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新卒のひよっこPdMが失敗から学んだチームとの向き合い方

はじめに

この記事は "プロダクトマネージャー Advent Calendar 2020" の 18日目の記事です。🎄✨

はじめまして。株式会社MoneyForwardで、人事労務領域の新規サービスのPdM(プロダクトマネージャー)を担当している辻です。2019年4月にMoneyForwardに新卒入社し、2020年の1月から新規サービスのPdMになりました。

サービスのリリースは2021年度を予定しており、まだサービスリリース経験がないひよっこPdMですが、自分の失敗経験から学んだチームとの向き合い方について整理します。

PdMは日常業務で数多くの関係者と業務を行います。その中で、日々チームとコミュニケーションを取り最適解を模索しながら、プロダクト作りを進めていると思います。
今回は特に経験が浅いPdM向けに、自分の失敗経験と学んだことを整理することにより、チームについて何か考えるきっかけになればと思い記載しました。( ※ 開発者・デザイナー・PdMから成立しているプロダクト開発チームを想定しています。)

今回は、大きく2つのテーマについて記載します。
1. 自分が、チームを通して失敗した経験
2. 自分が、チームに対して向き合い方を変えた瞬間

1. 自分が、チームを通して失敗した経験

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私は、チームに対して大きく2つの失敗経験があります。
・1人で全部やらなくてはいけないと背負いこみ、失敗した
PdMとしての価値をチームに認めてもらいたくて、失敗した
1つずつ説明していきます。

・1人で全部やらなくてはいけないと背負いこみ、失敗した

1つ目は、PdMになる前の経験です。新卒で私はFintech研究所という部署に所属していました。そこでは、実証実験の開発から分析、ロビイング活動の同席、広報対応、営業同行等、様々なジャンルの業務を1名でこなしていました。当時は、様々なジャンルの業務ができ、経験を積めるため自分にとって良い経験だと考えていました。

しかしながら、そのような良い経験が出来ていたにも関わらず、今考えると、それぞれの仕事の進め方に色々足りない点があったのかもしれないなと思います。その1つに「チーム」があります。

当時は様々な業務に追われており、中長期でどうすべきなのか、何から優先度を付けて対応していくべきなのか、既存のアイデアについてブラッシュアップを行う等、本来注力すべきことに全く手を付けられていませんでした。

もちろん1人で業務をすることにより、意思決定を早くすることができます。しかし、様々なジャンルの業務を横断して進めていくことによりスイッチングコストがかかり、どうしても時間を捻出できず、日々の圧倒的業務量に追われてしまいます。
さらに思考やアイデアに関しても1人で考えた枠を出ることが出来ず、社会課題のような複雑で難しい問題の解決まで辿り着けません。

当時はこのようなことに気付かず、周りに頼らず1人で乗り切るにはどうするべきかという視点に陥ってしまったことが1つ目の失敗経験です。

PdMとしての価値をチームに認めてもらいたくて、失敗した

2つ目は、PdMになった直後の経験です。新卒1年目で、右も左もわからない状態でPdMになりました。当時チームだったテックリードやデザイナーと私(PdM)の間には、社会人経験に関して新卒の私と10年程差がありました。

PdMについて自分の中でまだ定義が出来ていない、また周囲のメンバーとの圧倒的な経験値の差を埋められず、PdMとしての価値が全く分からない期間が続きました。PdMとして今自分は何をすべきなのか、どのようにチームから信頼を勝ち取るのか常に考え続け、初めの3ヶ月は非常に苦労したことを覚えています。

その3ヶ月間で印象に残っている失敗は、分からない意見をそのまま聞き分かったフリをしてしまったことです。当時はドメイン知識も全くなく、圧倒的な経験差を感じており、本当に理解できていない部分でも、そのまま頷いてしまうこともありました。

そのためミーティングがあっても理解が遅く、本質的な議論になかなか入れませんでした。PdMとして、プロダクトに責任を持つべきなのに、当時はプロダクトより、自分の見栄により、本当に良くない仕事の進め方をしていました。

これにより当時は、議論に関しても理解が浅いため上手くまとめることが出来なかったり、チームの意見に迎合することがありました。このようなスタンスで仕事をすると、PdMがボトルネックとなり、チームの生産性を下げ、必ずチームからの信頼を失います。

私は、経験豊富なテックリードやデザイナーからのサポートがあり、チームからの信頼を失うような事態は免れましたが、なかなか上手く業務に入れなかった経験が2つ目の失敗経験です。

2. 自分が、チームに対して向き合い方を変えた瞬間

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ここまで失敗経験を記載しましたが、当時は失敗であると認識することが出来ませんでした。上記の失敗を初めて「あ、これまで間違っていた ...」と自分で認識できる瞬間がありました。ここでは、気付いた瞬間と、それによって学んだ自分の考えについて記載します。

あるミーティングでの出来事だったのですが、エンジニア・デザイナーから様々な観点で発言が出て、私の仕様素案に対して様々な角度からフィードバックを頂きました。その結果、プロダクト・チーム開発にとって有意義な仕様素案、そこからデザインを作成することができ、それをプロダクト開発に反映することができました。何気ないミーティングだったのですが、ふと上記で記載した2つの失敗に気付くことが出来ました。

まず失敗1に気付いた背景として、異なる能力や才能を持った各スペシャリストの様々な意見をブラッシュアップさせたことによるアウトプットの量・質は、1人のみで考えられる量・質を圧倒的に上回ったことです。このミーティングでは1人から考えた仕様素案が、チームからの議論によって、大きく改善されました。

特に私達が扱う社会課題のような複雑で難しい問題に関して、1人で小さく早く考えるより、幅多岐に渡る分野のスペシャリストから、様々な観点で意見交換することがどれほど重要か再認識しました。

また失敗2に気付いたのは、上記会議の事前準備の時でした。

そのミーティングの前までは、関係者で認識が揃わなかったり、意見が異なっていた場合に、なぜそのような認識の齟齬が生じるのか理解できないこともありました。そのミーティングでは、いかにチームの理解を手助けすることができるか、自分が出来るサポートは何か、徹底的に考え抜き事前準備を行いました。

その結果、ミーティングでは関係者の認識も圧倒的に揃いやすくなり、認識齟齬が少なくなりました。つまり、これまでは認識が揃わなかったのではなく、それぞれが業務で必要な認識を持つためのPdMによるサポートが不十分でした。

上記2つの失敗経験を元に、今ではチームに対して何が出来るか、何をサポート出来るかという姿勢で常に思考するようにしています。また他の方がアウトプットを出せない場合は、どのように自分がサポートすることができるのか、自分のサポートとして足りない部分はどこか考えるようになりました。

まとめ

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今回は自分の失敗経験を通して、現在のチームの向き合い方について記載しました。私が伝えたいことは、チームに対して、何が出来るのか、何をサポート出来るのか徹底的に考え抜く姿勢が最も大事だということです。

現在は開発チームも増え、ベトナム出身のメンバーもジョインしてグローバルになり、チームとしてさらに難しい挑戦をしています。また開発チームだけでなく、ビジネスサイドとのコミュニケーションも増えてきており、続々とステークホルダーが増えています。

ただ今後どのような難しい状況であっても、チームへの向き合い方として、何に課題に感じている点、何をサポート出来るのか、徹底的に考え抜けば必ず突破することが出来ると考えています。

読んでいただきありがとうございました!

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