミュニティが提供するコンテンツ

特に縦型配信やShortsから伺える通り、VTuber側が普段提供してるコンテンツの属性が固まっている場合があり、ゲーム案件を経て新規開拓の延長線上として案件配信を行ったりするが、それはVTuberが新規開拓で頑張るだけでなく視聴者側もそのVTuberの良さを見つけ出すのに労力を割く必要がある。
スッゴイ酷い言い方をするならば「Apex」を中心に配信をしてる人が急に「原神」とかをプレイし始めても、一部の視聴者は「ガチャ画面よりもアウトプレイの場面を見たい」と潜在的に思うことは、容易に想像できるだろう。

案件としての価値

これらのゲーム案件に携わったことを踏まえて、俗に言う活動者の履歴書として書きあげることは可能だが、いざ経験を語る上で本当に利点として取り上げることが出来るのか。
また子細を確認する上で、この案件を行ったことよりもその他活動内容が何かしらの判断理由へのウェイトが大きい可能性がある。変な話ではあるが、「いざ自分が面接する際に取り上げたい過去配信」の中に、案件配信を含めつつ案件内容と配信の様子を鮮明に覚えられるか、も争点に加えられる。

モヤモヤの正体

上記の時点で既に幾つかの不一致や、ゲーム案件企業側の意図を紹介してきたが、この皆が抱えるモヤモヤ全体を本記事ではあえて言語化していく。以降は既知の情報から手繰り寄せられる結論だけを述べていく。

安易な結び付け

ゲーム案件の企業側がそことなく考えて適当に用意した案件のように見えるし、VTuberが行っているにもかかわらず、そのVTuberらしさが全面的に出てない感覚は、企業案件としての誘導があるからかは判らない。
あわよくばVTuberとの共同体験をそのまま遂行して、課金を経てお金を落としてくれれば万々歳という、見え透いた意図が伺える。この意図はストレートに干渉過多と言えなくは無いし、言い方を変えれば棍棒外交に似た感触を覚える。またその意図が潜在的にあるのが問題なのではなく、それを全面的に出すような「結局お前らは推しが見れただけで良いんだろう?」という魂胆を一切隠さない素振りから一種の嫌悪感を覚える。

時間の浪費

ゲーム案件が入るタイミングは任意だがVTuberの記念、その他コラボのお誘い、視聴者各々の人生設計とかで視聴できる時間を明確に数値化できないが時間が足りなく且つ若干噛み合わないのはどこも同じである。
にも拘わらずVTuberの意志が必ずしも反映されてるとは限らない案件配信で1日だけでなく複数日拘束されることへの違和感。
全ての瞬間が大切とは言わないし全スケジュールが正しいとも言わないが、VTuber側の意図が反映しきれないことが確約してる配信、言わばVTuberが叶えたい存在からズレてる感覚。
こんな大それた概念でなくとも、疲れた日から帰った日に開いたSNSで配信を確認し、案件中の「借りてきた猫」のような推しを見て、言葉にできないまま落胆し「本当は○○が見たかったのに」と心の奥底に仕舞う。自分の「推したい」感情が歪曲された何かが、精神的堆積物として溜まっていく。
これを全てまとめ上げると「時間の浪費」になる。

ならではの立ち振る舞い

本当に楽しめるゲーム

VTuberが選ぶだけでなく、ゲーム案件企業側も自身が提供するコンテンツが本当に楽しめる部分があることを重々把握した上で案件を行って欲しい。それらは誇張された経験や、手に入れにくい物を無理やり入手させたような、従来あったゲーム設計内の楽しさから大きく逸脱させた経験ではなく、ゲームをプレイする上での直感に基づくゲームのらしさに合わさった楽しさであってほしい。
と、上記のような崇高な意見でなくとも、楽しみ方を教え・誘導する文章をスライドなりゲーム内なり用意し、案件中に歩みやすい道筋を用意するだけでもVTuberのエンゲージメント向上が期待できるハズ。

マッチングのような案件

企業側が予め特定のゲームをプレイしてくれそうなVTuberを募集し選考もしくはオファーを出す形の案件。企業側の負担が爆増し且つそれに見合った「案件日数」を確保できるとは限らないが、「モヤモヤ」が少ない状態に持って行かせることができるタイプの配信を提供できる。
また選考もしくはオファー出す直前に、対象のVTuberが似たジャンルのゲームをプレイしていた場合にはコメント欄の活発具合を適当に数値化すれば意外とどうとでも成れなくはない(補遺1)。

やけくそ効率プレイ

ゲームや案件内容に縛られ過ぎず、可能な限り効率プレイを実演して、思わぬ視聴者層を大量ゲットという夢のような話。VTuber側の負担が大きくなるが、ゲームに対する本気な姿勢を評価する一定層から支持が得られるかもしれない。

最後に

我々のモヤモヤのウェイトは如何程か。これを清濁併せて呑むことが推し活なのか。はたまた可能な限り心の豊かさを尊重し、必要に応じて距離を取ることが正しいのか。
また同時に「選挙」のように判り易い数値化が無いために、こういった案件に参画する上にあたって、着実に生成されていく「案件の正しさ」が歪になるか否かを、我々のアクションから示していくべきなのか。良い案件配信に出会えない理由を誰に投げかけるべきか。
結局好きなのはエンターテイメントなのか推しなのか。
可能な限りモヤモヤを提示しそれに連なる疑問も記載した。後は諸氏各々の判断と行動に任せたい。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

補遺1
私は技術屋なので、備忘録としてこの手順をまとめておきたい。
①YTにて「類似ゲームの名前+VTuber」から検索して配信URLを取得する。
②その配信のコメント欄をテキスト上で取得する。
③盛り上がった場面または文字列多めのコメント(10文字以上等)でフィルタ(同時に絵文字を排除化)
④適当な単語毎の感情値を計測してくれる機械学習にかける、もしくはそれを人間の目でサッと眺める。
⑤この動作を①で見つけたVTuberの幾つかのゲーム配信で実施する。
これで大体どんなプレイスタイルをし、どんな顧客層が居て、どんな雰囲気の配信なのかを大体把握できる。問題点は筆者はこれをTwitchでやる方法が判らないのでそこは別途確認して頂きたい。




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