ノネコ問題、動物たちと向き合うこと

個人の意見です。人によっては強い不快感を覚えます。そして構成を意識して書いてません。悪しからず。
ノネコ問題に対しての自分なりの考えです。
ネコが好きな方も、そうでない方も是非主観的な目線ではなく客観的な事実から目を背けないでいただきたいです。

自分は今まで多くの動物の命を奪ってきて動物の命について少し考えるようになりました。例として畑に侵入し罠にかかったアライグマを、ある時はくくり罠に引っかかったイノシシに直接とどめを刺したり保健所に連絡して罠ごと引き取ってもらったりと様々ですが、間違いなく私は動物を殺してきました。
私の実家は農家です。生きていくために野菜を守り、育てなければなりません。一度でもイノシシが畑に来ると、土は掘り返され、野菜の根はやられ今期の収入が0になるなんてことも起こり得ます。なので命に換えても野菜を守ります。ことが起こってからでは遅いので、積極的に日常的に獣害に備えます。日頃から花火やエアガンなどでサルを追い立てたり、猟友会にカラスを撃って貰ったりと検索すれば積極的な獣害対策はいくらでも出てくると思います。
しかし一方で道徳的な考えとして野生動物は危害を加えてこない限りそっとしておくべきという考えもあります。この考えは動物の権利、アニマルライツとして今や広く一般に知れ渡っています。日本でもこの活動を支援する人々は多いです。簡単に言えば動物実験などの動物への非倫理的扱いをなくし、動物が動物らしくいられるような権利と尊厳を守るべきという思想です。

動物を抑圧して生きてきた自分にとってはなるほどと思う反面、自然に対してあまり実感のない人たちにとっては暴走する恐れのある言葉だなと感じています。

ここまでうだうだ言いましたが私は間違いなく動物が好きです。もちろん、種として苦手だったり嫌いな動物はいるけどそこにある命としてリスペクトをしています。と同時に私は人間であり、人間は環境に積極的に作用する生物でありますから、自然の徒である動物とはどうしても対立関係になってしまいます。
元からある環境に適応し生まれてきた生物と環境を自分に適応させる生物の根本的なライフスタイルの差が出てきてしまうわけです。
この環境変化の過程で山が開発されたり川のコンクリート整備などが行われ原生生物の適応が間に合わず数が減ったり絶滅したりしてしまう、というのが現状です。いわゆる人間の身勝手で動物にしわ寄せがいってる例です。これは私たちにとって最も身近な動物にも起きています。
人間のパートナーと言えば犬、そして猫の2種が最もポピュラーですが、この2種も近年大きな問題を引き起こしています。
日本ではあまり見かけませんが、野犬は大きな脅威です。犬の武器は咬合力と俊敏な動きですので、基本的に敵対されると道具なしでは人間は太刀打ち出来ません。そして、ノネコも生態系を破壊するという点において非常に凶悪な存在です。事実、ノネコは侵略的外来生物ワースト100に名を連ねており、また環境省、農林水産省の発表している「我が国の生態系等に被害を及ぼす恐れのある外来種リスト」にもノミネートされています。
彼らは身体能力が非常に高く、鳥類はもちろん、げっ歯類などの小動物やヘビなんかも仕留めます。そんなノネコの一日に食べる餌の量は380〜450gと言われています。この量が多いのか少ないのかは個人の判断に委ねます。

犬と猫は見た目が非常に賢く、可愛いらしく、人間と共存してきた歴史も長いため多くの人に愛されています。しかしながら、それはペットとして、つまり野生動物ではなく完全にコントロール下にある個体の話です。
野生に放たれた彼らは犬、猫ではなく、ノイヌ、ノネコという野生動物に変わります。その証拠に、鳥獣保護法において、ノネコ、そしてノイヌは狩猟対象鳥獣となっています。イノシシやシカと同じく害獣として狩猟対象になるのです。
そしてノイヌ、ノネコは私たちの行動次第で発生を抑制することが出来ます。簡単なことです。ペットは室内飼育を徹底し不必要な繁殖を防ぐため不妊、去勢手術を行う、そして最期まで面倒を見ることです。
アニマルライツの観点から見ても動物の幸福のためにこれは最低限必要だと思います。

