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”人たらし術”で移民問題は解決?~オキシトシンと絵文字

前回のボソッとで『イギリスの移民収容船』について船が停泊する住民の方がおっしゃっていたことが忘れられません。

「私たちにとって難しい問題ですが、彼らのいた場所はもっと困難な状況だったわけですから、お互いの状況を理解しあって友好的に共存できればなと思っております。」


私もこの言葉に大変共感しております。

しかし、これはあくまでも理想論なのではないか?そんな疑念を持っているのも事実です。

なぜならば、人間同士の協力関係を築き上げることができる人間の本能は、同時に他者を攻撃する本能も持ち合わせている、脳科学の最新研究から明らかになったこの事実を知ることで、近未来はどうなるかはわかりませんが、少なくともこれからの数十年間では移民問題は解決できないのでは?、そう私は思っておりました。

まずは、移民問題は解決できないのではと思った理由をご紹介します。




移民問題を解決できない理由、”オキシトシン”


NHK番組『ヒューマンエイジ 人間の時代』「第2集 戦争 なぜ殺し合うのか」にて、なぜ戦争を繰り返すのか?「人間の本性」の謎に迫った当番組内で、人間を戦争へと突き動かすのが”オキシトシン”であることが最新の研究によって明らかになったことを紹介してくれました。


オキシトシンは「絆のホルモン」とも呼ばれるものであり、愛情を注ぐ際に分泌されるホルモンであり、お互いの信頼感を高めたり、血縁を超えた協力した背景を支えるのもオキシトシンが関わっています。

しかし、このオキシトシンは、同時に戦争への衝動を生むという恐るべき一面が判明しました。

ライデン大学:カーステン・デ・ドリュー教授(心理学)
オキシトシンは攻撃性にも関わっていることが分かってきた。
私たちを協力的にするだけでなく、ときに非常に攻撃的にする働きもする。
でも、その攻撃性は敵対心からくるものではない。
オキシトシンによって仲間を守りたいと思う一方、仲間以外には線引きをし、攻撃的になってしまう。

NHK番組『ヒューマンエイジ 人間の時代』「第2集 戦争 なぜ殺し合うのか」より


仲間と他のものを”線引き”するオキシトシン


つまり、オキシトシンによって「守る仲間」と「そうではないもの」を線引きするという人間の本能が明らかになったのです。

人間は、自国民には信頼感を高め、例え血縁ではなくても仲間と認め助け合う。

一方、外国人には自国民とは線引きして、協力的になるよりもむしろ攻撃的になる側面を併せ持つ。

まさに、人間の心には弱点があるからこそ、移民問題は解決できない、そう考えざるを得ませんでした。


人たらし術で移民問題は解決できるのか?


人間の本能の攻撃的な部分が科学的に証明されたのでは移民問題は解決は無理か?

でも、それでも私は望みを捨てずにオキシトシンの「絆のホルモン」の面を高められれば、攻撃的な一面よりも愛情を注ぐ本能のほうが高められる方法が判明されれば、きっと解決ではできると信じておりました。


そんな中で観たある番組によって「オキシトシン」が問題解決のカギである望みをもてるようになりました。

その番組は日本テレビ『カズレーザーと学ぶ。』「人たらしになる方法」です。

カズレーザーさんがこの番組内でおっしゃっておりました、

「この人は私に好意を持ってくれてるんだ、少なくとも敵じゃないんだって思われたら、それで丸儲けかなくらいのつもりで結構多用してもイイのかなと思いますね」

このことに私も大変共感しました、これこそが移民問題を解決できる手段となりえるのではないか?

それではこの番組で紹介された”人たらし術”をご紹介します。


人たらしになる方法”ドーパミンとオキシトシン”


日本テレビ『カズレーザーと学ぶ。』で紹介された「人たらしになる方法」をご紹介します。


<人が誰かに虜にされている時、人間の脳はどうなっているのか?>

そのとき、人間の脳では『ドーパミン』と『オキシトシン』が同時に分泌されているそうです。両者はいずれも幸せに関係する物質です。

『ドーパミン』
「うれしい」「おいしい」など、楽しさや美味しさなどの興奮を伴う感動をした場合に出るもの。

『オキシトシン』
スキンシップなどで幸せな気分になったり、幸福感や安心感を伴う時に分泌されるもの

つまり、”人たらしな人”とは、他人に興奮と安心感の両方を与えられる人だということです。


<相手の脳に『ドーパミン』と『オキシトシン』を同時分泌させる方法>

①”自分”について話をすること
②相手の目を見て会話をすること
③相手をファーストネームで呼ぶこと
④相手に“自分語り”をさせること
⑤スキンシップを取ること
⑥目を大きく見開くしぐさを取り入れること


