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時間銀行と部活動の地域移行、そして子供たちの自律

ふと思いました、今年度から始まった「部活動の地域移行」、うまくいっているのだろうか?

恐らくどの自治体も課題として挙げているのは、指導の担い手となる団体を確保する見通しが立っていないということなのではないでしょうか。
なぜならば、「地域に受け皿となるクラブや企業がない」といった課題もあることでしょうし、それならば指導者を雇えばいいという話に対しては、「指導料などのお金がかかる」ということで反対されている方もいらっしゃることでしょう。


そんな「部活動の地域移行」の課題について考えていたら、1年前に国際ニュースで知ったある取り組みが、これらの課題には有効なのではということを、ふと思い浮かべました、それが・・・

時間銀行

”時間銀行”と”部活動の地域移行”をつなげてみたら、ゆくゆくは”子供たちの自律”につながるのでは?ということを妄想が、今回のボソッとです。


もちろん、私は”時間銀行”と言う仕組みを数分の国際ニュースで知っただけの”浅はかな”知識しかありませんので、詳しい方がこれを読んだら「それは現実的ではない」ということになるかもしれませんが、あくまでも私のボソッとと思い、「こんな考え方があるんだな」と温かい目でお読みいただければ幸いです。

今回ボソッとするこの件、結論から申しますと、『時間銀行+部活動の地域移行』という取り組みによって、”スポーツの多様化”と”子供たちの自律”が実現できるのでは!というボソッとです。


”時間銀行”とは


『国際報道2022』で昨年2022/7/12放送分の「スペイン ”時間銀行”が避難民を後押し」で、私は”時間銀行”を知りました。

"時間銀行"とは・・・
身近なコミュニティの間で住民同士がお金ではなくて時間をやり取りすることで、助け合ったり学びあったりすることができる仕組みです。

まず、自分が”人のためにできる”ことを登録します。

例:犬の散歩⇒それを必要とする人からの依頼を受けて2時間、犬を散歩させたら”2時間”をもらえる。

もらった時間は自分の銀行口座に預金ができて、別の誰かに何かをお願いしたいときに使うことができます。

『国際報道2022』「スペイン ”時間銀行”が避難民を後押し」2022/7/12放送分

つまり、”時間銀行”とは、世界共通、誰もが持っている<時間>を使って、色々な人たちとやりとりしながら誰かしらの役に立っていく仕組みなのです。


誰もが時間は持っています、だからみんな持っている時間を使って『地域とのつながりも深める』ことを目的としたこの取り組みによって、「たとえお金がなくてもみんな豊かに暮らせる社会」を実現することができるだけでなく、「誰かの役に立てるんだ」という心の豊かさも実現できる取り組みが、”時間銀行”の魅力だと思います。


避難民の方々の支援として注目集める


避難民支援にも活用されているのが”時間銀行”です。

そこで時間銀行の創立メンバーの方と、その利用者の方々がおっしゃっていることをご紹介します。


●創立メンバー
「目の前の人をモロッコや中南米の移民だという前に、なぜその人柄を知ろうとしないのかと思いました。」
「異なる地域から来た人たちが”時間銀行”で悩みや喜びを分かち合える相手を見つけています。」
「お金がなくても不法滞在でも難民でも、人としての価値を示すことができるのです。」

●利用者
「まだ就労許可がないので働けませんが、ここで様々な国の人や料理に出会えて楽しいです。」
「出身・職業・年齢・信仰に関係なく、対等な付き合いができることがすばらしい。」

『国際報道2022』「スペイン ”時間銀行”が避難民を後押し」2022/7/12放送分


避難民の方々は、きっと母国にいたときは自分の役割を持ち、他の人の役に立つこともされてきたと思われますが、避難民として来た国では「なにもできない」という自己否定感を強められている方々が多いと聞いたことがあります。”支援されるだけの立場”によって複雑な気持ちを持っている方々が多いのではないでしょうか。


だからこそ時間銀行のメンバーになることで、地域のボランティア活動に参加することで周りの人の役に立つことができるようになったという自己固定感を高めるだけでなく、手に入れた”時間”を使い、語学学習や生活の支援などを受けて、しかも地域の方々との交流も深めることができる。

このような【幸せのサイクル】を実現することが”時間銀行”ならできそうですね。


”スポーツの多様化”と”子供たちの自律”を目指したい!


それではここからは、私の妄想時間となりますのでお付き合いいただければ幸いです。


”時間銀行”が普及することによって子供たちの指導者の確保になるのか?確保できたとしても幅広い指導レベルを求めることできるのか?といったことは正直、私ではわからないのですが、”時間銀行”の目的である『地域とのつながりも深める』ことは実現可能なのではと思っております。

『時間銀行+部活動の地域移行』によって子供たちに様々な学習機会が用意されることで、子供たちは地域とのつながりを深められるはずです。

生徒たちが時間銀行のメンバーとして登録するしないは別として、部活動の地域移行が時間銀行によって支えられているという背景を知った生徒の保護者が時間銀行のメンバーとなり地域活動に参加するきっかけとなるかもしれません。
ゆくゆくは生徒たちもメンバーとして登録できるきっかけとなればなと。


スポーツの多様化


時間銀行は、地域とのつながりも深める目的もありますが、色々な学習機会に接することができるという目的もあります。


部活動の地域移行が時間銀行で実行されれば、例えばスポーツクラブとしては野球、サッカー、バスケット、卓球など様々なクラブが立ち上がることでしょう。文化クラブでも吹奏楽、将棋、工作なども立ち上がることでしょう。

部活動をやっている子も、クラブスポーツをやっている子も、ずっと同じスポーツ・同じことをやっている子が多いことを考えると、これを機会に様々な活動に子供たちが参加できるような仕組みを作りたいですね、これが”スポーツの多様化”です。

野球をやっている子ならば、

夏は野球、
寒い冬に野球なんてナンセンス!寒いからこそ走り回りたいからサッカーやバスケットをやる!

という子供になって欲しいですね。

子供たちの自律


時間銀行は、子供たちの自律を促す取り組みだと私は思っております。
子供たちも「ただ支援される立場」ではなく、自分でもできることがあるんだ!という自己肯定感を高めることができる、自律した子供が育ちそうな気がしております。


例えば、「スポーツの多様化」を進める場合、指導者の確保が重要だと思いますが、指導者を子どもに任せるという取り組みはいかがでしょうか。

多様化によって、色々なスポーツにチャレンジしたい子が多くなるということは、初心者が増えるということです、その初心者を教える指導者は大人ではなく子供が担当するのです。

野球が得意な子は、
野球をやってみたいという初心者の子を指導する。指導した時間はこの子の時間銀行の銀行口座に貯金ができる。

その一方、野球を教えてもらった子はサッカーが得意な子です。
そのため、冬になったら野球を教えてもらった子にサッカーを教えてあげる、

そういうつながりによってそれぞれの時間が使われるんです。

『地域とのつながりも深める』ことを目的とした時間銀行は、地域の子供同士のつながりも深めることにもつながります。


しかも、自分の得意なことを教えるという経験によって、、自分でも役に立てるんだ!と自己肯定感を高めることができて、「次はこんなこともやってみたい」と自律した子供に育つのではと私は考えております。


これはスポーツに限った話ではありません。

ゲームが得意な子がいたら、ゲームを始めてみたいという大人に教えることができる。どんなことでも「自分は役に立てるんだ」と自信を持てるきっかけ作りに、”時間銀行”はとっても有効だと、私は思っております。

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