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学校でゲーム教材学習が効果的なわけ~「This War of Mine」で当事者意識を鍛える

NHK番組『クローズアップ現代「”体験”が景色を変える~ゲームで学ぶ”世界”~」』を観ました。


この番組では、世界に存在する色々な問題を「体験」しながら学んでいくゲームが紹介されておりましたが、ゲームすごい!ゲームの進化が止まらない!というのが最初の印象でした。

遊ぶことが最大の目的であったゲーム、

新たな役割を担いはじめたゲーム”の登場、

ゲームが子どもの頃から大好きだった私にとって大変興味を持った話題でしたので、今回ボソッと致します。


新潮流『ゲーム教材』は子供たちの当事者意識を鍛える!


今回のボソッとのテーマは”授業とゲームを組み合わせるゲーム教材はありか?なしか?

結論から申しますと、”ゲーム教材はあり!”と思っておりますが、これはあくまでも・・・

学校で使用するゲーム教材は有効だ!”という”学校限定”のお話だと思っております。

さて、もし私が先生だったら、ゲーム教材を使って子供たちと色々な問題をゲームで体験しながら、クラスのみんなで社会問題について一緒に考えさせたいですね。

きっと子供たちは喜ぶでしょうね、「明日はゲームの授業があるんだ!」と。

子供たちも喜ぶでしょうが、大人たちも喜びますよ。

「この問題にはこう対処していく!」という考えをもつ子供たちが増えていくことでしょうから。

なぜなら今の日本の子供たちは、世界の社会問題は他人事のような認識で捉えている子供たちが多いのではないでしょうか。

だからこそ社会問題に対して自分の考えをもてる子供たちを育てないといけないと思っております。

このようなことから、”当事者意識”を持つ子供を育てるためには『学校でのゲーム教材は有効である』と私は思います。

ただし、ゲームをやるだけ学習効果が高いかと言うと、決して有効ではないと思っております、むしろ逆効果かもしれません。


ゲームをやるだけでは脳科学的には逆効果


『クローズアップ現代』をみて、我が子にも「This War of Mine」をやらせよう!と思って、子供のスマホにインストールさせてあげるやり方は、あまりお勧めしません。

なぜならば、脳科学的に”子供がスマホやタブレットで長時間、ひとりでゲームをやるのは子供にとって良くない”という研究結果もあります。

弊害①:子供の脳の発達に阻害

脳科学者の川島隆太・東北大学教授は
「デジタル端末で勉強すると、脳の発達が阻害される。」と訴えています。

長時間のデジタル端末(スマホやタブレット)を子供たちが使うと脳過労になってしまうことは他の脳科学者の方もおっしゃっております。

自宅では子供はスマホで長時間遊んでしまう子が多いことでしょう。


弊害②:子供ひとりでのデジタル端末は学習効果なし

デジタル端末では脳が十分に働いていないため学習効果はあまりないとい研究結果もあります。

ここで気になる研究結果をご紹介します。

シカゴ大学の研究結果では
「幼少期にテレビを観ていた子どもたちは学力が高いと結論づけています。」

テレビの周りにいる大人たちと子供がコミュニケーションをとりながら、情報をアウトプットする環境を用意すると、子供たちの脳内にその情報が定着しやすくなることを示した研究結果です。

自宅でスマホをする子供、なにを見ているのか?なにで遊んでいるのか?あなたはわかりますか?
スマホから得た情報は、”ひとりで完結する”情報が多いため、ただ見ているだけの場合が多いため、子供の脳内に定着していない可能性が高いかもしれません。


弊害③:脳過労となる子供たち

スマホを長時間みていると脳疲労ではなく、脳過労になるといわれています、つまり深刻な状況になるということです。

子供の場合はもっと深刻化させてしまうかもしれません、大脳灰白質の発達に遅れが生じる可能性があるという研究結果もあります。


つまり、弊害①~③のことを踏まえると、「This War of Mine」は学習効果が高いゲームだからといって、”自宅でひとりでスマホで長時間「This War of Mine」をやらせるのは逆効果となる”可能性があると、私は思っております。

