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イラン情勢は一気に緩和か。株はジェットコースター相場で高値へ。

イランの米軍基地攻撃でアジア時間はリスクオフで始まったが、トランプ大統領は“So far, so good!"とツイート。この時点で米軍に死者が出たか否かは明らかではなかったが、トランプの楽観的なツイートから被害は無いと判断し、米国ではリスクアセットを拾う同僚も多かった。

マーケットはその後、イランがこれ以上激化する意向が無いことを確認し、リスク資産は全戻しの展開。また、トランプ大統領の会見では、イランから攻撃を受けた事実よりも、米軍に死者が出なかった事実が強調され、米国サイドもこれ以上激化する意思が無いことも明らかになった。

トランプ政権としてはイラン司令官を殺害したことでユダヤ系の支持が高まっただけでなく、年初に予定されていた弾効裁判もうやむやとなり、再選に向けて支持基盤を強化できたといえよう。加えてこれほどの事態があったにも関わらず、米株は最高値を更新しておりマーケットコントロールも上手く出来た格好。

以下、ファンド関係の記事を二つ紹介。

一つ目は、$150bln(約 16.4兆円)を運用するガンドラック氏も昨日、ドル安が最もコンピクションのあるトレードとウェブキャストを通じて説明。理由として財政と貿易赤字が止まらない他、海外投資家が米国から資本を抜くだろうと予想。また、米経済の見通しも黄色信号と評価していた。理由は様々だが、ファンドコミュニティの中でドル安がコンセンサスなのは間違い無いだろう。

個人的にはコンセンサスになるほど、そのトレードをやりたくなくなるが今回はコンセンサスが出来ている割にはポジションを取っていないことと、EURやJPYといった通貨ペアでドル安を表現しようとしていることから、 昨日話した人民元に投資家の目が向かう可能性は高いと考えている。

二つ目は、$80bln(8.7 兆円)を運用するレイダリオ氏のマクロファンドは昨年▲0.5%と2000年来のマイナスを出したとのこと。年末にマーケットで何度かレイダリオ氏のファンドがS&P500 のプットを仕込んだと話題になったが、株のベアビューが裏目に出たと思われる。

昨年のマクロファンドのリターンは平均で6~8%程度とここ数年では好調だったが、S&P500 が 30%近いリターンを上げたことを踏まえると見劣りする結果。総じて、米株のポジションが軽かったことがパフォーマンスの伸びを抑えたわけだが、年を明けても米株のポジションは軽いと感じている。

個人的にはマーケットのポジションの軽さと、来週には米中フェーズ1合意が行われることや、トランプ大統領の訪中の可能性を鑑みて、昨晩のトランプツイート後に米株ロング、米金利ショートをメイク。為替は引き続きドル人民元のショートを維持。

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