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全ての限月で下落した原油価格


全ての限月で下落した原油価格
昨日は主に直近限月(5月受渡)がマイナス価格へと下落し、話題になったが、本日は6月限以降の先物も下落しており、カーブ全体に売り圧力が見られている。(5月限は本日が最終取引日)

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最大手の石油タンク運営会社であるロイヤル・ヴァパックのCEOが「石油を貯蔵するキャパシティーはほぼ完全に売り切れた」と述べるなど、そう簡単には保管場所の問題が解決されないとの思惑も台頭している。

カーブ全体が下落したことを受けて、マーケットのセンチメントもリスクオフ気味。よく動いたのは資源国通貨で、USDRUB, USDNOK, USDMXNといった通貨がドル高を主導。

一方、少しマニアックな話になるが、WTI先物の6月限と7月限のスプレッドは大きく拡大している。

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これは米国に上場する最大の原油ETF、USOの保有資産の変更に伴うフローと思われる。彼らは先週の木曜に、先物の保有方法について、従来は直近限月で全て保有していたが、今後は2割を2限月先にすると発表していた。

しかし、本日新たにUSO側から保有している先物の40%を直近限月(6月限)、55%を2限月先(7月限)、5%を3限月先(8月限)に変更したと発表があった。
このアロケーションは既に終えたようだが、このアロケーション変更の際に6月限売りvs7月限買いのフローが出る為、6月限と7月限のスプレッドが大きく拡大したのだと思われる。

米国では追加支援策が大筋合意
先週、$349bn(1bn=10億ドル)を使い切った中小企業救済ローンだが、本日追加の支援策が共和党・民主党の間で大筋合意した。

詳細はまだ詰めている最中のようだが、$310bnが中小企業への援助、$60bnが災害対策費、$75bnが医療機関への支援、$25bnがウイルステスト費用とのこと。
早ければ本日にも上院で採決、その後、早ければ23日に下院で採決を行う予定となっている。

米株はテック中心に下落
原油価格の下落の割には、トランプがエネルギー企業をサポートすると話したこともあって、エネルギーセクターの株価は▲1.7%の下落に留まった。本日の下げを主導したのはテック企業。(以下は本日のS&P500セクター別騰落率)

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これまで売られていたエネルギー企業と、これまで買われていたテック企業が本日は異なる動きをしたことから、決算前にセクター間で利益確定の動きがあったと思われる。

引け後にNetflixやTexas Instrumentsの決算が発表されているが、どちらも予想を上回る内容であった。

ここからのリスク資産の見通しについて、朝のCallでは二番底を狙うトレーダーが増えてきた印象で、特に元々、ベアだった人達も4月前半の上昇相場で損切りさせられている為、ショートポジションが軽くなっていることはサポート要因。

加えて、月末のリバランスは$20bn〜$40bnの株売りと試算されており、こちらもリスク資産の重石になりそう。

テクニカルには、S&P500でいうと一先ずは2650〜2655を意識する人が多い。

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