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サインプレーで"野球頭脳”は鍛えられるのか?


子供たちが所属していた小学生の学童野球チームには、なんと攻撃サインと守備サイン併せて50個以上のサインがあったんです!

そんなに覚えられるの?
そもそも小学生に50個のサインも必要か!?

と、思った方々もいらっしゃるでしょう、確かに賛否両論あるでしょうが、このチームでは”ほぼアタリマエ”の空気感のもと50個をこなす姿は代々受け継がれていますので、子供は普通に対応しておりました。

ただし、皆さんのチームでも50個やってみると分かると思いますが、子供たちはサイン自体は覚えられます。ただし、サインプレーの意味を理解できる子は少ないかもしれません。

”サインプレーの意味”とは、「なぜこの場面で、このサインが必要となるのか?」ということ。

指導者の想い的には、「バッターボックスに立つ前から、自分にどんなサインプレーが出されるのか、しっかりと頭に入れてからバッターボックスに入るように」と言う指導をしておりましたが、一部の子にはできることでも、まぁ、どちらかと言えば、”サインプレーの意味”を理解できずにバッターボックスに入っている子の方が多かったですね。

それでも、日々の練習でサインプレーの練習をしておりますので、何も考えずにバッターボックスに入ったとしても、しっかりとサインを実行できるほどのスキルは身に着けておりました。


次に、中学生野球をみて実感したのは中学生になってもサインプレーを理解できない子はもちろんいますが、サインプレーを実行することができない子もいること。
だからこそ、多彩なサインを実行してきたチームの子は中学野球でも重宝されている感じもします。なぜなら、サインが出されれば緊張することでしょうから、場数を踏んだ方が慣れというものあるからです。

学童野球でサインプレーで失敗した悔しい思いは子供たちの野球経験値を上げてくれているようですので、小学生のときにサインプレーをしてこなかった子たちよりは、試合の様々な場面での対応能力は高かったという印象はあります。

ちなみに、50個のサインで鍛えられたチームであっても、いくらサインを正確に実行したとしても、勝負事ですから当然ですが、ノーサインのチームに負けるときもあります。そういうチームは本当に強い、1人1人の身体能力や野球レベルが違いますからね。

ただ、そのような”ノーサインでも勝てる野球レベルが高い子”も含めて、子供たちを育成する指導者が気を付けないといけないのが、

サインが分からないのに試合に出させておいて、失敗したら怒ること。

これをやってしまうと、子供たちにはトラウマとなって、バッターボックスに入っても、ランナーに出ても、何をやってもずっと怖がって野球をしてしまうからです。

サインを分からないのに試合に出させるのは指導者としてはNGだと思っております。分かっていて出場させたのならば、失敗した場合、怒ってはいけないと思います。


せっかく学童野球でノビノビとやってきた野球レベルの高い子でも、中学野球では細かい野球を学ぶ上で、戦略上サインが必要となる場面が多くなってくることでしょう。そのとき、指導者が上記のような対応をとってしまうと、子供は萎縮させてしまい、せっかくの野球センスを発揮できない状況になるかもしれない、だからこそ育成面でもとっても難しい面を併せ持つのがサインプレーであることを指導者は知っておいた方がいいと思います。

そうならないように、そうなった子供たちをフォローするのがパパコーチの役目。

最後に、いくらサインを多用的に使用したとしても、前述したとおり、”サインプレーの意味”を理解できずにバッターボックスに入っている子の方が多かったことを考えると、果たして・・・

サインプレーで「野球頭脳」は鍛えられるのか?

そんな”問い”もあることを頭の片隅に入れて指導頂ければと思います。

子供たちには上の世代でも活躍して欲しいと願っているならば、サインプレーと野球頭脳を鍛えるのは別々に行ってあげることが必要かなと、パパコーチを10年やった私の考えです。

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