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マティスの最高傑作を観た瞬間~絶景を前に人は何を想う?

画家アンリ・マティス、彼は旅をするたびに人生を変えていった、絶景と出会うたびに革新的な表現を方法を生み出していった、それをマティスは人生で旅を通して何度も経験した。

そんなマティスが見た絶景の数々を紹介してくれた番組を拝見しました。

画風を一変させた絶景とは?
作風を一変させるほどの体験とは?
マティスを魅了した光と色とは?

NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』でこれらのことが紹介されて、マティスが旅を愛していたこと、そして“色彩の魔術師”と呼ばれる理由について、この番組を観て初めて知った私には、「更にマティスの作品を観るのが楽しくなったなぁ」と思えるほどの番組でした。


絶景を前にマティスは何を想ったのか?
マティスが見た絶景のそばにいる人たちは何を想うのか?
そして、絶景と出会いマティスが作った最高傑作とは何か?

『果てしなき絶景 マティスの旅』で私が出会った数々の”想い”、そして番組で出会ったマティスの最高傑作である”絶景”について、皆様にボソッとさせていただきたいと思います。


アーティストがどのような思考を持ち作品を描くのか?

”アート思考”を学ぼうと思っている私には、この番組でマティスのアート感覚を学べたことが、今後の私の人生の原動力になるのではと思うほどの、出会いとなりました。




絶景を前にマティスは何を想ったのか?


『果てしなき絶景 マティスの旅』の番組内で紹介された絶景の数々、今回のボソッとでは南仏コリウール、モロッコ、そしてタヒチを旅したマティスが、まだ見ぬ光を追い求め旅したときのマティスの記憶の数々をご紹介していきたいと思います。

旅で出会ったマティスを魅了した「光と色の絶景」とは・・・


名作誕生の地”コリウール”


NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より

マティスがコリウールの光を浴びて描いた1枚『帽子の女』


マティス
「自然を前にした子供のようだった。自分の気性が自由に語りだすようにしなければならない。」

「規則にのっとったものはすべて無視し、感じたままに絵を描く、ただ色彩だけを頼りに・・・」


砂漠と青の街の”モロッコ”


マティスが夢見た自然の絶景が広がる世界、サハラ砂漠

NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より

マティス
色彩の探求は決して他の絵画を研究することではない。外から自然の中の光の掲示からもたらされた。

私はいつも光とその詩に心を奪われてきた

そして、マティスブルーにも影響を与えたというシャフシャウエン。

『世界ふれあい街歩き』「シャフシャウエン/ モロッコ」より

この街に出会ったことで描いた絵の原動力は、平和への願いだったと言われています。

絶景に出会うことで、マティスは祈りの色を見つけたのではないでしょうか。

『カスバの門』

マティス

「人々の疲れをいやす、肘掛け椅子のような絵を描きたい」


光の世界”タヒチ”


マティスは人生を変えるほどの絶景にタヒチで出会いました。

NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より

強烈な日差し、透明な光、澄んだ空気、混じり気のない色、まさに絶景。
描きたかったのは、こんな光と青の世界だったかもしれない。

マティス
太平洋の光、島々のあの光は深い黄金のカップの底をのぞき込むようだ。
美しい、美しすぎる、強烈に美しすぎる、ゆえに怖い。
まるで光が永遠に立ち止まるかのようだ。
言葉にできないほどの力強い官能を味わった。


絶景を前に人は何を想う?


これまではマティスの声をもとに絶景を前にしたときのアート感覚をご紹介してきましたが、次は絶景に常に触れている街の方々がどのように想っているのか、マティスの人生を変えるほどの影響を与えたという絶景に対して、日常的に触れている方々が何を想っているのかを知ることによって、マティスのアート思考を少しでも感じられるのではないかと思い、今回皆様にもご紹介します。


コリウールの住民


この街の色のルールについて語る住民
「青は許可されている、”マティス・ブルー”と呼ばれる青だからね。多くの住民がマティス・ブルーに塗り替えたよ。マティスに我々が敬意を払っているあらわれのひとつなんだ。」

NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より

窓越しの海について語る住民
「この海、まるで戦車が銀の光を反射なしながら走ってくるようだろ。」

NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より

街の光について語る住民
「ここには離れがたい魅力があるの、それはこの特別な光よ、強烈な光。」
「強烈な光で他にはないコントラストが生まれるの。」
「陸と海の光がぶつかり合ってこのような表現を生んでいるの。」


モロッコの住民


砂漠の住民
色がとてもきれいなんだ、なぜなら砂には3種類の色があるんだ。
ふもとのほう、村の近くの砂は白い、道の脇だから車のホコリが入るんだ。
ここの砂は黄色い、きれいだね、陽の出のとき砂丘は明るい色で空は青い、素晴らしい色の組み合わせなんだ。
そしてこっちは大砂丘でピンク色だ。遠いからそう見えるんだ。
僕らはここをとても美しいと思っている、静かだから。

NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より

シャフシャウエンを案内してくれた住民
「この路地を僕は”こだわり”と呼んでいるんだ。いつも思うようなイメージが再現できないからね。」
「それはひとつの光じゃないんだ。光が当たった壁の表情であり形なんだ。」
「海なのか、あるいは空なのか、マティスはモロッコの青に影響されたと思うんだ。」
「ブルーのタッチを入れることで彼は少し物事を和らげ、平和的なビジョンを示そうとしたんじゃないかな。」
「いま起きている事に対して平和的で穏やかな見方をもたらすこと、それこそがアーティストが伝えるビジョンでありメッセージだと思うんだ」


マティスの最高傑作である”絶景”


番組は最後に、マティスのもうひとつの光の絶景を紹介してくれました。

それは『ミツバチ』、マティスのふるさとである北フランスの子供たちにマティスが贈った作品です。

NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より
NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より
NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より


明るい光を注ぐステンドグラス、ステンドグラスの色が子供たちを照らしてくれています。

輝いていたのは、子供たちの笑顔

NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より
NHK番組『果てしなき絶景 マティスの旅』より

これこそが私にとって最高傑作なのではと思っているマティスの作品です。

マティス

人々の疲れを癒す、そんな肘掛け椅子のような絵を描きたい。」

ありがとう、マティス、私はあなたの作品で心が癒されました。

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