人たらし術“絵文字・コード・スイッチング”


言語学的な人たらし術“コード・スイッチング”も紹介されていました。

日本語では『うなずき』が非常に大切である。
タメ口で話していたのを急に敬語で話すこと。

このような会話によって心理的距離を縮めるられる方法を『コード・スイッチング』と言います。


しかし、移民問題では言語を使った人たらし術は難しいでしょう、なぜなら日本語を話せる移民の方がどれだけいるのか?

そんな言語の壁を乗り越える新たな取り組みをしているニュースを観ましたので、そちらをご紹介します。

キーワードは”絵文字”です。


このようにフランスでは移民対策で絵文字が利用されています。

絵文字を使用した会話によってお互いの心理的距離を縮めるられる、これこそ、“絵文字・コード・スイッチング”です!

<絵文字という伝達手段>
言葉の壁をどうやったら乗り越えられるのか。今年3月、難民支援のNGOなどが中心となってあるプロジェクトが始まった。カギになるのは、日本人にもおなじみの「絵文字」だ。

「例えば空腹だということを伝えたい時、パスタなど料理の絵文字を送れば、何か食べたいということを伝えられます。具合が悪い表情の絵文字を使えば、自分の状態を伝えることができます。それで伝わるのかって? 絵文字は国際的な『言語』になっていますから」

パリに拠点を置く難民支援団体ワティザットのコーディネーター、テア・ドログレスさんはそう話す。支援現場での経験から、難民や移民であっても、ほとんどの人がスマートフォンを持っていることに目を付けた。「(身ぶり手ぶりが使えない離れた所にいる相手であっても)スマホと絵文字を使えば何に困っているのか伝えることができるのでは」と考えた。

「絵文字が難民や移民を救うフランス、「言葉の壁」超える新たな国際語 支援団体が活用」より


”人たらし術”でお互い愛され、信頼が生まれる


移民対策で問題が生じるとき、人間の本能の中では”線引き”が生じてしまっている。

そのような仲間と他のものを区別することで移民問題が起こるものだと思っております。

だからこそ、線引きを起こさないために”人たらし術”は有効な手段ではないかと私は思っております。

移民の方は”人たらし術”で愛される移民となれるのでは?
自国民でなくても愛される人間との間では信頼感が高まるのでは?


それならば、”人たらし術”をうまく利用しながら実際の移民対策に活用されてみてはいかがでしょうか。

例えば、私が今までボソッとした中で、”人たらし術”をうまく活用できればもっと有効に働く移民対策があることに気づきました。

その移民対策とは・・・
”移民支援としての時間銀行”
”移民のための労働者協同組合”

どちらもスペインで行われている移民対策です。これらの政策を各国に導入する際には、”人たらし術”とセットで実施するのです。


ちなみに、私の勝手な推測ですが、スペインでの”時間銀行”では既に自然に”人たらし術”が行われているのではないかと、だから移民にとってだけでなく自国民の方にとっても素晴らしい取り組みになっているのではないでしょうか。


スペインでの”時間銀行”での当事者のお話をご紹介します。
彼らの話にはまさにお互いの愛情を感じることができます。

●創立メンバー(自国民)
「目の前の人をモロッコや中南米の移民だという前に、なぜその人柄を知ろうとしないのかと思いました。」
「異なる地域から来た人たちが”時間銀行”で悩みや喜びを分かち合える相手を見つけています。」
「お金がなくても不法滞在でも難民でも、人としての価値を示すことができるのです。」

●利用者(移民)
「まだ就労許可がないので働けませんが、ここで様々な国の人や料理に出会えて楽しいです。」
「出身・職業・年齢・信仰に関係なく、対等な付き合いができることがすばらしい。」

『国際報道2022』「スペイン ”時間銀行”が避難民を後押し」2022/7/12放送分


いかがでしょう、お互い愛情を注がれた関係性にみえませんか?

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