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1月にGPIFがドル円を買っていた?世界でチープマネーが溢れている。

米株と米金利の両方が買われる金融相場が続いており、債券・株ともに直近の最高値圏で推移している。

1月,2月を振り返ると、中国・シンガポール・タイ・マレーシア・フィリピン・インド・南ア・トルコ・ロシア・メキシコ・ブラジルといった国々が利下げ、あるいは流動性供給を行い、金融政策の舵を再び緩和方向へ切ってきた。

また昨年を振り返れば、アジアの製造業が落ち込んだことを皮切りに、新興国が先駆けて金融緩和を行い、それが米国製造業にも波及してFEDも3回の利下げを行った。昨年の秋頃から徐々にアジアの製造業には底打ちが見え始めたのも束の間で、2020年は年初からイランやコロナウイルスといったリスクが浮上し、新興国が再び緩和に舵を切り始めている状況だ。

疑問になるのは、 FED も昨年と同様に利下げに追い込まれるのか?ということと、本当に利下げが必要なほど経済が悪いのか?ということだが、少なくとも後者については「足元は堅調で、将来悪くなるリスクはあるが、利下げをするほどではない」というのが答えだろう。前者については、ゼロ金利制約の下でFEDは利下げに動きたくないのが本音だが、マーケットは明らかに利下げに追い込む方向で攻めようとしており、それが続く限り、株も債券も買いという金融相場が続くとみている。

GPIFがドル円を買った?
日本の対外証券投資の1月分が公表されたが、この中の信託勘定を通した中長期債投資が2兆円強もあることが話題になっている。

以前、日経新聞にも取りあげられていたが、これほどの規模で信託勘定を通した売買を行えるのはGPIF以外には考えにくい。また、週次のデータを遡るとタイミングとしては1/6の週で、イラン情勢によりマーケットがリスクオフになったタイミングだ。

この週にドル円は107.65をつけてから110円台を回復していることからもオープン外債だった可能性が高い。こういった取引の背景には当然、リスクオフで行き過ぎた円高にならないようにする牽制の意味もあるが、マイナス金利で国内の運用環境が厳しく、金利のある国にチープマネーが流れ込むという世界共通のトレンドもあるだろう。
まさに金融相場を象徴するようなフローだと感じている。

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