「いやいや、学習教材として「This War of Mine」は効果が高いって番組でも言っていたじゃないか!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、それはあくまでも”学校内”で使ったゲーム教材だから効果があったというお話です。


学校でゲーム教材学習が効果的なわけ


実際に授業とゲーム「This War of Mine」を組み合わせることで、生徒が戦争を考えるきっかけづくりに成功したポーランドでの生徒はこのように言っています。

「普通の授業だと積極的になれないけど、ゲームを使う授業だと自分で考えられるし、楽しめる。

「ウクライナで起きていることが、もしポーランドで起きたとしても何を優先すべきかを考えられると思います。」

NHK番組『クローズアップ現代「”体験”が景色を変える~ゲームで学ぶ”世界”~」』より

その授業を担当したポーランドの先生たちはこのように言っています。

「生徒たちは意識せず自然に学んでいます」
「ゲームの中で生き残るすべを身につけるのです」

NHK番組『クローズアップ現代「”体験”が景色を変える~ゲームで学ぶ”世界”~」』より

そしてデジタル技術を使った教育改革を進めるポーランド政府はこのように言っています。

「ゲームでは生徒はその出来事の参加者です。自分が参加しているのでそれは永遠に記録に残るものだと思います。」
「”学問のための学問”だけではない教育。私たちは学校のためではなく”人生のために学ぶ”のです。」

NHK番組『クローズアップ現代「”体験”が景色を変える~ゲームで学ぶ”世界”~」』より


それではなぜ「This War of Mine」を使ったゲーム教材学習が学校教育では有効だったかをご説明したいと思います。


理由①:時間制限がある中でゲームをしている

これは誰でもわかりますよね、授業の時間内だけで強制的にゲームを終えることができるのが、学校でゲームをやるメリットです。


理由②:周りの人とコミュニケーションを図りながらゲームができる

授業では、まずはひとりでゲームをやることでしょうが、どこかのタイミングで一時中断して、先生からの講義や周りの人たちとコミュニケーションを図りながら、ゲームで学んだこと、感じたことをアウトプットする機会があるはずです。

授業ならば、ゲームをやるだけでなく、コミュニケーションを図りながらアウトプットすることができるため、学習したことは脳内に蓄積されることでしょう。


理由③:デフォルトモードネットワーク(DMN)のスイッチを入れられるから

脳を休める仕組みであるデフォルトモードネットワーク(DMN)を学校内ならスイッチオンできることでしょう。

デフォルトモードネットワーク(DMN)はボーッとすることです。

脳にはボーッとすることがとっても大事。

ボーッとしているだけで、情報を整理してくれるだけでなく、整理された情報同士が結びつき、”新たなアイディア”が生まれる効果もあるそうです。

良い意味で、学校ならばボーッとできる時間は確保できますよね・・・(悪い意味でもあるかな)

今度は本当に良い意味で、子供たちの脳にとって学校は憩いの場ではないかと思っております。


ゲームが人生に役に立つ方法

私もゲームを単純に楽しんできたものとしての意見を言えば、「学習面としてゲームが人生に役に立った」という実感はないですかね。

もちろん、ゲームで学んだ「仲間を大事にする」とか「情報集めが大事」「失敗から学ぶ」と言ったゲーム思想を応用することで、人生の多くの場面で役に立ったところもありますが、学習面で考えると役に立った実感はないかなと振り返りしています。

ところが、いまの新しいゲームの登場によって、確かに”景色”を変えてくれるかもしれません。

ふだん体験できない世界を見せてくれるし、ゲーム内で自分自身で決断しながら遊ぶだけでもいろいろなことをゲームが教えてくれることでしょう。


世界にあふれる問題をゲームで体験して解決していく、それが新時代ゲーム学習の到来かもしれませんね!


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