こういった対策を話すとたまにこのような反論があります。
飼いたくても飼えない人がいる。その人たちのために地域で飼育、もしくは餌付けしている野良猫はどうだろうと。地域猫と言われるノネコたちのことです。
私の意見として、彼らは間違いなく野生であり、生存戦略として自分が苦労せずに餌を確保する手段として人間にすり寄ってきているだけに過ぎません。また、餌をあげたからといって狩りをしないわけではありませんし、餌をあげる人が居なくなれば一斉に周囲の生物を狩り尽くしてしまうでしょう。目立った天敵もいない日本ではことさら顕著でしょう。それに、彼らは本能として繁殖を行います。天敵が居ないということは成長過程で淘汰されることが少ないため、頂点捕食者だけ数が増えてしまい、生態系ピラミッドの上部層のみが肥大化しそれを支えてる生物相に負担がかかります。これは予想ではなく事実であり、調べると沢山事例が出てくるのでぜひ調べて見てください。
まとめると、無責任なことを集団心理で正当化しようとしていることに他ならないと思います。猫を飼いたいなら適切な環境を用意しましょう。でなければ諦めましょう。

ノネコに餌付けをされてる方にインタビューをして、理由を聞いてきました。対象人数は約30人で、男女比は7:3くらいでした。
可愛いから、可哀想だから、本当は飼いたいけど設備だったり経済状況で厳しいからせめて餌だけは…といったものが大半を占めていますが、中には生態系保護のためにやっていると答えた方もいらっしゃいました。
見た目や仕草が愛らしく人気の高い生物である反面、獰猛で俊敏なハンターであるという面を伝え、その上でこれからも餌付けをするのか、と質問もしました。
話を聞いてくださったのが16人で、大半の方がこれからも餌をあげ続けるだろうと仰られていました。
見た目というのは非常に大きいのだなと感じた反面、気持ちはわからなくもないのです。恋は盲目では無いですが、好きな物にはどうしても加減をしてしまうものです。しかし、私たちは理性で感情を抑えなければそれこそ野生動物と一緒なのです。理性の有無、そして強度は人と動物を区切る大きな線です。

あなたが可哀想だといい善意から餌をあげた結果、その可哀想な個体を増やすことに繋がることを理解して欲しいです。
狭い室内は可哀想といって外に放した結果、駆除対象や狩猟対象となり残酷な結末を辿ってしまう可能性があることを知って欲しいです。殺処分ゼロなど、よく見かけますが殺処分に至る過程やその原因を生み出した背景なども同時に確認しましょう。
野生動物とペットの線引きを明確にし1つの命として尊重することは非常に大変です。だからこそペットは私たちの生活を豊かにしてくれるのだと思います。ひとつの命と向き合う覚悟のない人はペットの飼育を諦めましょう。動物に対して失礼ですし、あなたも幸せになりません。

まとめます。
ノイヌ、ノネコへの餌付けによって可哀想な個体がさらに発生します。あなたが住んでいる地域の生態系ピラミッドを破壊しないためにも軽率な行動はやめてください。
地域猫は管理されていないノネコと同等です。去勢したからOKではなく、野生にいることが不自然かつ危険な存在であることを理解してください。ノネコは多種多様な生物を捕食し生態系を壊してしまう侵略的外来生物です。あなた達はペットを飼育しているのではなく、自分のエゴを貫いているだけです。

以上です。
全ての命は、古代より紡がれた歴史の結晶であり尊く、素晴らしいものです。
だからこそ、人間という知的な生物として、理知的な判断をしましょう。



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